ラジー賞ノミネーション発表!『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が最多7ノミネート! | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

ラジー賞ノミネーション発表!『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が最多7ノミネート!




まもなくアカデミー賞のノミネーション発表である。とその前に恒例となっているゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)のノミネーション発表も忘れてはいけない。ブラックジョーク的な意味も込めて続いてきたラジー賞も今回で44回目(44年の歴史は日本アカデミー賞とほぼ同等の回数を誇る)。

前回は『炎の少女チャーリー』に主演した当時12歳の子役ライアン・キーラ・アームストロングをワースト主演女優賞にノミネートして世間から批判が殺到し、ノミネートを撤回。創設者が「私たちのやってることは無神経でした」と謝罪した。結果、主演女優賞に「ラジー賞」そのものが受賞するという極めて異例の展開となり、今年からは18歳未満はラジー賞にノミネートされないことになった。

やはりというか「待ってました!」と言わんばかりに『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が最多7部門にノミネート。2015年に『クリード チャンプを継ぐ男』の絶賛で名誉挽回賞に輝いたシルヴェスター・スタローンだが、またまたラジー賞俳優として“カムバック”。さすがのスタローンファンも主演ではない『エクスペンダブルズ』に興味を持った人は少なく、これまでシリーズ過去3作の全世界興収は最低でも2億ドル以上稼いできたが、本作はたったの3791万ドルと大惨敗&大赤字。ロッテントマトも14%(オーディエンス評価70%)とぶっちぎりのワーストを更新し、「なぜこれで作ろうと思った?」「エクスペンダブルズ感ゼロ」という不評が多かった。クリエイティブ上での対立で一度はシリーズから降板したスタローンはどうもやる気が感じられず、チームバトルが魅力であったはずのシリーズなのに、結局ジェイソン・ステイサムの独壇場アクション映画に成り下がり、「これだったら他にもっと面白いステイサムのアクション映画がある」とまで言われる始末。1人頑張ったジェイソン・ステイサムは本作ではなく、生身で深海を泳ぎ切るという人間離れ技で観客が唖然となった(?)『MEG ザ・モンスターズ2』で主演男優賞にノミネートされている。



これまで何度も失敗してきたのに、金字塔ホラー『エクソシスト』の正統な続編として企画したもののやはりまた同じ運命を辿ってしまった『エクソシスト 信じる者』。ロッテントマトは22%(オーディエンス評価59%)と酷評、続編からデヴィッド・ゴードン・グリーン監督が降板し、ユニバーサルは新3部作計画の大幅な見直しを余儀なくされている。映画ファンからは「正統な続編に入れたくない」とそっぽを向かれ、この“続編”もなかったことになりそう。シリーズ続編権利獲得に4億ドルも支払った投資家たちもノミネートされている
(笑)



A・A・ミルン原作の児童小説『クマのプーさん』がパブリックドメイン(著作権切れ)になった途端、ホラー映画として蘇らせた『プー あくまのくまさん』は、公開前からC級レベルの低俗なネタ映画(それも配信レベルの)と分かっていたものの、「着眼点は面白い」と一部のホラーファンからは一定の期待を持たれていたが、「劇場公開するレベルに達していない」「評価するのも馬鹿らしい」とロッテントマトは壊滅的な3%(オーディエンス評価50%)! しかしそんな逆境にめげることなく、製作費10万ドルの超低予算ホラーは全世界興収494万ドルの収益を上げ、“めでたく”続編製作も進行中。ここまで世間から相手にされていない駄作はラジー賞でさえ無視することが多いが、きちんと拾ってあげているのがこの賞の良いところでもある。



2023年は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』以外は振るわなかったアメコミ映画不振イヤーだったが、『シャザム!~神々の怒り~』が作品賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞で、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が監督賞、助演男優賞、リメイク・パクリ・続編賞とそれぞれ4ノミネート。しかしここに『マーベルズ』が入ってないのがナゾ。個人的に昨年のアメコミ映画ワーストは『マーベルズ』なんだけどな。



『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が『クリスタル・スカルの王国』に続いて再びリメイク・パクリ・続編賞に、さらに脚本賞にもノミネート。本作についても「なぜこれで作ろうと思った?」という疑問の声が相次ぎ、シリーズ唯一の赤字作品になってしまった。個人的にあの共感度ゼロのヒロインを演じた女優さんが入ってないのもナゾ。



近年は日本未公開の作品ばかりがノミネートされ「こんな作品知らないよっ」と盛り上がることもなく終わってしまうラジー賞だが、今年は日本でも公開されている作品が多く入った。受賞結果は現地時間3月9日に発表される。


ワースト作品賞
『エクソシスト 信じる者』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『MEG ザ・モンスターズ2』
『シャザム!~神々の怒り~』
『プー あくまのくまさん』

ワースト主演男優賞
ヴィン・ディーゼル 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
クリス・エヴァンス 『ゴーステッド』
ジェイソン・ステイサム 『MEG ザ・モンスターズ2』
ジョン・ヴォイト 『Mercy』
ラッセル・クロウ 『ヴァチカンのエクソシスト』

ワースト主演女優賞
サルマ・ハエック 『マジック・マイク ラストダンス』
ジェニファー・ロペス 『ザ・マザー:母という名の暗殺者』
ヘレン・ミレン 『シャザム!~神々の怒り~』
アナ・デ・アルマス 『ゴーステッド』
ミーガン・フォックス 『バトル・オブ・ザ・キラーズ』

ワースト助演男優賞
シルヴェスター・スタローン 『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
マイケル・ダグラス 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
メル・ギブソン 『Confidential Informant』
ビル・マーレイ 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
フランコ・ネロ 『ヴァチカンのエクソシスト』

ワースト助演女優賞
ミーガン・フォックス 『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
バイ・リン 『バトル・オブ・ザ・キラーズ』
キム・キャトラル 『About My Father』
ルーシー・リュー 『シャザム!~神々の怒り~』
メアリー・スチュアート・マスターソン 『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』

ワースト監督賞
スコット・ウォー 『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
リース・ウォーターフィールド 『プー あくまのくまさん』
デヴィッド・ゴードン・グリーン 『エクソシスト 信じる者』
ペイトン・リード 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
ベン・ウィートリー 『MEG ザ・モンスターズ2』

ワーストリメイク・パクリ・続編賞
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
『エクソシスト 信じる者』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『プー あくまのくまさん』

ワースト脚本賞
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
『エクソシスト 信じる者』
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
『シャザム!~神々の怒り~』
『プー あくまのくまさん』

ワーストスクリーンカップル賞
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の無慈悲な傭兵軍団2人
『エクソシスト』で金儲けでリメイク権獲得に4億ドルを寄付した投資家2人
アナ・デ・アルマス&クリス・エヴァンス 『ゴーステッド』
サルマ・ハエック&チャニング・テイタム 『マジック・マイク ラストダンス』
血に飢えた切り裂き魔/殺人鬼としてのプー&ピグレッド 『プー あくまのくまさん』