プチプラ浴衣をカスタマイズする後半です。


前半はこちら




③衿の中

衿がふにゃふにゃしているとお寝巻き感というかお風呂上がり感が強いくなるように思います。

最近は衿芯を入れる方も多いようです。


そこで、三衿芯を入れてみました。

(久しぶりに和裁用語を出した気がします。)

三衿芯とは衿中心あたりの衿肩あきのあたりにはさみこんである布です。



衿の中の余っている身頃やおくみは丁寧に整理されて衿の中に収まってます。ですが前側にばかり畳まれ、中央の衿肩まわりには布が少なくなります。そこの段差を埋めるものが三衿芯です。


芯といっても特別なものではありません。晒しを切ったものでいいのです。


着物の衿の中には布がたくさん折り込まれているため、とてもしっかりしています。


多くのプレタ浴衣では折りたたまれるはずの前身頃は切り落とされています。

今回も同様でしたのでそこに布を足しました。



もし棒衿だったらバチ衿に直してもいいかもそれません。今回はちゃんとバチ衿だったので布を足した後、元通りに縫いました。




写真には違いがわからなかったかもしれませんが、とても着やすくなりました。衣紋がしっかりと落ち着くし衿に厚みがあるのでへこんだりもしません。


プラスチックの衿芯を入れるとカチッとしすぎるけど中心がへこむのが気になるときは三衿芯を入れてみるのもオススメです。



後ろ姿の写真はアフターです。実際には修正する前は衿は薄く若干ふにゃっとなっていましたがのりがきいているため写真ではよくわからないため、もう並べるのはやめました。



安く買った浴衣ですが、それなりに良くできていて浴衣としては十分なのかもしれません。


特筆すべき点は柄合わせです。

この浴衣は広幅の生地から作られてあますが、一見すると反物を柄合わせしたように見えるのです。


柄の合わせ方はいろいろな考え方があり一概に良し悪しが言えるものではおりませんが、柄合わせしてあるか、ないか判断できるものが多いです。

(ちょっと矛盾して聞こえるかもしれないですが、そうなんです。)


生地のチョイスもいいです。



変わり織になっており、白い丸の中が特に透け感があり涼しげです。


実際、この浴衣、とても気に入っています。

反物では買わないであろう柄だし、遊びに行きたいと思わせてくれる浴衣です。



確かに伝統技法のいい染めのいい生地の浴衣は欲しいです。本当に欲しい。でも、こちらはこちらの良さがあります。

私は欲張りなのです。


来年こそ反物を水通しして縫うぞー