今週土曜日はようやくといった感じで、
中山グランドジャンプ(J・GI)
が開催されます!
さて、(個人的)中山グランドジャンプのコース紹介をしておきますね~☆
↑ JRAのHPより引用
小さくしてあるので、クリックして拡大して下さい。
今年の中山グランドジャンプは例年より10m長い、4260m(芝・外)を使います。
今年は開催全日程Cコースで行われるためですね。
スタートは第3コーナーの坂路を登った地点。
いきなりダートコースを横切ります。
そして迎える1つ目の障害は、5号障害。
この障害、両面飛越の生垣障害で、高さ1.4m、幅2.4mの大きさとなっています。
中山の障害コースで両面飛越をするのはこの障害のみ。
あとは全て片面飛越となっているんですね。
両面飛越と片面飛越の違いは、障害の土台部分を見て頂ければお分かりかと思います。
↑ 2010年中山グランドジャンプ
1周目4コーナー
これをクリアすると、大観衆が待つ1周目のホームストレートへ。
ここで待ち受けるは、1号障害。
↑ ダートコースと障害コースの間から撮影。
まだ水が入っていない、いわゆる『空濠』。
この障害は水濠障害で、高さ1.0m、幅3.7m(水濠部分の幅2.7m)。
低いとはいえ、中山では数少ない飛距離が試される障害ですし、落馬の危険性が少ない障害である反面、トモを落とすとその後の約3500mに影響する大事な障害です。
※トモを落とす=水濠障害飛越の際、後肢が水濠内に入ってしまうこと
続く障害は2号障害(片面生垣:高さ1.4m、幅2.4m)。
この障害、1周目は単なる障害の1つなんですが、実は後々非常に重要な意味を持つ障害になるんですよ~☆
ホームストレートで2つの障害をクリアすると、第1コーナーを右にカーブし、そこで待ち受ける3号障害。
これは片面飛越の生垣障害で、高さは1.4m、幅2.3mの大きさ。
レースも終盤になると普段飛んでいるこの障害も非常に大きなハードルになりますね。
その後はダートコースを横切り、意外とスタミナが奪われる1号坂路へ。
78mの間に3.57m下って登るこのバンケットは上手にクリアしたいところ。
さぁ、2~3コーナー途中を右手にカーブすると、いよいよ大障害コースへ!
最初に待ち受ける難関は2号坂路。
長さ113mの間に5.30mの下り登りはスタミナを奪われるだけでなく、スローダウンを余儀なくされる難関です。
そしてダートコースを横切ると、6号障害(大竹柵障害)へ!
↑ 中山競馬場馬場内B地区に置かれたレプリカ
高さと幅をホンモノと同じ
↑ 2010年中山グランドジャンプ
大竹柵障害飛越
高さ1.6m、幅2.05mと普段飛んでいる障害に比べて20cm高いものの、幅は30~40cmも短い・・・。
なぜこれが難関なの?と思う方も多いでしょう。
この障害を難しくしている犯人は、先に書いた2号坂路とダートコース。
ここでスピードを殺され、急坂を駆け上った直後の状態で飛越をしならなければならず、これがこの障害の難易度を上げているんです。
ダートコースを横切った後に加速をすると、障害飛越に失敗する可能性が高くなり、スピードが落ちたままでもその可能性は高くなる。
しかもバンケットのおかげで息が整っていない。
周囲の馬の動きに惑わされないことも重要ですね。
これを無事にクリアすると、4コーナーへ向かって逆周りに入ります。
最初に飛越した5号障害を逆側から飛越し、スタート地点を越えて3号坂路を越えると、その先に待ち受けるは2つめの難関。
2号坂路→ダートコース→大生垣
のフルコースへ!
↑ こちらも馬場内B地区にあるレプリカ
やはり高さと幅をホンモノと同じ
大生垣(7号障害)は高さ1.6m、幅2.4mの大きさで、やはりこれも普段の障害より20cm高いだけ。
しかしこの障害の難しいところは、前述の坂路&ダートコース横切りに加えて、ここまでで2000m以上を走ってきたことによるスタミナを消耗した状態で飛越をしなければならないところでしょうか。
この障害をクリアすると、もう大きな障害はありません!
が、ここで大きく口を空けるのは2号障害。
これは普段でも飛越している障害ですが、大障害コースから通常の障害コースに戻り、カーブを曲がりきったところにあることからリズムを崩しやすい障害に早変わりするんですね。
まだまだ油断はできません!
そして3号障害を越え、ダートコースを越え、2度目の1号坂路を越えると、向う正面から通常の芝コースに出ます。
ここまで来ると、残る障害は3つ(9~11号障害)のみ。
しかも難易度としてはこれまでの障害に比べて遥かに低い置き障害。
しかし、この置き障害が実は曲者なんですよ。
ここまで飛んできた障害と若干飛び方の違う障害ですからね。
ここでバランスを崩してしまうと、これまで大事にクリアしてきたことが無駄になってしまいます。
通常飛越する障害以上に気を使う障害となりますね。
↑ 2010年中山グランドジャンプ
最終障害を飛越するテイエムトッパズレ
特に最後の障害は4コーナーを回った先に設置されていますので、これをクリアしてもすぐに心臓破りの坂が待ち構えています。
これまで約4000mを走ってきた馬にとって、このレースの最大の障害となるのかもしれません。
何せ、150mの間に2.4mを一気に駆け上がらなければならないため、ある意味、バンケット障害の1つと捉えてもおかしくない難関となるんです。
これらをガマンして、ガマンして、乗りきると、栄光のゴールが待っているんです。
道中1つのミスも許されず、くじけることも許されず、集中力が最後まで途切れなかった人馬が栄光の表彰台に昇れる日本一過酷なレースですね。
一方で、勝っても負けても全出走馬、全出場騎手に対して温かい拍手が素直な気持ちで贈れる日本一素晴らしいレースでもあるんです。
この中山グランドジャンプ。
障害はあまり見ないという方でもぜひ一度ご覧になって下さい。
絶対に障害競走の魅力がわかって頂けると思います!
【投稿者】 ぼやっきー