2017冬ドラマレビュー5●『相棒 season15』『東京タラレバ娘』 | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁
2017年03月27日(月) 08時34分04秒

2017冬ドラマレビュー5●『相棒 season15』『東京タラレバ娘』

テーマ:TVにちょい言わせて!(ドラマ)

2017ドラマ

ざっくりと本音でレビュー

-第5回-

 

 

 

注意ネタバレしてます。苦情は受け付けませんニヒヒ
※Yahoo!テレビ評価点数は3月26日時点のもの

 

 

 

 

 


相棒 season15 70点
(テレビ朝日/全18回/視聴率=初回:15.5%、最終回:16.2%、平均:15.2%)
Yahoo!テレビ評価/3.18点(326人)


最終回で右京と冠城のコンビ仲に亀裂が!?


今回はシーズン14から2話少ない全18話。反町隆史演じる新相棒・冠城亘初登場の前シーズンの平均視聴率が15.3%で、season5以降の『相棒』としては最低な数字だったから話数が減らされたのかは知らないが、今回もほぼ同じ15.2%にとどまった。4代目相棒の反町隆史は前シーズンではまだ評価が定まっていなかったが、ファンからはそれほど酷評されている感じは受けない。


元鑑識の米沢さんは前シーズンで学校教官へ異動となり、現在の鑑識課の益子は特命係を毛嫌いしており協力的ではない。不在となった特命係の“協力者ポジション”は、サイバーセキュリティ対策本部・特別捜査官の青木年男(浅利陽介)が就くことに。シーズン14第15話で右京と冠城にハメられてから憎悪を抱いているが、2人の前では情報を提供したり右京とチェスをするなどすっかり善人に生まれ変わった・・・・・わけではなく、実はまだ恨みを持っていて密かに“復讐”を企んでそうダークなキャラ。そこにカイトの父親・甲斐峯秋警察庁長官官房付(石坂浩二)や、衣笠藤治警視庁副総監(大杉漣)、日下部彌彦法務事務次官(榎木孝明)ら警察組織内の力関係を巡ってけん制し合う上層部のサブエピソードもあり、ある意味、シーズン14から『新・相棒』と言っていいぐらい人物相関がリニューアルされている。馴染みの面々がどんどんいなくなっているゆえの『相棒』離れも起こっている気がする。

 

 


ということで、今回の『相棒15』で気に入ったエピソードを挙げていくと・・・・・


詐欺師の風間杜夫のドタバタ劇が楽しめた4話(『古畑任三郎』でも別人に化けて悪戦苦闘してたエピソードを彷彿)、売れない女性漫画家の隣室で殺人事件が起こる6話子供を殺された安達祐実ママの絶望を描いた7話鶴田真由検事との対決劇がなかなか見ごたえあった8話中学時代の同級生を殺された角田課長の悲哀が印象深かった9話衣笠副総監の娘・桜田ひより(複雑な親子関係の彼女は今後も登場しそうな予感)が殺人事件を目撃してしまう11話では、特命係にちょっとだけ歩み寄る中園参事官がカッコイイ(しかし左利きの店員だけで犯人分かったというオチは笑ったが)。6人の女性を殺害した快楽殺人犯・北一幸が病院から脱走し、再び凶行を繰り返す16話(シーズン14の12話で思いを寄せていた女性が北に惨殺され復讐しようと一線を超えかけた陣川君はロンドンで研修中)。そして、最終回SP(後述)。

 

 


逆に今ひとつだったのは・・・・・


初回SPは、序盤は伏線仕込みでグイグイと引っ張っていくが、結末の後味が悪くこれを1話目にもってくるのは少々重たい気がした。久々に大谷みつほを見た気がする2話は特命係がなぜか探偵稼業みたいなことをしてて若干の違和感が。えー 医師から余命宣告された石井正則が残された時間を他人のために奉仕する3話では『相棒』もついに崖オチをもってきてちょい苦笑。あと余命判断した医師がクソすぎる。プンプン 駐在所勤務命令を受けた杉下&冠城が異動先のベッドタウンで殺人事件に遭遇する元旦SPは、犯人の動機が浅はかすぎてドラマ的カタルシスがほとんどない。食品偽装疑惑が絡んだ12話は話の持っていき方がちょっと強引(ていうかキャストで犯人ネタバレ)。話が1年前に遡って米沢&尊も登場し、『劇場版Ⅳ』にも繋がる前後編(13、14話)は篭城した高校生のエピソードを少々引っ張りすぎだし、『劇場版Ⅳ』との繋がりも実はそんなにない。盲目の女性が殺人事件に巻き込まれる15話は、あんなんで犯行を実行できるんかいなと不自然さだけが際立った。犯罪の様子を映した動画投稿サイトを描いた17話はイイ話げしているオチが無理やりな感が否めない。えー

