BDレビュー54『スター・ウォーズ EPⅣ/新たなる希望』●34年前の作品でこのハイクオリティ! | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

BDレビュー54『スター・ウォーズ EPⅣ/新たなる希望』●34年前の作品でこのハイクオリティ!

ブルーレイ&シネマ一直線



ブルーレイ視聴記 54
スター・ウォーズ エピソードⅣ

新たなる希望
20世紀フォックス  2011年9月16日発売



■1977年アメリカ
■監督・脚本:ジョージ・ルーカス
■出演:マーク・ハミル
    ハリソン・フォード
    キャリー・フィッシャー
    アレック・ギネス
    デヴィッド・プラウズ
    ピーター・カッシング


BD仕様
●125分
●シネスコサイズ
●メニュー画面:動画
●音声
 英語  6.1ch dts-HDマスター・オーディオ
 日本語 5.1ch dts
●字幕
 日本語/英語 他
●MPEG 4-AVC/2層ディスク
●50チャプター
●つづき再生/可




●作品レビュー
<視覚的な面白さ>に満ちた古き良きSF


実は『SW』というものを初めて観たのが

劇場で鑑賞した『EP6』で、話をよく理解していないまま
『EP6』を観て、その後に『EP4』をTVで観るという
ものすごい邪道な観方をしていた(笑)。


というのも話そのものよりも「なんかすごい映画」を
体験したいというアトラクション的欲望が強く
(ディズニーリゾートに行く前のアノ感じ)、
宇宙でのドハデなドンパチ戦を観ただけで
小学生の僕は十分に興奮していたのである(笑)。


あまりの巨大感に圧倒されたスターデストロイヤーが
出てくるオープニングから、デス・スターでのドッグファイトまで、

その面白さ、すごさに一気に惹き込まれた。


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『EP4』を初めて観たのは小学低学年の時に
初放送された83年10月の水曜ロードショー版。

そう、渡辺徹&松崎しげる&大場久美子の
超豪華吹き替えバージョン(笑)。

今となってはファンの間では“伝説”と化した水ロー版の吹き替えだが、

松崎ハン・ソロはけっこう合ってたように思う。
というのも、この時はまだハリソン・フォードの肉声を聴いたことが

なかったので、自分の中ではハリソン・フォード=松崎しげるという

イメージがすっかり定着してしまい、逆に本人なのに
ハリソンの生声のほうが違和感があったほど(笑)。


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60分のVHSテープで3倍モードで録画したものを
学校から帰るやいなや何度も何度も繰り返して観た。
そのおかげでテープは伸び伸びになり
半年も経たないうちにノイズだらけになってしまい
かなりショックだったのを覚えている(笑)。


当時、松竹から発売されていた約2万円もするテープ版をマジで買おうと

思ったが、小学生の自分がそんな高価なものを買えるわけがなかった。
VHSをレンタルで借りてきてダビングし、映画のチラシをコピーしたものを

ジャケットにして自分流にソフト化した『EP4』はお宝になった(笑)。


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改めて観ても『EP4』には
男子なら憧れる冒険活劇の原点、魅力がある。
CGなんかなかったこの時代にオプティカル合成で
これほどの壮大なSFの世界を創造したルーカスは
やはり“天才”なんだと再認識させられた。


過去の名作から拝借したストーリーや設定などは
“古き良き”感はあるものの、さほど目新しさは感じない。
しかし『EP4』がスゴイのはその独創的なビジュアルやデザインで、
ベイダーやエイリアン、スペースシップ、武器、惑星など、
どれを取っても奇抜、そして見てるだけでワクワクさせられる
<視覚的な面白さ>に満ちている。
だからストーリーを大して理解していなくても
「なんか分からないけど面白かった」感があるのだ。


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プリクエル3部作を観た後に『EP4』を観ると
ストーリーや設定の辻褄にどうしても無理がでてくるのは
仕方がないのだが、それでも気になるのがファンの悲しい性。


レイアを目の前にして娘と気づかないどころか、
息子ルークの乗るX-ウイングを撃ち落とそうとする
ベイダーのフォースって実は大してことがないのでは?
というツッコミに対しては、オビ=ワンに足と腕を切られ
重度の火傷を負い、生命維持装置=マスクを被っていないと

生きられなくなったアナキンのフォース力が落ちた
というのがファンのおよその見解。


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オーウェンやオビ=ワンはなぜC-3POとR2-D2を覚えていないのか
という矛盾は、3POもR2も量産モデルなのでただ覚えてなかった
説が

有力(いいのかよそんなんで:笑)。
もしくはルークに父のことを悟られたくないので知らないフリをしていたとも。


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優秀な兵士だったクローン・トルーパーが、なぜ兵力の劣る
ストーム・トルーパーに落ちぶれてしまったのか、
という指摘は
一般公募で合格した人間がストーム・トルーパーになれるという
裏設定があるためで、オーダー66による完全な統率プログラムを受けた
クローンとはそのあたりから<実力差>が出てしまった、ということらしい。
もちろんこれは映画では描かれていない。


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オリジナル3部作ではそんな矛盾点やアラを探すといった
<ちょっとヒネくれた>楽しみ方もできる。




