9月1日、自民党青年局訪台団は台湾総統府(中華民国大統領府)に馬英九総統(大統領)を表敬しました。馬総統は「今秋、台北・松山空港と東京・羽田空港に新航路が開設されるなど、日本と台湾の交流は新たな拡大方向に向かいつつある。日本からの投資、観光はもとより、故宮博物院の所蔵美術品を日本で展示公開するなど、文化・芸術交流の拡大も視野に入れた新たな取り組みを展開して行こう」と挨拶しました。井上信治団長(青年局長)が謝辞を述べ、熊谷太参議院議員が「中国、台湾の関係改善によって、台湾は、香港やシンガポールなどとの関係を大きく改善させたが、日本の立ち位置に大きな影響があると思うが」とただしたところ、馬総統は「日本の中小企業が行う中国投資の成功率は68%程度だが、台湾経由では78%との調査結果があり、6月に中台で締結した投資協定*1によってその傾向はさらに増大すると考えており、日本は政局如何にかかわらず、中央のみならず地方も対台湾との経済交流を拡大してほしい」と応えました。台風6,7,8号の影響を心配しましたが、自民党青年局の海外研修日程はほぼ、予定通りに終了し、一行は午後の日航機で帰国の途につきました。

*1

アセアン中国自由貿易協定(ACFTA)により2010年1月1日からアセアン中国間の大部分の関税がゼロになり、台湾の対中輸出が転換され、内外企業による台湾域内投資が回避されるリスクが大きくなった。台湾は、中台WTO同時加盟に続き、中台両地域だけに適用される経済緊密化協定に相当する「経済協力協定」(ECFA: Economic Cooperation Framework Agreement)の締結し、台湾を経由した投資拡大が可能となるように中国との関係改善を図っている。