 

 


広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)の隠された過去が明かされる最終回SPでは、シーズン13第1話の内閣情報調査室室長で殺人犯である天野(羽場裕一)が出てくるものだから、ちょっとうる覚え状態で視聴。珍しく死人が出なかった回だが、警察上層部も巻き込んだ硬派な物語は見どころはあったものの、伏線はすべて回収されたわけでもなく、また事件の真相も本当なのかという疑惑は払拭されず(上層部を出し抜くための社美彌子の嘘ともとれる)。展開が回りくどすぎて話を少々ややこしくしている感は否めないし、スッキリしたシメにはなっていない(そこは作り手の狙いなんだろうけど)。事件解決後も右京と冠城はしこりが残ったままで早くもコンビ解消か?と匂わせつつ、シーズン15は終了。否応にも次シーズンの彼らの関係が気になってくる。冠城をPC侵入容疑者に仕立て上げた青木の復讐計画に頭のいい右京は既に気づいているように思えたが、彼の化けの皮がいつ剥がされるのか次シーズン以降のお楽しみ?チュー ダークナイトのカイトが回想で出てくるわ、プリキュアネタも出てくるわとサービス精神あふれる最終回だった。

 

 


しかし最終回で話題になったのが2人の亀裂シーン。社美彌子への捜査を強引に進める右京に反発する冠城。「想像が及ばないのならば・・・・黙っていろ!」と語気を強める右京に、冠城は「右京さん、あなた・・・・何様だ」とついに“禁断”の一言を言ってしまう。これまで何度か衝突はあったものの、2人の関係に決定的な亀裂が入ってしまう緊迫した場面だ。犯人にキレることはよくあっても、常に冷静沈着な右京の静かな怒りに『相棒』ファンは騒然。SNSでは「右京さんが違う人物みたい」「右京さんはあんな物の言い方はしない」と批判も多かったようだが、人は人生を歩む中で考え方や性格は変わっていくものだと思っているボクはあの場面は「大いにアリ」と好意的に観た。冠城に「あなたのやってることは自己満足だ」と図星を突かれた右京が怒りを露にする人間臭い一面を見たし、ある意味、冠城は右京に初めて本音をぶつけられる“相棒”とも言える。右京がエンディングで見せる“笑み”は何を示しているのか、ファンとしては大いに気になるところ。ひょっとしたら次シーズンあたりで『相棒』のターニングポイントとなる怒濤の展開が待ち受けている可能性もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

東京タラレバ娘 50点
(日本テレビ/全10回/視聴率=初回:13.8%、最終回:11.1%、平均:11.35%)
Yahoo!テレビ評価/3.23点(651人)


フツーにモテてる女のコイバナに共感できるか?


東村アキコ原作の同名漫画のドラマ化。吉高由里子、榮倉奈々、大島優子の30歳独身女の恋愛を描くラブコメ。


駆け出しの脚本家である倫子(吉高)は、かつて告白されたプロデューサーの早坂(鈴木亮平)をフッたことを後悔しつつ、人気モデルのKEY(坂口健太郎)のことも気になってるヒロイン。ネイリストの香(榮倉奈々)は元カレでバンドギタリストの涼(平岡祐太)のことが忘れられず、小雪(大島優子)は妊娠中の妻がいるサラリーマン・丸井(田中圭)と不倫に走る。30になって独身であることに焦り始め、いつも3人で駄弁ってばかりの“タラレバ女”たち。

 

 


原作は知らないが、オリジナルの3人娘はもっとイタイタしいキャラだそうで、結構毒気のある描写がウリとなってるようだが、設定変更もされてるドラマ版はその“毒”が抜かれた感じで原作ファンからは否定的意見が多いんだそうな。よくあるラブコメだと思ってたんでリタイア候補だったが、ショックを受けたヒロインに矢がグサリと刺さったり、3人娘が氷漬け(凝固)したりと漫画チックな演出は嫌いじゃなかったし、テンポもそんなに悪くなかったんで最後まで付き合ってみたけど・・・・。

 

 


しかし回を重ねるごとに、話はグダグダになっていき、ほとんどコイバナしかしてない彼女らに共感できなくなるどころか本当にイタイ女にしか見えなくて・・・・・(そういうドラマだしと言われたらそれまでだが)。えー 正直、30歳でこのテンションとノリはキツイ。坂口健太郎が「あんたら、一生そうやってタラレバやってろよ」が一番共感できたセリフだったわ。


