身内の相談事を、他人の青葉に話して良いものか迷う。

 いくら親しくしてもらっているからといって、そこまでさらけ出して良いものなのか、と。だが同時に既に身内同然なのに、今さらそこで他人行儀になるのも、とも思う。

 それに。

(星良が言わずにいるのに、)

 それを私が口にして良いものなのか。

 ぐるぐる、ぐずぐずと決められずに口を開くことができない。

 青葉なら、頼めば誰にも言わずにいてくれるだろう。しかし青葉に口止めをするのも躊躇われる。

 そうしてずるずると言葉を繋げられない。

 青葉は私が口を開くのを待っている。

 待っているから。

 私は益々、迷って口が重くなる。彼の負担になっていることを申し訳なく思う。

 情けない。

「情けないって何でだ?」

 青葉がきょとんとした目で見ている。自分の口をついて出てしまっていたことに気付かなかった。

「自己嫌悪に陥るようなことでもあったか?」

 それは何だ、と問い詰める。

 青葉の目が真剣で、私は漸く話す気になった。

「星良に、会って欲しいひとがいるって言われた」

 一度、堰を切ってしまうと止まらず、私は 青葉に全て話してしまう。

 会って欲しいひとがいる、と言われたにもかかわらず保留にしていること。どう感じれば良いのか判らずにいること、会うべきか迷っていること。

 洗いざらい話して、もう何も出て来なくると喉の渇きに気付き、冷めたコーヒーを飲み込んだ。

 冷めたコーヒーは酸味が強かった。私は酸味の強いコーヒーは少し苦手だ。

 青葉は私が話し終えるのを待っていた。時に、促すように言葉を挟んだが私の言葉に耳を傾けていた。