2017ドラマレビュー1●『ドクターX』『刑事ゆがみ』『奥様は、取り扱い注意』『監獄のお姫さま』 | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

2017ドラマレビュー1●『ドクターX』『刑事ゆがみ』『奥様は、取り扱い注意』『監獄のお姫さま』

2017ドラマレビュー
レビューほったらかしにしてすいません!
まとめてざっくりドカ~ン!とスペシャル!

-第1回-

 

 

 

いやね、ドラマは全話ちゃんと観てたんだけど、諸事情あってレビューできなかった作品もありまして(諸事情とは、仕事の多忙、お腹が空いてた、眠たかった etc)。なのでここでまとめてレビューをイッキ載せ。いつもよりさらにざっくりした、でも本音オンリー!な、2017年ドラマレビューをどうぞ。

 


 

※ネタバレしてます。クレームは受け付けませんニヒヒ
※Yahoo!テレビ評価、ちゃんねるレビュー評価の点数は3月15日時点のもの

 


100点・・・・・・・・ドラマ史に残る名作!!! 殿堂入り!!!
90~95点・・・・・もう一度観ておきたい文句なしの傑作!!
80~85点・・・・・かなり見ごたえのある秀作、力作!
70~75点・・・・・なかなか面白い。十分に合格の出来、オススメの良作
60~65点・・・・・良くも悪くもなく。人によって評価分かれそう
50~55点・・・・・色々と物足りない凡作。ちょっとキツイ
40~45点・・・・・不満だらけの愚作。満足度低し
35点以下・・・・・とっととリタイヤすればよかった駄作

 


 



ドクターX ~外科医・大門未知子~  75点
【テレビ朝日/10月12日~12月14日/全10回/視聴率=初回:20.9%、最終回:25.3%、平均:20.87%】
Yahoo!テレビ評価/4.10点(321人) ちゃんねるレビュー評価/3.54点(331件)


最終回視聴率はついに25%超え。平均視聴率は第2シリーズをピークに微減しているがそれでも今の時代、20%超えは立派、今や『相棒』以上にテレ朝の看板ドラマになってる『ドクターX』第5弾。気がつけばこのシリーズと付き合って早5年が経った。

 

前シリーズ最終回で惨めな姿を晒したままこのまま引退かと思われた蛭間(西田敏行)が復活。その彼を手助けし、大門を敵視する内神田(草刈正雄)が今回のラスボス。“医者至上主義”の猪又(陣内孝則)、ゆとり医師の西山(永山絢斗)らが新加入し、第1シリーズからの復活となる鳥井(段田安則)、森本(田中圭)らが話を盛り上げる。全シリーズ観てるけど、繰り返し観返すほどドハマリ!してるわけでもないので、誰が新キャラで、誰が復活したのかもうさっぱり分からんよ。チュー いきなり初回で登場の大地真央や野村周平、仲里依紗(4話)、間宮祥太朗(5話)、シャーロット・ケイト・フォックス(7話)、大友康平(9話)ら、予算が増えたのかゲスト出演もなにげに豪華。

 

AI医療を巡る駆け引きはそれなりに面白かったし、第5シリーズなのにクオリティ落とさず安定した出来。で、毎度のクライマックスのでかい見せ場では、ついに大門自身がステージⅢの後腹膜肉腫を患い、余命3ヶ月と来たもんだ。びっくり ボストンでの手術を拒む大門を涙ながらに説得する晶さんのシーンは目頭が熱くなったり。そして痛み止めでフラフラになりながら食道がんを患った敵の内神田を執刀するという神業を披露。ホント、見せ場を盛りすぎだべ。ここまで来ると次は誰かを本当に死なせるか、宇宙人を手術するぐらいしかない。

 

全部結果オーライになるとは分かってても、このシリーズ、話の盛り方が上手いから、しっかり見てしまう。AIの収賄容疑でついに逮捕されちゃった蛭間と内神田。神原名医紹介所は閉鎖し、晶さんと一緒にキューバの病院で働くことになった大門、というところで終了。今回で最終章っぽいシメ方をしてるのは、米倉涼子本人が「次はもうやらない」と言ってるから(という噂)? ダラダラ続けるよりは有終の美のまま終わらせたほうがいいかもね。とか言いつつ、しれっとすぐに戻ってきそうだけど。ニヒヒ





