無理
奥田英朗の「無理」を読み終えた。
「最悪」や「邪魔」の延長で書かれたタイプの群像劇。
複数の主人公の物語が、並行して展開されて、後半で複数の物語がつながるっていう手法。
映画だと、ロバート・アルトマンの「ショート・カッツ」とかポール・トーマス・アンダーソンの「マグノリア」とかも同じ手法。
それぞれの物語が、緊張感があって、すごく面白い。
後半で、多分つながるんだろうけど、どうやってつながるんだろう?って思いながら読みすすめていったんだけど、
・・・こういうつながり方か。
うーん。
勝間和代がテレビで、この小説は「ラストが無理!」といってたけど、まあ、そういうのもわかるかな。
ちょっと無理があるつながり方。
これって、実際に起こったあの事件を下敷きにしてるんだろうな。
どの事件か書くと、ネタバレになるから書かないけど、
俺も、あの事件のことを聞いたときは、驚いて、自分の作品に取り入れられないかと考えたんだけど、
奥田英朗も同じ事考えたんだろうね。
だけど、あの事件は、事実だから驚くけど、フィクションだったら、「そんな偶然、あるわけねえよ」って言われてしまうような事件なんだよな。
まあ、でも「無理」は、読み応えある、面白い小説だった。
特に、新興宗教の主婦のエピソードが面白かったな。
関係ないけど、ついに菅さんに順番がまわってきたね。
厳しい状況だけど、頑張ってほしいです。
ヒーローショー
井筒監督の最新作「ヒーローショー」を観てきた。
ネタバレもあるので、これから見る人は読まないほうがいいかも。
「ガキ帝国」以来、よしもとの勢いある芸人を主役にすえて成功してきたので、今回もその必勝パターン。
神保町花月で僕が台本を書いた作品「恋の身代金」の主役だったミルククラウンのジェントル君も出演してる。
いろんなところで絶賛されてるのも目にしてたので、すごく期待して観に行ったんだけど・・・。
まあ、考えたら、井筒監督の作品って、いつもすごく期待して観に行くんだけど、がっかりすることが多い。
やっぱり一番面白い、というか、唯一面白いのは「パッチギ!」だと思うけど、これも、みんなが絶賛してるのはちょっと納得いかない。
シナリオにはいっぱい欠点があると思う。それはまたそのうち書きたい。
で、「ヒーローショー」。
これは、何がいいたいのかわかんない。
面白いのは前半の暴力がエスカレートしていく過程。
そのあとは、ほんとつまんない。
そのあと後藤の好きな女に子供がいて、なんてどうでもいいよ。
人を殺してるのに、そんなことしてる場合か?
福徳の方は、単に巻き込まれただけで、何も行動を起こさないので、「こいつ、何がしたいの?」って思う。
そもそも、お笑い芸人でM‐1グランプリで優勝を夢見ているという設定だけど、その設定、まったく生きてない。
もう一度コンビを組もうと誘ってくれた先輩芸人が殺されてるのに、ただ、最初から最後まで、逃げてるだけ。
結局最後まで、何も行動を起こさないので、まったくカタルシスは生まれない。
「パッチギ!」には、まだカタルシスがあったのに。
タイトルの「ヒーローショー」っていうモチーフも、まったく生きていない。
普通に考えたら、クライマックスは、「ヒーローショー」のシーンかM-1予選のシーンにして、福徳の成長を描いって、そこでも喧嘩になって~ってのが盛り上がる構成だと思うけど、この脚本家は、あえてそれをはずしてるとは思えない。単にそこまで考えがいたってないんだと思う。
あと、音楽のセンスと笑いのセンスがダサい。
ジャルジャルは、すごい才能があると思うので、なんか、もったいないなぁ。
フランキー!
今日は神保町シアターに「喜劇 男の泣きどころ」を観に。
フランキー堺主演、瀬川昌治監督。
まあ、いわゆるプログラムピクチャーのお色気喜劇。
やっぱ、こういうの好きだな。
フランキー大好き。
あと、大地喜和子、藤岡琢也とか、魅力的な喜劇俳優がいっぱい出てる。
藤岡琢也も大好きだな。
こういう俳優って、なんで今いないんだろうか。