ブルーレイ・レビュー16●「インデイ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」 | ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁

ブルーレイ・レビュー16●「インデイ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」

ブルーレイ&シネマ一直線



今夜は

『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』

地上波初放送。
ということでファンの間でも物議を醸した(笑)
シリーズ第4弾をBDレビュー!


※今回はかなり辛口なので今夜の地上波放送を楽しみしている人は
観る前に読まない方がいいかもしれません。


ブルーレイ&シネマ一直線



ブルーレイ視聴記 16
インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

パラマウント 2980円(12月17日発売)


■2008年アメリカ
■監督:スティーブン・スピルバーグ
  製作総指揮:ジョージ・ルーカス
  出演:ハリソン・フォード/カレン・アレン


BD仕様
●BD2枚組

●122分
●シネスコサイズ
●メニュー画面:動画
●つづき再生:不可
●音声
 1 英語 5.1chサラウンド ドルビーTrue-HD
 2 日本語吹替 5.1chサラウンド
 3 タイ語吹替 5.1chサラウンド
●字幕
 1 日本語
 2 英語
 3 日本語吹替用
●MPEG 4-AVC/2層ディスク
●全16チャプター
●ピクチャーディスク



●作品レビュー
19年ぶりのインディの復活にファンの反応は!?


小学生の時に父に連れられて観た
『レイダース 失われたアーク』と
『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』に
ハマリまくってすっかりインディの虜となった。
これまでVHS、LD、DVDと何度買い直したことか。


ブルーレイ&シネマ一直線


そして19年ぶりに復活したインディに胸を躍らせながら公開初日に鑑賞。
「我らのインディが帰って来た!」と拍手するつもりだったのだが
それが出来なかったのはやっぱり大いなる“違和感”を感じたから。


なんだろう、どうも面白くない(笑)


パラマウントのロゴは旧バージョンのままだし、
そのロゴが本編にオーバーラップするお約束もあるし、
1作目のアークがちょこっと出てくるし、
インディは相変わらず勇ましいし、
ちょっとしたドジをする軽いギャグもあるし、
アクションはお腹いっぱいになるぐらいてんこ盛りだし。


インディ・ファンを喜ばせようとする仕掛けがいくつもある。


なのにだ。これまでのようなワクワク感がない。


「これだったら『ハムナプトラ』のほうがマシ」とまでは言わないけど、
最近のアクション映画によく見られる
“唐突なブツ切れなアクション”と“ヘタな編集”が
つまらなくしている要因なのではないだろうか。


ブルーレイ&シネマ一直線



●イマイチなワケ その1
流れの悪い蛇足なアクションが多い


冒頭のエリア51での格納庫バトルはツカミとしてはいいけど、
コメディにしたかったのか全く意図不明な核実験での冷蔵庫脱出シーンで
作品の空気の流れを悪くし、妙なシコリを残したまま話が進んでいく。
我々日本人が“原爆コメディ”に嫌悪感を抱く以前に、
明らかに不必要なシーンを入れたスピルバーグの演出に疑問を抱いた。


シーンの流れにうまく乗っていない“ブツ切れ”なアクションは
この後も次々に襲いかかってくる。
そのほとんどが唐突に起こり、違和感を残したまま終わる(笑)。


KGBとのドタバタ・チェイスもそうだし、
インディたちがスカルを発見する洞窟で襲ってきた
サルみたいなヘナチョコ部族も明らかに不要だし、
ラスト近くに出てきた原住民の襲撃シーンもほとんど意味ないし、
滝に3回落ちるシーンもあまりに唐突過ぎて呆気に取られてしまった。


アクションのテンポはいいけど、リズムが悪いのだ。


ブルーレイ&シネマ一直線


●イマイチなワケ その2
脚本と音楽


クリスタル・スカルの伝説をやたらとセリフで説明する場面が多く、
映像としての面白さにほとんどつながっていない

(そういう意味ではルーカスにボツにされたフランク・ダラボンや
M・ナイト・シャマランの脚本も読んでみたい)


また、これまではシーンと見事に一体化して物語を盛り上げていた
ジョン・ウィリアムスの音楽が今ひとつリズミカルでない。
燃えさせてくれないのだ。


ブルーレイ&シネマ一直線



●イマイチなワケ その3
魅力に欠けるサブキャラクター


キライなシャイア・ラブーフがインディ・ジュニアとして
出ている時点ですでにマイナス要素なのだが(笑)、まあそれはいいとして、
読心術をもつロシアのスパルコもけっこうマヌケ・キャラなうえ、
スカルを手に入れて何がしたかったのかが最後までよく分からなかった。


敵に寝返る相棒のマックはあまりにステレオタイプで面白くないし、
インディの恩師でスカルの秘密を知るオックスリーはイカれてるだけだし(笑)。


「インディ」シリーズのサブキャラの浅さは今に始まったことじゃないが、
それにしてもこれだけ出しておいて印象にほとんど残らないのもどうか。


ブルーレイ&シネマ一直線 ブルーレイ&シネマ一直線


●イマイチなワケ その4
ベタすぎて笑えないコメディ


元々、スピルバーグはコメディ・センスがあるほうじゃないが
(それは『1941』を観ても明らか)
シーンの流れに乗せたさりげない笑いを描かせると結構うまい。


その最たる作品は『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』で
インディ親子の漫才コンビのような掛け合いはクドすぎず、
ベタにしすぎないギリギリのところでとどめていることが
笑いの作用として抜群の効果を発揮している。


