『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』日本は初夏リリース! 劇場公開は実現せず | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』日本は初夏リリース! 劇場公開は実現せず








本日から米国などで配信される『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(以下ZSC版)の日本リリースが初夏に決定した。
ラブ ブルーレイ、4K ULTRA HDのリリースとデジタル配信を予定している。ただし残念ながら劇場公開は今のところ計画されていない。ショボーン 詳細なリリース情報は4月16日に発表される。

 

 

 

 

 


現地時間3月13日には先行オンライン試写会が行われ、運良く当選した人が4時間版『ジャスティス・リーグ』を体験した。一時、HBO Maxで『トムとジェリー』を再生したらなぜか『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』が流れてしまうというトラブルもあったが、一足先に本編を観た人からは「完全に新作だった。これこそ求めてた『ジャスティス・リーグ』!」「スナイダー3部作として完全に機能した見事な作品」「濃縮な4時間」「劇場版はもう要らない」「サイボーグのエピソードがここまで奥深いとは」と高い評価が占めている。爆  笑




ヴァニティフェアのWEB記事に『ジャスティス・リーグ』製作の舞台裏の真相が詳細に書かれている。降板したザック・スナイダーの代わりにメガホンを託されたジョス・ウェドン監督版の完成品を観たクリストファー・ノーラン(製作総指揮)とデボラ・スナイダー(製作)から「あなたはショックを受けるだろうから観てはいけない」と念を押されたことから、スナイダーは絶対にウェドン版は観ないと決めたという。スナイダーが現場を去ったきっかけは家族の不幸だったが、実はそれ以前に制作方針を巡ってワーナーと何度も衝突した。(後に企画が中止になる)『バットガール』の監督も任されていたウェドンにほぼ全面作り直しの指揮権を与えたのはワーナーだった(全体の4分3の脚本を書き直した)。スナイダーがウェドンに助言を求めたという情報も誤りで、実際にウェドンとは一度しか会話を交わしたことがなかったとか。
キョロキョロ

 

 

撮影現場で独裁者のように振る舞っていたなど、『ジャスティス・リーグ』失敗の要因はウェドン1人にあるかのように伝えているメディアが多い(サイボーグ役のレイ・フィッシャーが公に現場でのウェドンの対応を公に批判したことからスキャンダルが拡散)。ただ、ウェドンはスタジオの要求で脚本を書き直し、それに準じて撮り直した“監督”に過ぎず、あくまでも“雇われ”に徹しただけと彼を擁護する声も出てきている(監督する条件として自分の考える『スター・ウォーズ』を撮ることを了承させたライアン・ジョンソンとは事情が異なる)。



ZSC版は追加予算7000万ドル(!)を投入して「全く新しい作品」として再創造。4時間の本編のうち150分ほどの未使用シーンを使い、60~65%が初出しシーンになるという。新たに撮影したシーンは5~6分ほど。「ウェドンが撮影したカットは1%も使わない」とスナイダーは断言している(もっともウェドン版を1分たりとも観ていないはずなのだが)。

 

 




『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』のおもな違いと情報まとめ

●本編は4時間2分。全6章構成

 

 

●劇場公開版とはオープニングが異なる
 

●当初から「スナイダーが構想していたバージョンに戻したもの」であり「新たにゼロから考え直して作ったもの」ではない

 

 

●各々のキャラクターのエピソードをより掘り下げ、ドラマ性を加味
 

●『ジャスティス・リーグ』続編用のヴィランのダークサイド/ユクサスが初登場
 

 

●ダークサイドとステッペンウルフの複雑な関係が描かれる
 

●ジャレッド・レト演じるジョーカーが登場
 

 

●ジョー・マンガニエロ演じるデスストロークが登場
 

 

●グリーン・ランタンもわずかに登場(もちろんライアン・レイノルズ版ではない)
 

 

●ハリー・J・レニックス演じる『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン』にも登場したスワンウィック将軍がマーシャン・マンハンターとして姿を現す

 

 

●スーパーマンのスーツの色は黒&シルバー系に(これも当初の構想どおり)
 

 

●サイボーグ誕生のバックボーンがより詳細に描かれ、作品の中核を担っている
 

 

