4月30日、国際記念物遺跡会議(イコモス)は、富士山を自然遺産ではなく、文化遺産として世界遺産登録するよう国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告しました。6月にカンボジアで開催される第37回ユネスコ世界遺産委員会において正式に決定される見通しで日本の世界遺産は11年の平泉、小笠原諸島に続いて17件目となりますが、今回の審査では日本政府が求めた三保松原や鎌倉の登録は「除外」「不登録」とされ明暗が分かれました。
 ところで、五輪招致を目指す東京都の猪瀬直樹知事がニューヨークタイムズのインタビューで他の立候補都市(リスボン、イスタンブール)の論評を行ったとして、国際オリンピック委員会(IOC)の倫理規定違反と大きく報道されたことは、猪瀬知事が言葉の重みや大切さを知る作家であるだけに大きなダメージです。猪瀬知事は海外紙の取材に対し日本のマスコミと同様の応答を「甘かった」と総括しているようですが、今後の展開次第では、12月の知事選で圧倒的な都民の支持を受けた立場が大きく変わる可能性があり、まさに「好事魔多し」の喩えの通りです。