流通ジャーナリストの金子哲雄さんが「肺カルチノイド」でお亡くなりになられたのを覚えている方も多いのではないかと思います。
彼の闘病記から死ぬまでを綴った「僕の死に方」を友達が読んで「日本の医療の在り方や、自分の死に方など考えさせられた…」と言っていたので本を借りて読んでみました。
彼がTVに出ている頃は舌っ足らずのような早口のしゃべり方で変った人だなぁ~
くらいの印象しかなかったのですが、激痩せして行っている様子をTVで見ていて「ダイエットしているんです!」と笑って答えていたのを鮮明に覚えているぐらいの…激痩せ!
そしてその数ヶ月後の…訃報の知らせにビックリしました。
私もこの本を読んで考えさせられました…
彼が長く続く咳に受診をした時には...時すでに遅し…
大学病院などの大病院は『治癒率』と云う事を一番に考えるので、治る見込みがまったくない患者さんには取り合ってもくれないらしく、何軒も何軒も梯子をしても「緩和ケアを…」と治療すらしてくれなかったといのです。
目も見てくれずに淡々と確実に迫る死を宣告され「うちでは無理です…」と断れ続けたなんて...
患者さんを人間ではなく「もの」としてしか扱ってくれない現実に病気を抱えながら直面したそうです。
そんな中、大阪でやっと彼の治療をしてくれる医師と出会います…
その病院は「大阪ゲートタワーIGTクリニック」
院長である堀信一先生に「咳お辛かったですね...」と云ってもらえた時に彼は一縷の希望を見出します。
この辺りで私も号泣…
一次的に回復して「このまま行けるのかも…」と云う状態にまでなって行ったのに、とにかく仕事をし続けた事が仇となって体力をどんどん消耗して行ってしまったようです。
大した事がない時は必要のない薬まで出して過剰にケアするかと思えば、死に直面しているのに手を差し伸べない… 本来ならこんな時にこそ過剰なまでのケアをして欲しいのに…
医療現場には医療現場の厳しい事情があるのだと思うけど…
非常に考えさせられます…
この本は今の医療の問題、自分が死に直面した時のあり方、そして夫婦愛…
色々考えさせられる本でした。
最後の奥様の「あとがき」を電車の中で読んでしまって…大失敗。
涙があふれ出ちゃって…
お読みになる方はエンディングパートは是非お家でお読みください。
心より金子哲雄さんのご冥福をお祈り致します。