秋平は窓の外に視線を移す。

「あの日も、こんな風に好い天気だった」

 彼女は首を傾げる。

 秋平は呉羽に視線を戻す。

「対戦した日」

 そういえば、芦田も同じように言っていたな。

「それが?」

「あの日、黒浜は笑ったんだ」

 呉羽は戸惑っている。視線で芦田に尋ねるけれど彼も首を振る。

「黒浜は呉羽にマウンドを預けた時、天を仰いで笑ったんだ」

 呉羽は相変わらず戸惑う表情を浮かべていたけれど、芦田にはピンとくるものがあったらしい。

「無期限の部活停止は、実質的な廃部だ」

「そんなこと、」

 秋平は否定しようとした僕を見て、微笑んだ。

 僕は黙らざるを得ない。

 歯噛みする。

 そんな表情を僕に、僕にまで浮かべてみせるのが悔しかった。

「チャンスは後2回。春を入れて3回」

 芦田が頷く。

「たった、それだけしかなかったのに」

 秋平が表情を歪め、肩を震わせている。

 俯いて口を閉ざし、肩を震わせている。