『まだ結婚できない男』レビュー●第9話「偏屈男が素直になって悪いか!!」 | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

『まだ結婚できない男』レビュー●第9話「偏屈男が素直になって悪いか!!」

 

 

まだ結婚できない男

 

第9話「偏屈男が素直になって悪いか!!」

 

 


●第9話ストーリー(公式サイトより)

桑野(阿部寛)が仕事中に倒れ、中川(尾美としのり)の病院に運び込まれる。見舞いに訪れたまどか(吉田羊)、有希江(稲森いずみ)、早紀(深川麻衣)は、皮肉も全く言わず、いつになく素直で別人のような態度の桑野に大いに驚く。病気をきっかけに桑野が“いい人”になったと喜ぶ有希江と早紀に対して、普段から桑野とケンカばかりのまどかだけは、素直なのはあくまで一時的なものに違いないと疑うが、有希江から「桑野さんに厳しすぎ」と指摘されてしまう。
 
案の定、まどかは回復した桑野とまたもや些細なことで言い争いに。有希江や早紀には好意的なのに、なぜ自分には皮肉ばかり言うのか—。納得がいかないまどかに対し、早紀は、男と女の間には言葉と感情が裏腹になることがあると力説。それを体現した自分の舞台を見に来てほしいと、まどかたちを誘う。
 
数日後、都合が悪くなり、舞台に行けなくなったまどかが困っていると、偶然桑野がやって来て、自分が代わりに行くと言い出す。早紀が、桑野には来てほしくないと言っていたことを思い出したまどかは慌てるが、一度行く気になった桑野を止められず、結局、桑野と有希江が舞台を見に行くことに。まどかは2人のデート(?)が気になって…。

 

 

 

 


●レビュー
桑野流もんじゃ焼きシーンはシリーズ屈指の迷場面!

第9話は桑野、まどか、有希江の三角関係が微妙に動き出すの巻。

いきなり急性胃腸炎に襲われ、中川総合病院に担ぎ込まれる桑野。前作の初回を思わせる桑野 THE 腹痛!
(笑) 彼が中川に「頼む、あの女医にだけは知らせるなよ!」と必死にお願い。入院してる部屋の扉がスーーッと開き、おののく桑野。ここで早坂夏美先生の友情出演か~~!!!! と、ファンなら誰もが期待した展開だったんですけどねえ。このもったいぶった演出は一体何だったんだ!? てか、早坂先生、まだ中川総合病院にいたのね。ちょっと安心。 えー 

 

桑野、腹痛地獄再び

 

「あの女医には知らせるなよ」・・・・このシーンはズルいわ

 

 

まどか、有希江、早紀が早速病院に駆けつけてくれるところを見ると、「まだ結婚できない男」はすっかり「慕われている男」になってるようだ。しかも桑野はなんでか「素直な男」になっていた。まるで馬鹿になる前のバカボンのパパのように(笑)。キャラが変わった桑野を気味悪がるまどかたち。「桑野さん、本当に素直になったんじゃ・・・・?」と話す早紀たちに、「一時的なものでしょ。体調崩して弱体化しただけよ。リバウンドするね、きっと」とまどか。しかし英治が見舞いで持ってきた大量のバナナ、どこで見つけてくるんだろ? フツーの八百屋では売ってないよなあ。チュー

 

早川 「心配してくれる人がいるってことはありがたいことだぞ」

 

まどか 「ほんとに弱ってる。よし、何言ってやろう?」(笑)

 

桜子 「結婚相手に欠点があったって別にいいんですよ。後から教育しだいで何とでもなりますから」

早紀 「桑野さんでも教育可能ってことですか?」

桜子 「絶対無理って人は除外で」

 

 

後日、まどかは桑野に実家から送られてきた黒丹茶をおすそ分け。互いに健康を気遣う2人。「もし部屋に1人でいる時に具合が悪くなったらいつでも連絡をください! ベランダを伝ってでも助けに行きますから。そういうの得意なんで!」と桑野(ベランダを伝って人命救助したことは前作で立証済みチュー)。しかも映画のチケットを差し出して「一緒に観に行きませんか?」と誘う。オイオイ、本当にキャラが変わってるじゃないか。コレってまどかに好意を示している? なんか急展開すぎない? 次で最終回だからこのスピード展開なんか?・・・・とモヤモヤしながら観てると、やっぱり全然変わってなかった。調子が良くなると“リバウンド”していつものポイズン桑野に(笑)彼は自分の親切を否定されると言わずにはいられなくなるところは昔から変わってませんな。ちょっとホッとした。チュー