●本編レビュー
古めかしさは残しつつもHDの威力を発揮した高画質


『EP4』で驚かされるのはこれで4度目。

まず最初はLDで観たスペシャル・コレクション。
初めて観るシネスコサイズの『SW』には感動すら覚えた。
2度目はTHX仕様のLD-BOX。
当時の最高級画質・音質には失禁しそうになったが
4万円超えのBOX価格には気絶しそうになった(笑)。
そしてDVD版。ブラッシュアップされたハイクオリティに感激し、
さらなる修正シーンやカットを見つけることへの喜びがあった。


そして4度目の驚きは今回のブルーレイ。


さすがにプリクエル3部作のクオリティを求めるのは酷というもの。
それでもHDの実力が遺憾なく発揮された超高画質・高音質に
生まれ変わっており、驚きを禁じ得ない。


新作になるにつれて画質・音質が良くなるのは当然であって、
60~70年代の名作がBD化された時の

クオリティが実は<重要>だったりする。
DVDのアプコン・レベルのような“やっつけBD”もあれば、
『猿の惑星』や『エイリアン』など入念なHDリマスターから
ソフト化された最高品質のBDもあり、本作はもちろん後者。


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古めかしい粗さの残る画質と、新作に比べてヌケが今ひとつな音質。
『SW』の<歴史>を感じさせるクオリティなのだが
ディテールの向上は尋常じゃない素晴らしさ。
本作を観る時はテレビはでかければでかいほど

そのHDクオリティの凄さを実感できる。できれば50インチクラスが望ましい。


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冒頭のスターデストロイヤーのディテールから
DVD版との差は歴然。
ベイダーのマスクは『EP3』のようなツヤツヤ感は全くなく
戦歴を物語るような“使い古し感”まで分かるのが凄い(笑)。


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さらにHDの威力を発揮したのはタトゥイーンの場面。
一部のシーンではザラつきがあり、色のバラつきも見受けられるが
R2が一人で散策する場面では岩壁のゴツゴツ感が
恐ろしいほどに鮮明化しており、惑星の荒涼感までもが伝わってくる。
入念にリストアされていることがよく分かる。


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発色も格段に良くなっているので、CH11の2つの太陽は
DVD版では感じられなかった鮮やかな色合いになっている。
レイア姫は化粧のノリがさらに良くなった(笑)。


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ただ、『特別篇』でCG映像で追加されたシーンになると
急に画質が良くなるのはご愛嬌。
HDだとオリジナルの部分と『特別篇』追加場面の
画質差がより顕著になってしまうのは仕方がない。


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音響の古めかしさはそのままだが、高音・低音の音域や
サラウンド力はDVD版を軽々と凌駕する。
今回は新たなマスターサウンドが作られ、
オリジナルとのバランスを保って制作されたリマスター音で収録。
なるほど、DVD版より圧倒的に音が向上したわけだ。


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特別篇、DVD版に続き、3度目の修正バージョンとなる。
ほんと、ルーカスは本編をイジるのが好きだねえ(笑)。


まずネットでも話題になった
オビ=ワンがクライト・ドラゴンの鳴きマネ声を再々修正。
DVD版でも声を入れ替えられていたのだが、
ルーカスがやはり気に入らなかったのか2度目の修正となる。
ただし、日本語吹替はDVD版のマスターをそのまま使っているため
<ドラゴン声>もDVDバージョンになっている。聴き比べてみて。


サンドピープルに襲われたルークを岩場の陰から見るR2のシーンでは
R2が隠れているように見せるために<CGの岩>を追加。
芸が細かいと言うかなんというか・・・。


ファルコン号内で練習をするルークのセーバーの色がからに修正。
ただ、途中からその色が青緑や真っ白になったりと、
どうも中途半端な感じになっているのが残念。
セーバーの粗っぽい合成もそのままだし。
セーバーを閉じる時のカットのズレもさすがに修正できなかったようだ。


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ファルコン号とタイ・ファイターとの戦闘シーンでは
画面右端がキレてしまっているミスを修正。


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さらに気づいたところでは
タトゥイーンに降り立ったC-3POとR2-D2の乗る
脱出ポッドのドアの色がからに変わっている。
修正意図は分からないがDVD版では
やたらと鮮やかな青がルーカスには目障りだったのか??


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また、ハン・ソロがグリードを撃ち殺す場面がまさかの2度目の修正。
カットが替わる時、DVD版よりもBDの方がグリードが撃つ瞬間が早くなっている。
パッと見ただけではほとんど分からないけど。
それよりもソロがグリードを撃つ時の発砲音が変わっている方が驚いた。
『ドギューン!』と体の芯を貫くような重々しい音に変わっている。


そして、デス・スターの爆発シーン。
DVD版では爆発後、タテの光輪と共に青いモヤ
出てきていたが、BDではその青いモヤがなくなっている。



個人的に直してほしかったのは
R2から引き出したデス・スター設計図のショボさ。
アレはどうにかしてほしかったですねえ(笑)。
あと『EP4』だけ出てこなかった皇帝の出演シーンを追加で入れるとか、
どうせイジるならそれぐらい変えても良かっただろうに。


DVD版で音が“強化”されたストーム・トルーパーが
ドアに頭をぶつける音は今回もしっかり“ポカン”と音がしてます(笑)。


字幕はDVD版でほぼ完璧に改訳されているため

BDでは大きな変更箇所はなかった。




●BD評点
作品:9.5

画質:8.0

音質:8.5
サラウンド:8.5

総合:8.6




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