11月13日、東京都新宿区の国立印刷局市ケ谷センターの体育館で行われている行政刷新会議の「事業仕分け」を見学しました。傍聴席は一錐の余地もない盛況で、マイクを通してのやり取りは聞き取りにくいものでした。仕訳けの対象とされた項目は、すべてが「廃止」または「減額ないし再検討」で、「まずは結論ありき」の観があります。2010年度予算の概算要求は『政治主導』として各省庁の政務3役が査定し、要求・提出したものですが、それを民主党の国会議員と民間有識者が「仕訳」するという奇妙な作業は、まさに『劇場型』で、ことの本質を隅に追いやったまま、テレビカメラと新聞、雑誌の記者でごった返していました。小生が目の当たりにした案件は、神戸市のポートアイランドに建設中の汎用型世界最速の演算性能を持つスーパーコンピューターの開発で、「米中との開発競争が激化、拮抗している」などの説明は数分で打ち切られ、主査の連坊議員は「世界一でなくていい」「将来の成果を明確にすべき」などの意見を了とし、研究者育成のための科学技術振興調整費など、先端研究を助成する競争的資金全般について「再検討すべき」としました。一連の議論を聞いていて、研究開発事業の内容よりも、研究費の審査・配分を行っている科学技術振興機構など組織運営のあり方を問題にしているように感じました。