だが、『インディ4』はコメディが多いのにほとんど笑えない。
さほど巧くないのにスピルバーグがベタベタな笑いに
挑んでしまっているところで既に失敗している。


エリア51をジェット噴射機で脱出する場面や、
バイクで大学の図書館に乱入するインディとマット、
ヘビの巣穴に落ちてドタバタしてるインディ、
いきなりターザンのマネごとをするマット、
滝に3度落ちてハンドルだけを握っているマリオンなど、
ベタすぎて苦笑いしかできなかったのがイタイ。


唯一笑ったのがマットがジャングルでフェンシングするところ。


ブルーレイ&シネマ一直線



●イマイチなワケ その5
で、あの“衝撃的”なオチ


そして賛否両論となった異次元人オチ!
(「あれは宇宙人じゃない。宇宙と宇宙の間にいる異次元人だ」と
言い訳するルーカスに、さすがのスピルバーグも本気で呆れたらしい)


ファンは「スピルバーグの宇宙人好きには困ったものだ」と酷評したが、
正確に言うと、スピルバーグはあのオチには反対してたが、
駄駄ッ子のルーカスが押し通してああなった。
(特典「帰ってきた伝説」では「僕は監督できないよ」とまで語っている)


ブルーレイ&シネマ一直線


インディの世界観はオカルトであるべきで、

SFにしてはいけないのだ。
そこをはき違えてしまったルーカスの責任は重い。


さらなる衝撃はその後のインディとマリオンの結婚式。
インディは007と同じで生涯、独身を貫くべきだった(笑)。



本作も痛快アクションであることは間違いない。
ただ、スピルバーグとルーカスの噛み合っていない部分が
作品にも表れていて、歯切れの悪い演出や魅力の欠いたアイデアが
熱狂的なファンには今ひとつ受け入れられなかったのだと思う。


ブルーレイ&シネマ一直線



苦言だらけのレビューとなってしまったけど、
それでも11分にも及ぶジャングル・チェイスや
UFOの出現で山が崩れるクライマックスは圧巻だった。


ラジー賞の最悪続編賞という不名誉な賞に輝いてしまった
本作はスピルバーグもハリソンも失敗作だったと認めている。
その反省を活かしてか、『インディ5』ではヘンリー・ジョーンズの
復活を願うハリソンが俳優業を引退したショーン・コネリーに
再登板を直談判している
というにわかに信じ難い噂もあるけど、
今度こそファンを失望させない『インディ5』に期待したい。



↓ エイプリル・ネタで考えた『インディ5』です(笑)

ファン待望!「インディ・ジョーンズ5」ついに撮影開始!! インディの知られざる秘密が明らかに!?
http://ameblo.jp/jumbooomori/entry-10496687736.html


ブルーレイ&シネマ一直線


●クオリティ・レビュー
THX仕様ではあるが水準並みのクオリティ


冒頭のTHXロゴに否応にもクオリティに期待してしまうが、
フィルムグレインの効きすぎた画質は思ったほどの高画質感がない。
水準並みのクリアさはあるものの、もっとキレのある鮮鋭感が欲しい。


音はボリュームが小さすぎてダイナミック感がない。
(かなりボリュームを上げないと迫力が出ない)
サラウンド力も意外と弱いのが気になった。


もっとクオリティの威力を発揮できるタイトルであるはずなのだが。


ブルーレイ&シネマ一直線


●特典レビュー
BDのみの特典はあるものの日本語字幕なし


BDのみに「タイムライン」という特典があり、
これは「ヒストリー・タイムライン」「ストーリー・タイムライン」
「プロダクション・タイムライン」の3つに分かれて楽しめる
トリビア集みたいなものなのだが、すべて英語表記なのが難点。
日本語に翻訳していないメーカーの手抜き特典。


他の特典はDVD版と同じ。

・帰ってきた伝説
・撮影スタート前
・製作日誌
・戦士のメーキャップ
・クリスタル・スカル
・伝統的な小道具の数々
・視覚効果の秘密
・撮影終了後の冒険
・接近! チーム・インディ
・プレビズ映像
・ギャラリー (静止画)
・予告編


ブルーレイ&シネマ一直線


●評点
作品:6.5
画質:8.0
音質:7.0
サラウンド:8.0
特典:8.5
総合:7.6



ブルーレイ&シネマ一直線


延期になっていたBDの廉価版リリースが決まりました。もちろん2枚組! 


インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 スペシャル・コレクターズ・エディション [Bl.../ハリソン・フォード,カレン・アレン,ケイト・ブランシェット
¥2,980
Amazon.co.jp


ペタしてね



↓ よろしければポチッとご協力よろしくお願いします!


人気ブログランキングへ


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村