言葉の海が気になる 『舟を編む』三浦しをん著 | e-julian let-it-be

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日々、徒然なるままあるがまま。



今年の本屋大賞1位。

そして、どこの本屋にも「私はここよ」
と盛大に自己主張しているこの『舟を編む』。

ネット上にも書評はあふれているはずなので、内容は省くが、
自分もがんばろと思える1冊なのは確約。

入院していた父が退院して、
面白かったと私にくれたのが読むきっかけでした。

うん。面白かった。

時間をかけて、仕事も人との付き合いも丁寧にやることの意義を
高揚感をもって実感できます。

個人的には個性的な中心人物の一人である、まじめ(馬締)くんが、
最近私から距離を置きたいと宣言してしまった男性に
何となく雰囲気似ていて心を波立たせる。

そして、装幀に注目!

辞書を模したような落ち着いたカバーだけど、
カバーを取ると表紙は漫画。

それはさておき、作中編まれる辞書「大渡海」の装幀を
『舟を編む』は呈している。

カバ―:夜の海のような濃い藍色
帯と見返し:月光のごとき淡いクリーム色
花布:夜空に輝く月の銀色
銀色の題名、波のうねり、古代の帆船、三日月・・・

これ、紙の本だからこその芸術。

「大渡海」のモデルは、きっと明治の読める辞書『言海』ですよね。
すっかり忘れてたこの復刻版、読んでみようかなぁ~。


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