島根県は、JA雲南赤来肥育センターが購入した宮城県産の稲わらから国の暫定許容量を超える放射性セシウムが検出され、122頭の和牛に給餌された可能性がある問題について、出荷牛13頭の回収と牛肉の放射性物質検査を指示していましたが、検査結果が暫定規制値を大幅に下回ったとして、7月27日、残り109頭の全頭検査を前提に出荷自粛要請を解除しました。しかし、翌日の大阪市場において、県内農家が出荷した枝肉価格が大幅に下落し、市場関係者から島根県産ということだけで販売が困難という声も寄せられるに至って、8月2日、深刻な風評被害の拡大を防止するため、島根県食肉公社においてと畜処理される出荷牛の全てについて放射性物質検査を実施すると発表、同日、溝口知事は、鹿野農林水産大臣に対し、検査にかかる所要経費の国庫負担と風評被害の補償を求めました。
全頭検査の実施は風評被害防止のためには当然のことです。しかし、他の道県のほとんどは検査の実施を決定、開始しており、枝肉価格の低落などの被害が出現しかかってから6日も経過し、開始時期が検査体制等が整い次第となっていることを含めて、効果は限定的とならざるを得ず、島根県の対応が遅きに失した観は否めません。さらに、原発事故発生後に福島県から島根県に導入された子牛などは確認されているだけで68頭にも達しており、市場での「しまね和牛」の高い声望を維持・存続、さらに発展させるためにも、国や関係機関の指示待ちではない、島根県の「適切かつ積極果敢な判断」を望みたいと思います。