『アベンジャーズ』復活! でもMCUフェーズ5、6が多すぎてちょっとしんどい。MCU多作問題も | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

『アベンジャーズ』復活! でもMCUフェーズ5、6が多すぎてちょっとしんどい。MCU多作問題も




3年ぶりにリアルイベントとして開催されたサンディエゴ・コミコンでは、大手スタジオが新作、話題作の解禁情報や初出し映像を引っさげてきたが、やはり会場で一番沸いたのがマーベル・スタジオの新作ラインナップだ。今年でフェーズ4が終わる「マーベル・シネマティック・ユニバース」だが、次のフェーズ5のラインナップだけかと思いきや、フェーズ6の一部のタイトルまで発表してきた。フェーズ1から3までは「インフィニティ・サーガ」だったのに対して、4から6までを「マルチバース・サーガ」と呼ばれることも明らかになった。

フェーズ4は2021年1月の『ワンダヴィジョン』から始まり、今年後半のディズニープラス配信の『シー・ハルク:ザ・アトーニー』、劇場新作『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で完走する。2023年~2024年7月公開作品まではフェーズ5、2024年11月以降がフェーズ6となっている。




以下はコミコンで発表されたMCUフェーズ5、6のリリース・ラインナップ。タイトルはすべて原題で、公開日・配信日は米国のもの。

フェーズ5
『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア』(映画:2023年2月17日公開)
『シークレット・インベージョン』(ドラマ:2023年春配信)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』(映画:2023年5月5日公開)
『エコー』(ドラマ:2023年夏配信)
『ロキ』シーズン2(ドラマ:2023年夏配信)
『ザ・マーベルズ』(映画:2023年7月28日公開)
『ブレイド』(映画:2023年11月3日公開)
『アイアンハート』(ドラマ:2023年秋配信)
『アガサ:カヴン・オブ・カオス』(ドラマ:2023年冬配信)
『デアデビル:ボーン・アゲイン』(ドラマ:2024年春配信)
『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』(映画:2024年5月3日公開)
『サンダーボルツ』(映画:2024年7月26日公開)


フェーズ6
『ファンタスティック・フォー』(映画:2024年11月8日公開)
『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ』(映画:2025年5月2日公開)
『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』(映画:2025年11月7日公開)



フェーズ5は『アントマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『キャプテン・アメリカ』『ザ・マーベル』(『キャプテン・マーベル』の続編で『ミズ・マーベル』と合流)といった人気ヒーローのシリーズ続編で固めてきた。『ブレイド』はかつてウェズリー・スナイプス主演でヒットした人気シリーズをリブートしたもので、アカデミー賞俳優のマハーシャラ・アリが新ブレイドを演じる。『サンダーボルツ』はマーベルのアンチヒーロー(ヴィラン)で構成されたチームの映画化だが、どのようなキャラクターが出てくるのかは判明していない。『デアデビル:ボーン・アゲイン』はNetflix版『デアデビル』にも主演し、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でもサプライズ登場したチャーリー・コックスが再演。Netflixから権利が戻り、初のMCUドラマとして新生する。

そしてフェーズ6の目玉が『アベンジャーズ』5&6作目の連続公開だ。『アベンジャーズ/エンドゲーム』で終了したと思われたアベンジャーズのまさかの復活にマーベルファンが沸いた。いずれも原作コミックの重要エピソードがタイトルに入っており、征服者カーンとアベンジャーズの激闘を描いたエピソードをベースにしているのか、ファンの注目が集まっている。監督は発表されておらず、マーベルスタジオ社長のケヴィン・ファイギによると『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『~エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソ監督は関わっていないとのこと。とはいえ公開予定日まで3年を切っており、これぐらいの大作となると既に準備は進んでいるはずだ。

 



※以下 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のネタバレあり

もう1本の『ファンタスティック・フォー』はフェーズ6のデビュー作となる。20世紀フォックス時代に2度映画化、計3作品が作られているが、フォックスがディズニー傘下になって里帰りしたMCUで再リブートされる。監督は『スパイダーマン』シリーズのジョン・ワッツが就任していたがその後離脱しており、後任の情報は入ってきていない。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では別ユニバースのリード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック役を、ファンの間で噂されていたジョン・クラシンスキーが演じていたが、スカーレット・ウィッチに瞬殺されてしまった。

 



フェーズ6は『アベンジャーズ』5&6で締めくくられる。気になるのは、これまで1フェーズにつき2~3年費やしてきたが、フェーズ6はスケジュールだけ見ると最短の1年計画。この3作品以外にも映画が全5作、ドラマが全6作、計11タイトルをリリース予定であり、わずか1年で11作品もリリースできるのかいささか疑わしいが「予定は未定」だ。マーベル・スタジオはこれまでリリース日を何度も変更してきたことがあるので、あくまでも「目安となるスケジュール」ぐらいに見ておいたほうがいいかもしれない。

 

フェーズには入っていないがテレビアニメ『X-メン』(1992-1997)の続編アニメシリーズ『X-MEN ’97』(既にシーズン2も製作決定)が2023年秋に、MCU版『スパイダーマン』のアニメシリーズ『スパイダーマン:フレッシュマン・イヤー』(こちらもシーズン2決定)が2024年にディズニープラスで配信される。トム・ホランド版『スパイダーマン』シリーズのエピソード0に位置づけられるアニメ版だが、映画版と同じキャストが参加するかは分かっていない。

