「花鳥風月」自然の美しさや風情を表す四字熟語だけれど、ここに鳥が入っているのはどういうコトなのか。因みに中国では「雪月花」。

日本人は鳥を生き物というよりも美しい自然の一部として見ていたのですね。しかも4つの代表のひとつになるほどに。姿だけではなく声も含めてでしょう。

 

鳥は季節を感じるものでもあり、鳥の名前は季語となって俳句に多く詠まれてきた。

 

バードウォッチングを始めてまだ1年半ほどのワタシ、先日ようやくオオヨシキリをちゃんと見ることができました。そこでオオヨシキリは俳人たちにどのように見えていたのだろう? オオヨシキリの俳句をしらべてみました。

 

 

スズメ目ヒタキ科の夏鳥。なので季語は夏。

水辺の葦原で営巣して「ギョシギョシ」と大声でうるさく鳴く。オオヨシキリは6文字なので、俳句では別名の「行々子(ぎょうぎょうし)」で読まれることが多い。

 

『行々子口から先に生まれたか』小林一茶

 

『兎に角に世はかしがまし行々子』 正岡子規

 

『能なしの眠ぶたし我を行々子』 芭蕉

 

鳴き声のうるさいことがよく読まれていますね。口から先に生まれたとか、とにかくうるさいとか、寝かせてくれないとか...。ちょっとひどいじゃないかとも思いますが、まあ、確かにうるさい。

 

 

花鳥風月の花は春の美しさ、鳥は秋の哀愁、風は夏の涼しさ、月は冬の寂しさをそれぞれ表しているのだそうです。鳥は哀愁の担当だったのですね。

 

オオヨシキリは俳句の中では哀愁ではないようですねえ...