バンクーバーオリンピックが開幕した。島根県からは冬季五輪に女性として初めての代表となったボブスレー女子2人乗りの浅津このみ選手が出場する。2月24,25日の競技が楽しみで、浅津選手には力を出し切ってほしいと思う。

 さて、バンクーバー五輪スノーボード男子ハーフパイプ競技の日本代表の国母和宏選手(東海大)について全日本スキー連盟(SAJ)が代表辞退を申し入れた。当然の処分で、コーチが同伴しながら、服装の乱れを正すことができなかったことは、4年前にトリノ五輪で、同じスノーボードの代表選手が、選手村の壁を破損するなど、厳しい批判がされたことを忘れていると言われても致し方ない。しかも、国母選手は、謝罪会見に公式ジャージー姿で現れ、鼻と耳のピアスはそのままで、時折笑顔を見せながら、「反省していま~す」と茶化したと言う。どんなに強く、メダル獲得の可能性があっても、こんな選手を、日本代表にはしてもらいたくはない。

 大相撲の横綱朝青龍が引退に追い込まれたのは、競技者としての抜群の力量と人格・品格のミスマッチが横綱の権威を著しく傷つけたからであり、師匠をはじめとする協会指導者の力量不足が招いた悲劇だと言われている。国母も同じで、勝ち得た結果に対する称賛をはき違えており、若き競技者の奢りを正す指導者が必要だと思う。

 日本選手団の橋本聖子団長は「本人も反省している。自分の力を出し切ることで責任を果たすという気持ちをぶつけてきた。私がすべての責任を負い、サポートをする。」として、国母選手の競技出場を認める決定をした。国母選手が、メダルでも取れば、マスコミは一転、ヒーローにするだろう。しかし、オリンピックは、個人エントリーの大会とは明らかに違う。国の代表として選ばれた競技者のみが参加できる大会なのであり、その自覚と覚悟なきものに出場する資格はない。

 いよいよ、競技が始まる。日本選手には国の代表として、悔いなき戦いをしてもらいたい。そのためにも、いらざる雑音が沸かないよう、競技に集中できる環境のなかで頑張ってもらいたいと思う次第である。