菅首相は7月13日、官邸で記者会見し、「原発に依存しない社会を目指すべきだと考えるに至った」と述べ、エネルギー政策の見直しという歴史的な転換に着手する方針を表明した。

 原子力発電所に依存しない社会を作るための道筋や電力確保の根拠を全く示すことなく、また、民主党内や閣内の手続きを経ない「退陣を予告した総理の個人的見解」が本当に実現できるのかは疑問だ。

 参議院選での消費税をはじめ太陽光発電1000万世帯、中部電力浜岡原発の停止、九州電力玄海原発再稼働に伴うストレステストなど、場当たり的な首相発言が政局の混乱を招き、国策遂行の大きな障害となり、東日本震災の復興を遅延させている。

 民主党政権の 「言いっ放し」「パフォーマンス」は、二酸化炭素の排出25%カットの国際公約や米軍普天間飛行場の県外移設に象徴されるように、実現どころか国内政局のみならず日米外交にも深刻な停滞をもたらしているが、政権交代からまもなく2年。菅首相の記者会見を聞き、政権運営に対する学習効果が感じられないことを極めて残念に思った。