刑事ゆがみ  75点
【フジテレビ/10月12日~12月14日/全10回/視聴率=初回:7.6%、最終回:6.6%、平均:6.53%】
Yahoo!テレビ評価/4.51点(697人) ちゃんねるレビュー評価/4.12点(596件)


井浦秀夫による同名漫画のドラマ化。そうかあ、神木隆之介クンも刑事役を演じる年になったんだね。彼とバディを組む、民放連続ドラマ初主演の浅野忠信はオリコンのコンフィデンスアワード・ドラマ賞主演男優賞を受賞。

 

違法捜査なんかお構いなし、単独行動大好きな浅野刑事と、彼に振り回されっぱなしの神木刑事の凸凹バディ的な面白さに満ちており、2人の掛け合いを見てるだけでもニンマリ。チュー さらに浅野に茶化されっぱなしの上司の稲森いずみ刑事がたまに食らわす豪快な蹴りは笑った。

 

1話完結だが、刑事ドラマとしてのクオリティはなかなか高く、意外な真犯人を持ってきた初回からグイグイ引っ張っていく(2話にチョイ役で出てきた「バ~カ」を連発する下着窃盗犯・斎藤工もワロタ)。世間の評価はすこぶる高いのに、視聴率の低さが気になる。

原作にはないオリジナルキャラクターで、浅野刑事に協力する口の利けない謎の女性ハッカー・和美(山本美月)と彼の関係がクライマックスに向けて少しずつ紐解かれ、彼女のこれまたヘヴィな過去が明らかになり、ドラマを否応なく盛り上げてくれる。猟奇犯オダギリジョーの怪演も相まって、ハードな最終回だったが泣かせる。泣かせやがって笑わせやがる、この緩急がなんか気持ちいい。視聴率イマイチだったけど、ぜひ続編を希望したい。ニコニコ





奥様は、取り扱い注意  65点
【TBS/10月4日~12月6日/全10回/視聴率=初回:11.4%、最終回:14.1%、平均:12.65%】
Yahoo!テレビ評価/3.80点(803人) ちゃんねるレビュー評価/3.21点(562件)


『奥様は魔女』ならぬ『奥様は特殊工作員』。綾瀬はるかが元スーパー特殊工作員なんだけどフツーの主婦を夢見るヒロインを演じたコメディ・サスペンス・アクション・ホームドラマ的なごっちゃ煮ドラマ。金城一紀原案・脚本のオリジナル作品。

 

正体を隠しながら愛するダンナさんと人並みの幸せな人生を送りたいだけなのに、過去がそれを許さないというこの手のジャンルは基本的に好物だ。初めはご近所さんの夫のDV問題やママ友イジメ問題に首を突っ込む程度の、よくあるホームドラマ的なテイストだったが(地でやってるとしか思えない青木さやかの女ジャイアンっぷりが最凶)、第6話ではレイプ魔の夫を3人の女が共謀して殺害するというヘヴィな事件に巻き込まれるなど、主人公の周囲では事件が絶えない。ていうか、事件が頻繁に起こるこの町が異常である。ママ友の広末涼子と本田翼も悩みを抱えている。

 

綾瀬はるかの夫は西島秀俊なのだが、彼がフツーな夫なわけがなく、観てる人の大半が想像してたとおり、実はヒロインを監視している公安だったことが判明(西島秀俊、公安役をえらく気に入ってるようだ)し、旦那の正体がバレた途端、壮絶・・・・でもない夫婦喧嘩が始まる。ていうか、一番の見せ場だと思って期待していたココの展開が拍子抜けするほどあっさりしてて退屈。あのさ、ここはもっと『Mr.&Mrs. スミス』みたいに家がメチャクチャになるぐらいのド派手なアクションを見せんかい!パンチ!パンチ!パンチ!

