手を振ると 手を振りお返してくれた おばあちゃん
うん
今日は 調子がいい
歩いて15分ほどの 大きな公園で のんびり 好きなお饅頭を食べながら
「人生 あとちょっとしかない」と おばあちゃん
「そうだねえ
あとちょっとしかないねえ」
「私も おばあちゃんと20歳くらいしか変わらないんだから
私も あとちょっとだよ」
「人生って早いね
あとちょっとなら 楽しく生きよう!」
と応えてみた
何だか心が通じ合えた気がした
認知症の おばあちゃんと “人生って”なんて話をするなんて思いもしなかった
今日は 帰りを気にしている おばあちゃん
「友だちと ご飯を食べる約束をした」と
「出発して すぐに Uターンって言われたときは びっくりした」と次男くん
「大丈夫だよ まだ お昼過ぎだから大丈夫だよ」
と次男くんに言われて 少し安心したようだけど
一緒にご飯を食べるのが楽しみというより
遅れたら大変と 心配性が勝ってしまっているように思えた
これ以上 “心配性発動”しなくて良かった
やっぱり
今日は 調子がいい
老人ホームに帰ると
玄関先で
デイサービスに通っていた時に お世話になった介護士のお姉さんに ばったり会った
おばあちゃんを「~さん」と 下の名前で呼んでくれる
「外出 良かったですね」
「~さん」と 名前を何度も呼んでくれる
「気分転換になって いいですね」
少しかがんで にこやかに 話しかけてくれる
認知症老人に 丁寧な言葉づかいで話す介護士さんに心温まる思いがした
お友だちのことを気にしていたのに
帰り際は やっぱり寂しそうだ
でも 老人ホームを お友だちのいる場所として認識していることに
少し ホッとした
今
「笑って~」と言って 私も笑いながら撮った
笑っているようにも 叫んでいるようにも見える笑い顔の写真を見て
「人生 あとちょっと」
と言った おばあちゃんが恋しく 急に悲しくなった








