3月後半から仕事や週末の雨でテニスの練習量が落ちてしまっています。

今日は午前中2時間久しぶりにレベルの高いメンバーと練習をしたのですがついていくのが精いっぱいでした。だんだん思い通りのプレーができなくなってきていますが、それでもやっぱりテニスは楽しい。

 

晩酌は掘り出し物目当てで買ったボルドーの格付シャトーのサードクラスのこちら。

 

 

COMTE DE DAUZAC 2020

(コント・ド・ドーザック 2020年)

産地 フランス/ボルドー

葡萄 カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー40%

原産地呼称 AOCボルドー

 

マルゴーにあるメドック格付5級のシャトー・ドーザック。黄色いエチケットで目を引くのでご存知の方も多いかも知れません。

このシャトーはセカンドクラスが2種類くらいあって、1年位前にその一つで3,000円台の「AURORE DE DAUZAC」は飲んだことがあって結構好印象でした。

「AURORE DE DAUZAC」までは原産地呼称はAOCマルゴーなのですが、こちらは更にお安い上代2,000円台クラス。外部から仕入れたブドウを使っているからか原産地呼称は「AOCボルドー」。AOCマルゴーで3,000円切りは見たことがないのでそこは納得。逆に言えば、ブドウは自畑に拘らず製法によって「DAUZAC」を冠するだけのものに仕上げているのかもしれないとの期待で開けてみました。

 

結論から言えば当たりでした。

骨格の太さ、確りしながらも柔らかさを伴ったタンニンの渋みと濃厚な果実味はボルドーの格付シャトーの片鱗が感じられます。ファースト、セカンドと比べるとそれらの要素は少し弱いのだと思いますが、そこそこ余韻も長くて値段を考えれば満足度は高いと思います。

 

読書の方は最近ハマっているのが千早茜。直木賞を取ったのでありきたりですが。

最初に読んだ直木賞受賞作の「しろがねの葉」も確かに良かったのですが、「男ともだち」の男性観、恋愛観、「透明な夜の香り」の独特の世界観と構成力に魅入られました。

もともと、この作家さんを教えていただいた方から当初勧められたのはこちらの「魚神」(いおがみ)。他の作品にハマってしまっていたのでようやく読むことができました。

 

 

この小説の舞台は日本にありそうながら実在しない閉鎖されかつ退廃的な架空の世界。そこで絡み合う絶望的な愛想劇という感じの作品です。この作家さんの魅力である文章を読んでいるのに視覚と嗅覚が刺激されるところはデビュー作の本作でもものすごいです。そして終盤の奔流のような展開、主人公の白亜とスケキヨが惹かれ合う緊張感がとても印象的で、それだけでなく他の登場人物それぞれの生き様死に様の描写がどれも素晴らしいです。この本は再読すると思います。

 

少し時代物の小説という要素もありながら「しろがねの葉」とは世界観が異なるので比較しながら読むのも良いと思います。