 

最終回は、主婦売春を斡旋してた玉山鉄二の手下どもを『精霊の守り人』仕込みの卓越したバトルスタイルで次々になぎ倒していく1カット(ふう)に見せたアクションはなかなか爽快グッド!(敵も一斉に襲いかかればいいのにご親切に1人ずつ向かってくる)。綾瀬はるかの頑張りに「なかなかやるじゃん」と感心してたのに、ラスボスの玉ちゃんとはノーファイトに・・・・がっかり。で、最後は旦那に撃たれ・・・・た?ところで、ジ・エンドに・・・・モヤモヤ。スカッとするべきドラマなのにスカっとしない最終回に5点マイナスの65点。






監獄のお姫さま  60点
【TBS/10月17日~12月19日/全10回/視聴率=初回:9.6%、最終回:7.1%、平均:7.73%】
Yahoo!テレビ評価/3.84点(831人) ちゃんねるレビュー評価/3.54点(552件)


ムショ仲間の女性6人が手を組んである男に復讐を決行する宮藤官九郎脚本のオリジナル・コメディ。クドカン脚本だからクセのあるドラマなんだろうなあと覚悟してたら、案の定、クセありすぎなヘンなテンションのドラマだった。小泉今日子、満島ひかり、伊勢谷友介、夏帆、菅野美穂ら結構豪華なキャストなのに、クセありすぎたせいか視聴率伸びず。

 

キョンキョンがムショ入りする第2話では特にクドカン色が濃厚。押切もえ出演の刑務所ガイドビデオから始まり、ムショのユル~イ1日のスケジュールをテンポよく見せながら、妙に前向きなムショ仲間をサクサクと紹介していき、さらにキョンキョンVS菅野美穂の意味不明な対決勝負に突入するなど、軽妙な演出が異様に楽しい。夏帆から息子を奪った(息子が連れ去られる5話は号泣一歩手前)憎まれイケメン社長・伊勢谷友介は女囚軍団にずっと拘束されたままだ(笑)。

 

全体的には楽しく観られたが、12月24日の話を描いた現代パートと過去を行ったり来たりする慌ただしい展開なので、どうもエピソードがとっ散らかっている印象。どうせなら前半はムショ暮らし編にして、女囚チームの結束力が高まったところで、ラストの1/3は復讐編で構成したほうが見やすかったのではないか。もしくはクドカン目線による女囚たちの更生物語に絞ったほうがもっと面白く見られたんじゃないか、と気もしないわけでもない。エピソードをこねくり回しすぎた弊害も出ちゃってる。和気あいあいと演じている女性陣はみなさん魅力的なんだけどねえ。あと、『えどっこヨーグルト』のテーマ曲が頭から離れん。爆  笑





明日の約束  70点
【関西テレビ(フジテレビ)/10月17日~12月19日/全10回/視聴率=初回:8.2%、最終回:5.9%、平均:5.75%】
Yahoo!テレビ評価/4.40点(567人) ちゃんねるレビュー評価/3.74点(384件)


1人の男子高校生の不可解な死が絡んだ複雑な人間もようが描かれるヒューマンドラマ。古家和尚脚本のオリジナル作品。

 

何から何まで干渉してくる母親の存在で“自分らしく”生きることができなかったスクールカウンセラーの主人公(井上真央)。同じく母親(仲間由紀恵)に束縛されてきた男子高校生。学校内での問題をクローズアップしつつ、理想的で平穏な関係を保とうとするも、実は既に崩壊していた親子関係のドラマにスライドさせていく演出が上手い。

 

井上真央、及川光博、工藤阿須加、仲間由紀恵、手塚理美ら主要キャラ全員がさまざまな事情を抱え、“もろくて崩れやすい心を抱えながら平常を装って生きている”人たちを巧演し、しっかりと存在感を出してた。嘘臭くなりそうな過激な展開は見せず、淡々とした描写がまた深い余韻を残してくれる。ウインク 及川光博の無感情ナメクジ演技と、手塚理美の裏の顔がとっても恐ろしく、心意を見せない恐母演技が最高(サイコー)だ。

 

最終回、学校を辞める井上真央が「生きて逃げることを第一に考えてください。辛かったら逃げてください」と切実に訴え、その意味のある重い言葉が響く。ただね、新川優愛演じる臨時教員はちょっとノイズで、ああいうチャラ子がいると作品のトーンを壊しかねない。良作なんだけど視聴率低すぎなのが残念ですなあ。ショボーン





