菅直人首相は6月27日に内閣改造を行い、その後の会見で「一定のメド」について、(1)第2次補正予算(2)再生可能エネルギー法案(3)公債特例法の3つの成立だと述べたと報道された。
 菅首相は内閣不信任案採決直前に「大震災の復旧・復興、原発事故の収束に一定のメドがついた時点で、若い世代にさまざまな役割を引き継ぐ」と退陣を示唆し、不信任案の否決に成功した。しかし、一転、昨日は「原発事故の再発防止に道筋をつけるまで」、再生エネルギー法案は「採決」から「成立に」微妙に言い回しを変えている。
一連の手法や言動からは、とても3つの法律案を迅速に成立させるための体制構築のために内閣改造を行ったとは思えない。むしろ、自民党参議院議員の政務官起用や事故発生から100日を経過してからの原発事故担当大臣の設置など、権力の座に居座るための方策を模索・実践したとしか見えない。
 為政者として、大震災の対応という大きな政治課題を克服するために、迅速にあらゆる政策出動を可能にするための予算と特別措置法の制定が必要であり、国会も内閣の提案に対する与野党の連携による審議の短縮は当然だ。しかし、与党である民主党の党内手続きを行わないまま、突然の総理会見で政策や人事方針が発表され、不信・反発というのでは本末転倒も甚だしい。「自分が」という手法が、予算や法律案の提案を大きく遅延させ、政党間の対立ばかりか与党内の政争を拡大させてしまっていることに菅首相の限界を感じる。