第47回日本アカデミー賞最優秀賞発表!最多受賞は『ゴジラ-1.0』の8冠!!! | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

第47回日本アカデミー賞最優秀賞発表!最多受賞は『ゴジラ-1.0』の8冠!!!



先日、3月8日に第47回日本アカデミー賞授賞式が行われた。 

日本アカデミー賞協会は今年は相当気合を入れようとしたに違いない。なぜなら本場のアカデミー賞にもノミネートされている3作品がこっちにも入っているからだ。

優秀賞発表のブログ記事で「最優秀賞を総なめしてそう」と書いた『ゴジラ-1.0』が予想通り作品賞、助演女優賞、脚本賞など8部門を制覇。2017年の『シン・ゴジラ』に続いてシリーズ作品が2作連続で作品賞をとったのは日アカでは初めて。シリーズが一旦終了する2004年までの『ゴジラ』映画は賞には縁がなかった存在だったが、作品として評価されるようになったことはゴジラファンとしても嬉しいところ。

 

既に二度の最優秀監督賞を受賞している山崎貴は三度目の受賞はならず、監督賞は日本アカデミー賞史上初の外国人監督となるヴィム・ヴェンダースに渡った。『ゴジラ-1.0』圧勝だが、他の作品のコマが弱すぎたという点もある。『怪物』『こんにちは、母さん』は日アカに好まれている是枝裕和、山田洋二作品であるものの世間では評価は分かれているし、『PERFECT DAYS』は国際的に評価されているが話題性という意味では弱い。関東大震災100年で改めて注目されることになった朝鮮人虐殺事件を題材にし、日本の一部では未だタブー視されている(小池都知事含め)『福田村事件』を無視しなかった日アカの姿勢は大いに評価されるべきだが、さすがに最優秀賞は二の足を踏んだだろう。消去法ではないが、作品性、話題性、興行性を満たしているのはこの5作品の中では『ゴジラ-1.0』になる(そういう意味では興収わずか5億しか稼げておらず観てない人が多かった『ある男』の作品賞受賞は勝負に出たと言える)。

 

安藤サクラが『怪物』で最優秀主演女優賞を、『ゴジラ-1.0』で最優秀助演女優賞をダブル受賞したが、これも言ってしまえば他に“張り合える”女優がいなかったように思える。『ゴジラ-1.0』は助演と言っていいのかかなり微妙なラインで、安藤サクラの実力はまだまだこんなものではないはず。個人的には主演女優賞は今後の飛躍も込めて浜辺美波にあげても良かったのではと思ったが、彼女の女優人生を決定づける「代表作」となる作品が今後出てくるという期待にかけて今回はおあずけ。

アニメーション作品賞は賛否分かれた『君たちはどう生きるか』よりも圧倒的に世間に支持されている『BLUE GIANT』か『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』か『窓ぎわのトットちゃん』のほうが最優秀賞にふさわしいと思うのだが、ここはオスカーと足並みをそろえたほうが無難という大人的事情が見え隠れする。

また最優秀外国作品賞もやはり話題性と興行力で『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が選ばれた。同部門発足時はきちんと「作品」で選ばれていたが、近年は作品内容よりも「話題性」「興行力」が重視されている傾向がある。米国では思ったほどの興行を収めることが出来ず、まだ話が終わっていない前後編の前編が最優秀なのだからなおさらそう感じる。オスカーの顔色を窺うのならここは『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で良かったのではないか。日本以外では大ヒットした『バービー』は日本ではあの騒動で嫌われてしまったので大人的事情で最優秀はなし。

 

 

 

 

日本アカデミー賞最優秀賞受賞一覧


最優秀作品賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『怪物』
『こんにちは、母さん』
『福田村事件』
『PERFECT DAYS』


最優秀アニメーション作品賞
まじかるクラウン『君たちはどう生きるか』

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
『窓ぎわのトットちゃん』
『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』
『BLUE GIANT』


最優秀主演男優賞
まじかるクラウン役所広司 『PERFECT DAYS』

阿部サダヲ 『シャイロックの子供たち』
神木隆之介 『ゴジラ-1.0』
鈴木亮平 『エゴイスト』
水上恒司 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』


最優秀主演女優賞
まじかるクラウン安藤サクラ 『怪物』

綾瀬はるか 『リボルバー・リリー』
杉咲花 『市子』
浜辺美波 『ゴジラ-1.0』
吉永小百合 『こんにちは、母さん』


最優秀助演男優賞
まじかるクラウン磯村勇斗 『月』

伊藤健太郎 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
大泉洋 『こんにちは、母さん』
加瀬亮 『首』
菅田将暉 『銀河鉄道の父』


最優秀助演女優賞
まじかるクラウン安藤サクラ 『ゴジラ-1.0』

上戸彩 『シャイロックの子供たち』
永野芽郁 『こんにちは、母さん』
浜辺美波 『シン・仮面ライダー』
松坂慶子 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』


最優秀監督賞
まじかるクラウンヴィム・ヴェンダース 『PERFECT DAYS』

是枝裕和 『怪物』
成田洋一 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
森達也 『福田村事件』
山崎貴 『ゴジラ-1.0』


最優秀脚本賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『福田村事件』
『シャイロックの子供たち』
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
『こんにちは、母さん』

 

最優秀編集賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
『首』
『怪物』
『こんにちは、母さん』


最優秀撮影賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『怪物』
『キングダム 運命の炎』
『こんにちは、母さん』
『首』


最優秀照明賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『怪物』
『キングダム 運命の炎』
『こんにちは、母さん』
『首』


最優秀音楽賞
まじかるクラウン上原ひろみ 『BLUE GIANT』

小林武史 『キリエのうた』
坂本龍一 『怪物』
佐藤直紀 『ゴジラ-1.0』
千住明 『こんにちは、母さん』


最優秀美術賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『首』
『こんにちは、母さん』
『レジェンド&バタフライ』
『怪物』


最優秀録音賞
まじかるクラウン『ゴジラ-1.0』

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
『首』
『怪物』
『こんにちは、母さん』


最優秀外国作品賞
まじかるクラウン『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『バービー』
『パリタクシー』
『TAR/ター』


新人俳優賞
アイナ・ジ・エンド 『キリエのうた』
黒川想矢 『怪物』
柊木陽太 『怪物』

桜田ひより 『交換ウソ日記』
原菜乃華 『ミステリと言う勿れ』
福原遥 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
市川染五郎 『レジェンド&バタフライ』

高橋文哉 『交換ウソ日記』

会長特別賞
坂本龍一(音楽)
阿部秀司(プロデューサー)

 

協会特別賞
大村弘二(美粧・床山)
空閑由美子(キャスティング)
百束昭幸(ステインベック編集機の販売・保守・点検・修理)
村瀬継蔵(特殊美術造型)

会長功労賞
井川徳道(美術)
上田正治(撮影監督)
小林旭(俳優)
酒井賢(美術)
東陽一(監督)
矢部一男(照明)

第47回特別賞
シネバザール
東京現像所