『エルム街の悪夢』『スクリーム』のウェス・クレイブン監督が死去

ウェス・クレイブン監督が亡くなった。脳腫瘍を患っていたという。76歳。

それほどホラー映画を観ない人でも『エルム街の悪夢』や『スクリーム』は知っているとは思う。

元大学教師だったというウェス・クレイブン、1972年に映画監督デビュー。世界的に名が売れたのは84年の『エルム街の悪夢』だが、『鮮血の美学』や『サランドラ』といった名作もホラーファンの間では評価が高く、その後も『ゾンビ伝説』『ショッカー』『壁の中に誰かがいる』といったホラー通好みの作品を次々に監督。

大ヒット作『エルム街の悪夢』ではジェイソンやマイケル・マイヤーズと並ぶホラー映画のアイコンとなった人気キャラクター、フレディを生み出す。しかし、クレイブンの手から離れたシリーズはどんどんマンネリ化していったが、６作で終了した『エルム街』をクレイブン本人が甦らせ、原点回帰作として10年ぶりにメガホンを撮った番外編『エルム街の悪夢／ザ・リアルナイトメア』（監督も本人役で出演）は、メタ構造という斬新な手法をとり、日本未公開ながらもシリーズファンからは歓迎された秀作に仕上がっていた。

その２年後、そのメタ構造ストーリーを存分に活かした『スクリーム』では、ホラー映画の常套手段を崩したどんでん返しな展開で映画ファンを唸らせ、沈静化していたスプラッター・ブームを再び巻き起こした。

『スクリーム』は現在ドラマシリーズ化され、シーズン２の放送も決定。クレイブンも製作総指揮として参加していただけに、突然の訃報はやはりショックです。

ご冥福をお祈りします。