ブラックリベンジ  55点
【読売テレビ(日本テレビ)/10月5日~12月8日/全10回/視聴率=初回:3.7%、最終回:3.0%、平均:3.48%】
Yahoo!テレビ評価/4.12点(216人) ちゃんねるレビュー評価/3.51点(184件)


捏造されたスキャンダルで政治家の夫を死に追いやられ、そのショックで流産してしまったヒロインを、幸薄い女を演じさせたら右に出る者はいない木村多江が1人ずつ復讐していくリベンジもの。

 

夫を自殺に追い込んだワルどもに制裁を加えていく多江姐さん。スキャンダルを捏造した神尾佑、芹那、横山めぐみを「骨の髄まで炎上しなさいっ!」と3話ぐらいでさっさと葬り去るが、記事を世に出した張本人が自分が勤めている出版社の週刊誌編集長・佐藤二朗だと分かり、復讐計画は完了。

 

・・・・かと思ったら、今度は彼女のカウンセラーだった鈴木砂羽がお得意の「アハハハハ!」と高笑いしながら、すべての事件の黒幕だと名乗り出てくる。多江とは実は中学時代の同級生の砂羽姐さん、クラスメイトの女子とキスしてるところを多江に目撃され、それを同級生にチクられたことが原因で砂羽が愛した親友が自殺。以来、20年以上、多江に復讐しちゃる~!!!と機会を伺っていたのでした、という今ひとつ納得できない理由で計画を実行。女の執念、恐ろしや。滝汗 「愛する者を失うこの悲しみ、分かったかあ!」と言い残して砂羽姐さんは自殺。

 

しかもただの復讐劇だけで終わらせず、多江のダンナは実は彼女の妹とデキてて、なんと子供まで作ってたという事実も判明。その妹は復讐計画に利用された砂羽によって殺され、多江姐さんはダンナと妹の間にできた幼い子供と2人で生きていく道を選ぶという、なんともまあ後味の悪いままドラマは終了。一体、この話のヨリどころはどこやねん!? 「人を不幸にした者、復讐した者には幸せは訪れない」ってか? でも中学時代のあの事件は多江姐さんには責任ないと思うんだけどなあ。

 

話においては所々でアラも目立ったし、最終回で正味25分以上も使って事件の真相をダラダラと描く演出もクドかったし、芸人カミナリがいつも見てるネタを毎回出してくるああいうお寒い演出が個人的に本当に眉間にシワだったんで、辛めの55点。






ぼくは麻理のなか  70点
【フジテレビ/10月17日~12月5日/全8回/視聴率:-】
Yahoo!テレビ評価/4.12点(25人) ちゃんねるレビュー評価/3.23点(71件)


押見修造による同名コミックのドラマ化。思いを寄せる女子高生・麻里の姿になってしまった孤独な男子大学生の数奇な運命を描く“男女入れ替わり”もの。出演は池田エライザ、吉沢亮、中村ゆりか。

 

よくある“中身入れ替わり”系かと思ったが、男子学生の心は女子高生に入ってしまったものの、男子学生の存在はそのままで(つまり学生の心だけなぜか2人分存在してるってこと)、麻里の心だけがどこかに消えてしまったというね。そんな中、彼女のクラスメイトの柿口依(中村ゆりか)だけが麻理の中身が別人であることに気づき、ドラマが動き出していく。

 

初めは、ドタバタコメディなノリでもっと面白くすりゃいいのにと思ってたが、全くそんなノリのドラマではなかった。びっくり 自己の存在やアイデンティティーの発見、再確認していく彼らの葛藤に踏み込んだ展開は、藤子・F・不二雄作品の“すこしふしぎ”的な世界観を醸し、決して嫌いじゃないこの雰囲気。コトの真相はちょいと意外性を帯びていて、なかなか好感の持てる結末。自慰行為にふけるちょいエロな熱演で魅せるエライザや、彼女を心配する依役の中村ゆりかのちょいLGBT的な匂いを漂わせる、妙に艶かしい関係性もいい。こういう“すこしふしぎ”、好きだなあ。ニコニコ