『踊る大捜査線』12年ぶりに再始動! 新作は室井慎次が主人公の単独映画か? | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

『踊る大捜査線』12年ぶりに再始動! 新作は室井慎次が主人公の単独映画か?

 


昨年末に一部の週刊誌が「『踊る大捜査線』の続編製作へ!」とすっぱ抜き、監督の本広克行もこのフライング情報に対してXで「だんだんと迫ってくるって感じ、って事はキャスティングも本格化するのだろう…」と呟いていたので、新作の噂は「ほぼ事実」と思われていた。で、今回の公式発表。
 


2013年9月末の投稿を最後にずっと休眠状態だった『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』公式X(旧twitter)が10年半ぶりに更新。そして公式サイトも17日午後9時から24時間のカウントダウンが始まり、0になったと同時に『踊る』プロジェクト再始動と銘打ち、ティーザー映像が解禁。HPが「映画『室井慎次』公式サイト」となっていることから『室井慎次』の新作映画になることが明らかになり、2024年秋公開と発表された。ただこれが『容疑者 室井慎次』の続編なのか『THE FINAL』の後日譚なのか、そして肝心の青島が登場するのかなど詳細な情報は伏せられたままだ。監督は本広克行、プロデュースは亀山千広、脚本は君塚良一と『踊る』を生み出したクリエイターが再集結。



ティーザー予告では室井は「長官」と呼ばれており、警察の旧態依然とした体質を変えるために上を目指していた室井だが相変わらず険しい表情をしており、ただならぬ様相を見せている。12年前の『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』で『踊る』シリーズは完結したはずだが、フジテレビの映画やドラマの“終わる終わる詐欺”は今に始まったことではない
(笑)。東映だって『あぶない刑事』をあっさり復活させた。「あなたはまだ、室井慎次の全てを知らない」というワードに「じゃあ今まで見てきた室井慎次は何だったの?」というツッコミは野暮というものだ。

 


『踊る』続編情報をすっぱ抜いたマスコミサイトのネタを鵜吞みにするなら「難色示していた織田裕二は出演快諾、不仲説があった柳葉敏郎も共演へ」とも伝えており、となると青島再登場も期待されるわけだが、一方でファンの間では『室井慎次』は『踊る』プロジェクトの始まりにすぎず、これをきっかけに『踊る大捜査線』シリーズの5作目や他のスピンオフも製作されるのでは?という憶測も出ている。現に本広監督は予告公開直後にXで「ここからいろいろと始まるんだと思います!!」と書いていることから、『室井慎次』1本で終わるようなプロジェクトではないことを示唆している。
 

 

 


『タイタニック』が公開された1997年よりスタートした『踊る大捜査線』はワタシも夢中になった作品で、ドラマシリーズ、スペシャル版、スピンオフの『湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル』を何度も観返したほど。まだインターネットが本格的に普及する前の時代に、『踊る』シリーズの魅力でもあるハイパーリンクを探し出してファン同士が熱く語り合う交流サイトがいくつも立ち上がり、“ファンサイト”の礎が築かれたのも『踊る』シリーズからだ。



98年公開の『THE MOVIE』は、ドラマSP版『秋の犯罪撲滅スペシャル』の後日譚としてアンサーをきちんと描いた好編で、ドラマの延長上的な作品にとどまらず映画としての魅力にも満ちた1作だった。劇場周辺は長蛇の列で興収は101億円の大ヒットとなった。しかし、邦画実写興収歴代1位の記録がいまだ破られていない『THE MOVIE 2』(興収173億円)以降の映画版3作はファンの間でも賛否が分かれ、とくに話そのものが破綻して意味不明だった『THE MOVIE 3』は酷評の嵐で、興収は73億円にまで落ちた。2012年の『THE FINAL』も物語上は一応キレイに終わっているが、前作で『踊る』アレルギーを発症した人が多かったこともあり、かつての熱量を取り戻すことは出来ず興収は59億円(これでも立派な成績だが)。キャラクターの性格改変(真下の重い過去発覚問題)やクラマックスのトンデモ展開(バナナでスベってる問題&すみれのバス特攻問題)に違和感を覚えた人も多く、手放しに喜べる完結編とは言えなかった。

 

 

そんなモヤモヤ感を残したまま『踊る大捜査線』は忘れ去られ、12年が経過し突然の復活。ドラマ設定だと昭和39年生まれで今年で満60歳だから本当なら定年であるはずの室井慎次がどんなネクストストーリーを見せてくれるのか。撮影現場で織田裕二との衝突で不仲説が何度も囁かれ、柳葉敏郎がプロデューサーに「室井を殉職させてほしい」と頼み込んだというゴシップネタを賑わせたことも含め、興味は尽きない。秋公開。