●フラッシュの活躍シーンが大幅に増えている
 

 

●劇場版はPG-13だったがZSC版はR指定に格上げされ、アクションシーンもハードになっている
 

 

●音楽はスナイダー降板と共に離脱していたトム・ホーケンバーグ(ジャンキーXL)が復帰。音楽をダニー・エルフマン版から全面差し替え。You Tubeで全曲公開中
 

●アスペクト比はスナイダーの意図で 1.33:1 サイズに変更されている


当初は「スナイダー版は存在しない」「スナイダー版は作らない」と言っていたワーナー。しかし世界中のファンの声に後押しされ、7000万ドルも投入してZSC版の制作を決めた。暗に「劇場公開版は失敗だった」と半ば認めるような方針転換とも受け取れるが、ファンの要望に応えたワーナーの対応はもっと評価されていい。ちなみにスナイダーはZSC版制作に関わるギャラは全く受け取っておらず、『ジャスティス・リーグ』を中途半端なままで終わらせたくなかったスナイダーの執念に満ちたプロジェクトだった。
ニヤリ

 

 

ZSC版は配信だからこそ実現できた企画と言える。『ジャスティス・リーグ』は当初2部作で制作される予定だったが、『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の評価が芳しくなく期待した興行成績を上げられなかったことから、ワーナーがスナイダースタイルのダークな作風と2部作計画を見直した。降板によってジョス・ウェドンに託した結果、前2作とあまりにタッチが違いすぎて今度はスナイダーカット公開運動が加熱したのだから、ワーナーは「じゃあどうしろって言うんだよ!?」と泣きたくなったに違いない(笑)。その一方でZSC版の配信&ソフトリリースで劇場公開版で生じた損失の穴埋めをするという思惑もあったのかもしれない(7000万ドルも追加投入したのだからワーナーは太っ腹とも言える。利益を出せるんだろうか?)。口笛



完全に別物として新生する『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』。本編には続編への布石を匂わせる展開があるらしいが、現段階でワーナーは続編制作のプランを立てていない。2本の続編計画があったが、ジョス・ウェドン版が興行的に失敗して赤字になったため白紙となった。現在企画されているDC映画は原則として連続性を持たせない方向で制作されている。

 

ザック・スナイダーは2013年の『マン・オブ・スティール』から始まる「DCエクステンデッド・ユニバース」映画の舵取りを任されてきたが、DCコミック映画の監督はひとまずこれで終了。劇場公開版よりZSC版の評価が確定的となっている『ジャスティス・リーグ』だが、ワーナーは劇場公開版を「DCエクステンデッド・ユニバース」の正史として扱っており、ZSC版は(今のところ)ファンのために作った『ジャスティス・リーグ』という扱いだ(いずれは「ZSC版を正史にするべき」運動が起こりそう)。もし続編が作られるとなると、正史である「劇場公開版」を基にしたその後の展開、もしくは全く別の物語が描かれるかもしれないが、そうなればファンが暴動を起こすことは目に見えているので(笑)、『ジャスティス・リーグ2』の実現はほぼないだろう。ここは“スナイダー's DCヒーロートリロジー”として楽しみたい。ニコニコ



ちなみに『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』のアスペクト比はシネスコサイズではなく、1.33:1だ。昔懐かしいほぼ正方形のスタンダードサイズで配信される。これは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でIMAXカメラで撮影した1.43:1のシーンをいたく気に入ったスナイダーの意図したサイズでもある。水面下でIMAX上映するプランが進んでいるのかもしれない。スナイダーはIMAX上映を熱望しているので上映実現の可能性は残っている(ぜひ劇場公開の実現を!) またスナイダー本人が「こっちのほうが好き」と公言しているモノクロバージョンも存在しているようで、将来的にこちらも配信を予定しているという。
爆  笑





『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』IMAXサイズで4K UHD化!
ザック・スナイダーがそのド迫力縦長サイズとバッキバキの高精細映像に夢中になったというIMAX版『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション』の4K UHDが米国でリニューアル・リリースされる。1.43:1のIMAXバージョンを初収録したものだ。日本盤リリースは未定。