目の前で店の灯りがいくつか落ちる。

 カランとドアが開いて男が現れる。

「尚真さん、」

 彼は「遅かったな」と柔和な笑みを浮かべる。

「閉店時間だ」

「あ~。残念!」

 律樹は大袈裟に言う。間に合わない可能性など重々、承知だろうに。

 看板を店内に入れようとしている尚真に「おれがやります」と、看板を奪う。

「そう? 助かる。最近、腰が痛くてさ」

 尚真は俺と律樹を店内に入れると「CLOSED」と書かれた札を掛けた。

「今日は割と暇だったから、バイトさんに先にあがってもらったの」

「だから一人なのか」

 雇っているアルバイトが数人いるはずだ。

 数人と曖昧なのは、身内がいるからだ。

 俺の末弟をアルバイトとして使ってもらっている。

 やんちゃが過ぎるので更正を兼ねて尚真に預けている。