出雲市の布勢川は、十六島湾に注ぐ総延長2.8kmの砂防指定河川ですが、平成9年7月12日、梅雨前線による大雨によって最上流部で大規模崩壊が発生し、10万立米にもおよぶ土石流が一瞬のうちに家屋や橋梁を押し流して河口に達しました。幸い、流域住民は事前に避難をしていたため、人的被害は免れましたが、流域の被害は大きく復旧工事には10年を要しました。土石流は川の水が黒く濁り、流木が混じるなど前兆がありますが、危険に気づくには山林の状況把握をはじめ住んでいる場所の安全が確保されているかどうかに関心を持つことが不可欠です。布勢川下流の広場には「至誠通天」と書かれた石碑が設置されていますが、ゲリラ豪雨などの報道を聞くと、15年前の災害を風化させてはならないと感じます。私たちは地域の安全確保を行政に求める一方で、自らの命は自らが守るという意識を持つことの重要さを布勢川災害は教えています。