まず、倫子が「売れない脚本家」というより、「大して仕事してない脚本家」にしか見えず、ちゃんと仕事してるところって第7話の町おこしのPRドラマを作ってるぐらいしか描かれない。それ以外は恋愛にうつつを抜かしてるか、友人と駄弁ってるぐらいしかなくて30女がそんなんでいいのか?と、ちょっと気の毒な人にしか見えないんですよ。えー 仕事を頑張って自分磨きしてる。なのにイイ恋できなくて一生懸命もがいているヒロインなら応援したくなるんだけど、このドラマの3人娘はそういう要素があまりない。そもそも早坂は仕事できない彼女になぜ何度も依頼するのか。一度惚れた女だから? 彼女の成長を応援してるから? どっちにせよピンとこない。

 

 


ここ数年、まともな恋愛してないよ~!とピーピー言ってた倫子が、素性をよく知らないKEYとヤッてるし、バーテンダーの奥田(速水もこみち)と付き合ってるし、一度フッた早坂と付き合っている。ちょっと待て、なんの問題もなく恋愛できてるじゃん。タラレバ娘、卒業じゃん。なのに倫子は「趣味や好みが合わない」「こういう恋愛じゃない」「本当の恋って・・・・・」とずっとタラレバしてて、自分に酔いしれてるアホ女にしか見えんのですよ。これじゃ応援したくなる気持ちなんか失せるって。ブーブーブー

 

 

 

早坂のような“フツーにイイ男、でもなんか違う”じゃなくて、KEYのような本音で語り合えるちょいワケありな男のほうが惹かれるという(ま、本音で語ってる感じもなかったけど)、恋愛ドラマの王道な図式もそろそろ見直してもいいんでないかい。とにかくあっち行ったりこっち行ったりする倫子のどっちつかずな行動心理は理解不能だったし、キャラクターとして最後まで全然惹かれなかった。

 

 


小雪も妊娠してる奥さんがいると分かってて丸井と付き合う時点でまず共感できない。昔と違って「不倫は絶対悪」になってきた今のご時世、視聴者に不倫女を認めさせるには相当なキャラ造形のテクニックがいるが、作り手にはそこまでの力量がなかったようで。そんで、相手の丸井がまたクズ野郎すぎて・・・。ムキー 穏やかな顔をして優しい言葉をかけてくる不倫男ほど悪質かつゲスな野郎はいないと思ってるんだけど、そういう意味では田中圭のゲス演技が上手かったということか。最後は彼を殴り飛ばすぐらいしても良かったのだが、小雪も承知の上で付き合ってたわけだから両成敗だわな。彼女も最後は自己否定っぽいことを言ってたけど、う~ん、それでいいのか、アンタ?えー

 

 


香は元カレに戻ってこられて心揺らいでるけど「お前でなきゃダメだ!他に何もいらない!俺は変わるから!」を口にする男が一番信用ならんの、コレ常識。ニヒヒニヒヒニヒヒ


3人娘を見てて一番気になったのが、恋愛に結果を求めるのを急かしすぎ、恋愛に答えを出すのが早すぎるところ。別に1クールで恋愛の顛末を全部描かなくても、話を着地させることなんかナンボでも出来ると思うけどね。そういう意味では、「彼のことを時間をかけて見ていく」と答えを見守る香のエピソードが一番マシだったかも。なんで倫子がKEYに惹かれていくのかが最後までピンとこなかったし、どっちかと言うと奥さんを亡くした彼の過去を含めて“憐れみ”で好意を抱いているようにしか見えないんですヨ。どの恋愛エピソードも表面的なものにとどまっていて、乱暴な言い方をすると5話ぐらいで済ませられる話なのでは?なんですね。真顔

 

 


あと、このドラマ、「街中であの人を偶然見かけた率」「街中でバッタリ出会う率」が異常に高い。人口100人ぐらいの小さな村ならまだしも、普通の街中で知ってる人とバッタリ会うことそんなにないって。街、狭すぎ。


「幸せってなんなのか。その答えは人それぞれ違う。人の数だけ答えがある。人生という長い長い主人公は自分なんだから」と、こういう当たり障りのないフツーのことをナレーションでシメちゃうところがまたイラッとしちゃったりね。チーン 最後の最後まで自分大好きな女3人組のコイバナにはトキメキませんわ。ま、恋愛って自分の都合のいいように解釈するもんだ、って誰かが言ってたけど。