先日、ビンテージラケットとしてご紹介したWilson ULTRA2の復刻版のご紹介です。
あわせて、オリジナルとの打ち比べもしましたので、レポートします。
(復刻版)
計測していませんが、カタログで(フレーム本体)重さ340グラム、バランス310㎜とのことです。
グリップエンドが違うほか、フレームがやや角張っている点、細かなラケットのスペック説明のプリントに違いはありますが、よく似せて作られています。新しさがなければ、外見上はオリジナルと同じラケットに見えます。
(オリジナル)
記憶ベースですが、おそらく復刻版より10グラム程度重いはずです。
ULTRA2は、1984年に発売が開始され、見る限り全てSt. Vincent製(USA製はないと思います)と思われ、PRO STAFF(1985年発売開始)は台湾、中国に生産拠点が移って行きましたが、おそらくULTRA2は、St. Vincentで生産が続けられた後、廃版になったものと思われます。
ULTRA2は、PRO STAFF (St. Vincent)を頂点とするビンテージラケットブームのなかで、希少性(当初の定価6万円だったPRO STAFFよりも、定価が更に1万円高い7万円でしたので、PRO STAFFの爆発的な人気の陰に隠れてしまった感があります。その分流通量が少ないと思われます。)も含めPRO STAFFよりもプレミアム感のあるラケットと位置付けられていて、2005年のWilson社の創立記念90周年の際に復刻版が限定生産されました。(PRO STAFFは、まだ現役モデルとして中国で生産が続けられていました。)
生産数は、オリジナルの完全復刻と謳った85平方インチが1,000本、多少なりとも実使用を意識して新たに作った95平方インチが2,000本だったと記憶しています。85インチ版は、予約時に特製の木箱を付けることができました。
へそくりをはたいて、渋谷のEDDYで、グリップをFAIRWAYに巻き替えたものを確か4万円ちょっとで買ったと記憶しています。
2005年当時は、フェデラーが使っていた90インチのPRO STAFFシリーズを使っていたのですが、このラケットを買う前後に中古でオリジナルのULTRA2を2本購入し、一時期ですが「オリジナル2本、復刻版1本」を持って市民大会や草トーで戦っていました。
動機はコートで目立つラケットを使うというヨコシマなものでした。当時通っていたスクール(水曜日の夜10時に県大会レベルの生徒が集まるハイレベルのクラスで、木曜日は仕事にならなかった記憶があります)や試合会場では、名刀を引っさげた剣士のように確かに目立ちましたが、結果が伴うはずもなく、短期間でコレクション&たまに遊びで使う程度となりました。
本題の打ち比べです。
(画像の上側が復刻版、下側(乗っかっている方)がオリジナル。)
壁打ちでそれぞれ数分位ずつ交互に何度か打ちましたが、
・ボロン使用からくる打感の硬さ⇒ラケットのパワーアシストのなさ
・重さからくるテイクバックのしんどさ
は、共通です。今使っている楽にスピンがかかりスピードも出るラケットとは別次元の代物です。
重さは多少オリジナルの方がより重いはずですし、バランスは復刻版の方がトップライト(取り回しがしやすいはず)が、大きな違いは感じません。
しかしながら、復刻版より、オリジナルの方がフレームに若干の粘りを感じます。
これは、PRO STAFFが台湾製、中国製になっていった過程で見られた現象と同じで、グラファイトが安価にかつ密度の高いものができるようになり、コストダウンが図れる一方、打感が硬くなっていった(独特のしなり感が薄れていった)のと根は同じなのかもしれません。
フェイスの中心(スイートスポット)で捉えた時の気持ち良い打感は、双方あるのですが、先入観があるからかも知れませんがオリジナルの方がより気持ち良かったような気がします。(復刻版のストリングが、縦ポリ、横ナチュラルというのが影響しているかも知れません。)
復刻版は、発売当時、テニス雑誌等に大きく取り上げられ、それなりに話題になりましたが、価格が高くあまり売れなかった印象があります(特にオリジナルにない95インチは最後は安売りされていた記憶があります)が、生産本数が1,000本だけですので、やはり貴重なものだと思います。
艶消しブラックに斜めに入ったオレンジのラインが精悍さを醸し出すデザインの格好よさ(なので、上記のとおり無理に使っていたのです)は、色あせることはないです。先日、オークションで2本持っていたオリジナルのうち1本を売ってしまいましたが、この2本は、ひょっとしたら、棺桶に入れてもらうまで持ち続けるかも知れませんね。


