過去10年、日本の財政赤字を理由に外人投資家は日本国債の空売りを続け、海外格付け会社は最上格であった日本国債の格付けを2002年にAまで引き下げた。しかし、ギリシャの財政危機などに端を発した中で、日本国債の格付けはAAに引き上げられた。
 日本の財政危機は極めて深刻だが、国家予算の半分以上を国民からの借金で賄うことができるのは、貯蓄をするという国民性と長期に亘る経常収支の黒字に支えられた民間資金によるものである。国内金融機関の国債引き受けによって、国は安定的に国内で資金調達ができる状態にあり、日本の国債市場は安定を維持している。
 山陰合同銀行を例に取ると、3兆円を超える資金を保有しながらも、島根・鳥取両県での融資残高は7000億円に満たず、現状でリスクが少ない運用となると、国債にならざるを得ない。しかし、この前提はあくまでも国への信認であり、政府の財政規律への姿勢が曖昧なままでは、いずれ資本逃避が生じることは明らかである。
 少子高齢化が進む日本で、経済を成長軌道に乗せ、税制の抜本改正等による財政再建を果たすことは至難だが、国政にあたる政党指導者各位には、政治状況を安定させ、目前ではなく腰を落ち着けた施策展開を期待したいとするのが大方の国民の声である。
 菅首相は12月6日、首相官邸で社民党の福島党首と会談し、2011年度予算編成への協力を要請した。民主党の右往左往の原因は、外交、防衛など「国のかたち」に対する基本スタンスの全く異なる社民党の連立参加・離脱に大きな要因の1つがあったが、またしても、通常国会乗り切りのための「場当たり対応」を予感させ、政権のメルトダウンは避けられそうにない。「このままでは、日本が危ない」と言うフレーズが現実味を帯びてきた気がする。