桑野  「まあ一人暮らしを余儀なくされてる方に少しでもお役に立てたらと」
まどか 「余儀なく・・・・どういう意味ですか?」




いつものバーで飲んでる桑野。ここで「今週の金田」ネタ。彼の目の前に金田の愛車・高級スポーツカー2000GTのミニカーが! 聞き覚えのある爆音が流れ「金田!」と桑野。ここで金田の友情出演か~~!!!! と、期待させておいてまた空振り。ファンサービスのつもりかもしれないけど、逆にファンの気持ちを弄んでるから!プンプン コレって最終回での友情出演の前フリだったりして?・・・・・と先走って期待するアタシみたいなファンも大勢いるってことお忘れなく。

「金田!」・・・・このシーンもズルいわ



そんな中、早紀が舞台出演することになり、まどかと有希江が行くと約束。「桑野さんも誘ったら?」と話す有希江に早紀は渋り顔。以前、演技にダメ出しされたことがまだトラウマになってるようだ(第3話)。しかし公演当日に打ち合わせがあることをすっかり忘れていたまどか。ちょうどその時、事務所にやって来た桑野が芝居のチラシを見て、結局、彼がまどかの“代理”で行くことに。これで桑野と彼が好意を抱いている有希江がより“接近”しちゃうわけで。ウインク




棟梁 「お前、自分がどうして結婚できないか知ってるか?」
桑野 「何だよ?」
棟梁 「教えな~~い」




早紀の舞台を観に行くことになった桑野と有希江。場内は結構ウケてるのに、桑野は完全無反応(むしろこっちが正しい反応と思われ:)。早紀はそれがプレッシャーとなり自信をなくしてしまう。でも桑野は上演後「なかなか斬新な展開で良かった!」と興奮気味に答える。・・・・え、良かったんだ? あの表情からは読み取れなかったんだけど。この場面、桑野の本心なのか冷やかしなのかがよく分からず、ここは演出でもうちょっと明確に見せるべきだったのでは。予告では桑野が目を見開いて舞台に興奮している(ような)描写があった(結局カットされたようだ)。イイモノには素直に褒め称える桑野のことだからてっきりそういう展開になるものかと思ってた・・・・。キョロキョロ

 

「なんで桑野さんが?」

 

完全無反応の桑野に早紀、撃沈(笑)




芝居の後、2人はもんじゃで夕食。ここでSNSでも話題になった
桑野流秘伝もんじゃ焼きが始まる!爆  笑 シリーズファンなら前作の桑野うんちく炸裂お好み焼きシーンを思い出さずにはいられない。2枚のヘラを駆使して具を炒める桑野っ! カタカタカタッ!まぜまぜまぜ!カタカタカタッ!・・・・高速もんじゃ炒め!(笑) 桑野の奇っ怪すぎるもんじゃ焼きを延々と見せられている稲森いずみもツボに入ったようで肩を震わすほどガチ笑いしてるし(SNSでは「稲森いずみ 笑ってる」が検索で出てくる)1分以上にも及ぶワンカットで見せた桑野もんじゃシーンはシリーズ屈指の名・・・・迷場面となった(笑)「完璧だ」と自信たっぷりの桑野。しかし有希江は「違う・・・これはもんじゃじゃない」とせっかく作ったもんじゃの土手をあっさり“決壊”させてしまう。ここで桑野がキレて毒づくのか!と一瞬緊張が走るが、彼は有希江にもんじゃの食べ方を教わり「なるほど! 勉強になります」と、もんじゃ本来の美味を知る。大人の階段、また一歩上がる桑野(笑)爆笑の後にほっこりさせられるすごくいいシーンだったなあ。ニヤリ

 

