いらっしゃい
皆さんいかがお過ごしですか
今回ご紹介する映画は、『ジョー・ブラックをよろしく』です。
人間界を見物しに来た死神が、人間たちに「生の意味」を教えられます。
そして…感動的な名言の数々に胸が震えます。
名優アンソニー・ホプキンスの素晴らしい父親像に感動し。
若さ溢れるブラッド・ピットとクレア・フォーラニの演技にときめく秀作です。
ジョー・ブラックをよろしく(1998年)
監督/マーティン・ブレスト
主な登場人物
ジョー・ブラック/コーヒー・ショップの青年 ブラッド・ピット
ウィリアム“ビル”・パリッシュ アンソニー・ホプキンス
スーザン・パリッシュ クレア・フォーラニ
ドリュー ジェイク・ウェバー
アリソン・パリッシュ マーシャ・ゲイ・ハーデン
クインス ジェフリー・タンバー
コーヒー・ショップでスーザンと知り合う青年(ブラッド・ピット)
彼はスーザンと出会った直後‥事故に遭います。
死神ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)
事故に遭った青年の体を借り人間界に訪れます。
ビルの愛娘スーザン(クレア・フォーラニ)
コーヒーショップで青年と知り合います。
ビルことウィリアム・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)
ニューヨークでメディア会社を経営している大富豪。
愛称はビル、誰からも愛される人情味のある大物です。
ある夜、ビル(ウイリアム・パリッシュ)は、不思議な体験をします。
どこからともなく…自分に話しかける声が聞こえます。
そして・・・
その声から、自らの人生に終わりが近づいていることを告げられます。
翌朝、父ビルと娘スーザンはヘリで仕事に向かいます。
(移動はヘリさすが大富豪です)
ビルは「恋人を愛しているか?」とスーザンに問いかけます
素っ気無い反応をするスーザンに対して・・・
・・・・・・・スーザンは、何か言おうとしますが、
結局は静かに受け入れます。
こんな素敵な提言に、返す言葉などあるのでしょうか。
↑
ブラピ
その日、スーザンはコーヒー・ショップで一人の青年と出会います。
最近この街に越してきたと話す…彼の気さくな柔らかい魅力に
たちまち惹かれてしまいます。
そして…お察しの通りひとめぼれです
この別れ際の、悩ましいまなざしをご覧ください。
念のため…背中はブラピです
↓
出会い I Like You So Much・・・
I Like You So Much.とお互いに、思い切って言ったものの・・・
また会う約束をすることもなく、連絡先を交換する事もありません。
それぞれの想いを胸に秘め、二人はコーヒーショップを後にします。
まぁ…考えてみれば、こんなキラキラした男が
目の前でほほ笑みながら、I Like You So Much.
と言った日にゃ~~!! メロメロにもなりますわよね。
その夜、家族と共に食卓を囲むビルの耳元に
再びあの声が聞こえます。
「私に会えるよ、ビル・・・」
その声に導かれるように、ビルは突然の訪問者を招き入れます。
なんと…その男はスーザンがコーヒー・ショップで出会った彼だったのです。
「死期が近いのか」 ビルが心の中で問いかけると
彼は「イエス」 と答えます。
コーヒー・ショップでスーザンと知り合った青年の体を借り
ビルの前に現れた死神が…この世の案内役を頼みます。
交渉は成立し、ビルは彼をジョー・ブラックと名付けて
家族へ紹介します。
昼間、会った時とは…全く別人のようなジョーを見て
初めは困惑していたスーザンでしたが・・・
ジョーの…どことなく、人間離れした不思議な魅力に惹かれ。
そこで、ようやく彼女は気づき始めます。
この想いこそが父の語ってくれた情熱、愛なのだと・・・。
ところで…肝心のジョーは、と言うと…
人間界に興味津々です。
何もかもが初めて、知らないことだらけで。
幼い子供があれなぁに? これなぁに?
と質問攻めにするような感覚と似ているのではないか…と思います。
ピーナッツバター
人間界の至福と言えば・・・まずは、なんと言っても「食」でしょう。
スプーンまで食べちゃいそうな勢いですね。
だけど…ピーナッツバターよりも…もっと甘美な物、それは
スーザンからの・・・May I kiss you?
先ほどもお話した通り
「人間界を見て回りたい、しばらく猶予をやるから
人間の世界を案内してくれ!」・・・だなんて、
考えてみれば、相当に厚かましくて、
自己チューな死神ですよね。
だけど、ズルいと思いませんか?
ブラッド・ピットが死神だなんて。
こうなっちゃうのも計算の内だったのかもしれませんね。
監督の狙いは、バッチリとストライク・ゾーンに入ったようです。
この映画は、家族を想う家長としてのビルの愛情と
死神の心をも、変えてしまうほどの、熱い想いが
テーマになっている物語だと思います。
なんと言っても、アンソニー・ホプキンスの存在が大きいです。
※アンソニー・ホプキンスは『羊たちの沈黙』(1991年)で
レクター博士を演じ、アカデミー賞、主演男優賞を受賞しています。
演技と言うものは、絵空事であって、
その要素は全てシナリオの中にある
と言うのが彼の持論だそうです。
例えば、リアリティーを追求しながら、役を作り込んでいく
ロバート・デ・ニーロやダスティン・ホフマンたちとは
真逆のタイプの役者であるとも言えるでしょう。
しかし、持論は違えども、
どなたもずば抜けた表現者であることは間違いありません。
愛の本質とは、奪うことではない。