 

 

 

今回のコミコンで発表されなかったタイトルもある。MCU入りが決まっている『デッドプール3』『X-MEN』だ。「俺ちゃんもR指定でMCU入りするぜ!」とライアン“デッドプール”レイノルズがかつて発言したことがあり、マーベル・スタジオも企画を認めていたが、今回のラインナップに『デッドプール』の文字はない。また『X-MEN』も新たにリブートされるが、アニメの新作発表はあっても映画版のタイトルはなかった。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の公開により“マルチバース”が本格始動し、2作品とも「マルチバース・サーガ」に入ると思われる(そもそも『デッドプール』シリーズはマルチバースどころか第四の壁を破壊しまくってる異例の立ち位置なのだが)。『ドクター・ストレンジ』ではチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXをパトリック・スチュワートが演じ、『X-MEN』と“一応”合流したものの別ユニバースのプロフェッサーXであるためスチュワートは再演する可能性は不明。スカーレット・ウィッチにあっさり殺されてしまった衝撃展開からして「MCU版『X-MEN』はフォックス版のシリーズとは関係ないよ」宣言とも受け取れる

 



『スパイダーマン』シリーズは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で完結したものの、プロデューサーのエイミー・パスカルは「マーベルと一緒に作る最後の映画ではなく最後のスパイダーマン作品でもない。トム・ホランドとマーベルと次のスパイダーマン映画を作る準備をしており、私たちはそれを3つの作品として捉えている。私たちのMCU映画はこれが最後ではない」と明言しているので、新3部作が水面下で進んでいることは確かなようだ。フェーズ6には公開日は発表されているものの2025年に「タイトル未定」のMCU映画が2作品あり、そこに入れてくる可能性もある。


マーベル・スタジオは今年9月に開催予定のディズニー公式ファンイベント「D23」にも参加することが決まっているので、そこでコミコンでは発表されなかった追加情報が出てくるかもしれない。
 

 

充実のラインナップにマーベルファンの間で盛り上がっている一方で、ディズニープラス配信のドラマシリーズも加わったフェーズ4はあまりの多作についていけないという人も出てきている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』で“燃え尽き症候群”に陥り、その後のフェーズ4にさほどハマれていない人も少なくない(そういう人でも『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で盛り返したようだ)。ディズニーの乱発スケジュールはこれまで一定の完成度を保ってきたMCUの作品クオリティにもバラつきが生じており、必ずしも高評価ではないタイトルもある。フェーズ4は『インフィニティ・サーガ』のように物語の方向性が定まっていないという指摘があり、絶賛歓迎ムード一色というわけではない。これについてはケヴィン・ファイギは「これから方向性がはっきりと示されていく」と発言している。



今後は、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に『ワンダヴィジョン』が入ってきたように映画とドラマのクロスオーバーがさらに増えると思われ、「映画だけ追ってきた人」にとっては敷居が高くなるかもしれない。また“映画の外側”では、視覚効果クルーが過密なスケジュールを強いてくるマーベルのやり方に対して苦言を呈し、過酷な労働環境が明らかになったことも問題視されている。ディズニーはかつてファンの『スター・ウォーズ』疲れによる『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の興行的失敗で『スター・ウォーズ』新作映画の公開スケジュールを一旦白紙に戻した(とはいえ『SW』ドラマは大量配信中)。今度は「マーベル疲れ」がいつ起きないとも限らない。疲れない程度のリリーススケジュールでお願い、粗製濫造はやめてね・・・・というのがMCUファンの願いだ。



『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』  国王ティ・チャラ亡き後のワカンダに迫る危機にナキア、オコエ、エムバクらが立ち上がる

 

『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア』  ジョナサン・メジャース演じるヴィランの征服者カーン登場! 『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ』にも直結する展開か?


『シークレット・インベージョン』  ニック・フューリーが主役のダーク・スリラー。全6エピソードを配信

 

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』  ついにシリーズ完結!

 

『エコー』  ドラマシリーズ『ホークアイ』のスピンオフでデアデビルやキングピンも登場

 

『ロキ』シーズン2  お騒がせロキの果てしない時空旅行はまだまだ続く

 

『ブレイド』  ウェズリー・スナイプスを超える最高にクールな新ブレイド誕生なるか!

 

『アイアンハート』  10代の天才発明家を主人公にしたドラマシリーズ。原作ではトニー・スターク/アイアンマンを継ぐ2代目として活躍。MCUでもその設定が引き継がれる?

 

『アガサ:カヴン・オブ・カオス』  魔女アガサ・ハークネスを主人公にした『ワンダヴィジョン』のスピンオフ。

 

『デアデビル:ボーン・アゲイン』  Netflixシリーズ版のデアデビル/マット・マードック役=チャーリー・コックス、キングピン役=ヴィンセント・ドノフリオが続投する初のMCUシリーズ

 

『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』   『アベンジャーズ/エンドゲーム』で2代目キャプテン・アメリカとなったサム・ウィルソンの新たな戦い。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』から直結する映画版

 

『サンダーボルツ』  政府から招集されたマーベル・ヴィラン・チーム結成! どのキャラクターが参戦するのかD23で判明するか?

 

『ファンタスティック・フォー』  こちらもキャストの公式発表が待たれる2度目の新生F4!

 

『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ』『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』  フェーズ6のトリを飾るヒーロー集大成イベントムービーが連続公開。どのマーベル・ヒーローが集結するのか?