これぞ桑野流もんじゃの作り方! 笑いを必死にこらえる稲森いずみ(笑)

 

「・・・・・違う。これはもんじゃじゃない」

 

もんじゃ本来の旨さに驚く桑野信介、53歳

 


しかしそんな2人を気にしていたのがまどか。有希江に桑野のことをアレコレ聞き出すが「実は彼のことが気になってるんじゃないの?」と有希江に言われてドキッ。この微妙な関係になる展開、前作にもありましたな。桑野が沢崎やみちるちゃんと男女の関係になりそうなのを気になってしゃーなかった夏美。前作はそういう展開になるまでが実に巧みに描かれていてすんなりと感情移入出来たんですが、今回は・・・?




恋焦がれるタツオ問題では、メスパグ(名前はおもち!)を散歩させてた怪しい兄ちゃんは早紀のストーカーでもなんでもなく、彼女が落としていったうんち袋を届けようと追いかけてただけ・・・・というね。なんや、ソレ。フツーに声かければ15秒で済む話やんけ。
キョロキョロ ていうか今回はやっくん問題もそうだったけど、引っ張るだけ引っ張っておいてそのオチかい!という拍子抜け展開が目に付くねえ。最終回ではタツオとおもちを桑野が預かることになりそうだけど・・・・。




そんな桑野に新たな問題が。離婚することになった中年男性・木村の新しい家の設計を進めていたが、依頼主の妻が土地の所有権を主張、建築差し止めの裁判を起こされてしまったのだ。相手の弁護士がなんとまどか。「なんだかややっこしい話になってきましたね」。最終回にして法廷で桑野とまどかがバトることになりそう。






次回が最終回のせいか展開が慌ただしかった第9話。桑野のもんじゃ焼きシーンは観ていてマジ笑いしたしそれだけで80点ぐらいあげてもいいんだけど、それ以外のエピソードが弱くて全体的にもっと面白く出来たんじゃないの?という燻りが残ったのも否めず。タイトル「偏屈男が素直になって悪いか!!」が話として今ひとつハジけてこなかった。だって桑野が素直になったところって序盤の病院シーンともんじゃ焼きの場面ぐらいだし。病院シーンもちょっと唐突というか、一体何のために持ってきたエピソードなのか今ひとつ分からず、あとの展開にスムーズに繋がってない。桑野と有希江の観劇シーンだってもっと面白く出来た気がする。例えば、初めは不安しかなかった早紀が桑野が演劇に夢中になっていることを察して、自信をつけ始めて最後は大団円を迎えるぐらいの展開があってもよかろうに(まあその展開もベタだけど)。もんじゃ焼きの店に圭子とゆみが居合わせたのなら、もう少し話を広げられたのでは。なんならそこに桑野ママがいても良かった。夏美と金田がついに登場!?と期待させただけの不意打ちにマイナス5点、なので今回は厳しめの65点っ。
キョロキョロ

 

次回が早くも最終回。偶然にも依頼主の奥さんの弁護士がまどかだった。・・・・・偶然にも桑野が鎌倉にいた、偶然にも依頼主が有希江の店を潰そうとしていた・・・・など、今回はエピソード的に“偶然”に頼りすぎなところも気になりますが、最終回はピシッと締めてほしいな。本日21時より放送!

 

 


この場面が好きッ!
●入院している桑野と女子トリオの妙な空気が混ざった掛け合い
●桑野の闘魂注入もんじゃ焼き!



桑野のうんちく豆知識
●有希江に演劇論を熱く語ろうとする
●有希江にもんじゃ焼きの作り方を伝授(するがあっさり却下されてしまう)



桑野のうっかり毒舌
(幸せな結婚生活をアピる英治に対して) 「平等なのは最初だけだろ。そのうち英治が毎晩飯作って待ってるはめになるぞ」
(有希江や早紀がいるから1人でも寂しくないと言うまどかに対して) 「謎の女子会で他愛もない話をするのがそんなに楽しいですか?」






第9話「偏屈男が素直になって悪いか!!」 65

 

 

「まだ結婚できない男 チェインストーリー #9.5 続・中川家の人々」はコチラ

 

 

 

次回予告