宮治はまた「静矢」と俺を呼ぶ。

 落とした視線を上げる。当たり前だが宮治の顔がそこにある。

「何?」

 声が掠れる。

「次の試合はいつだっけ?」

「え、あっと……」

 反応が遅れる。

 俺が日付を伝えても「ふぅん」と気のない相槌だ。本当は興味が無かったのかもしれない。

「平日じゃあ観に行けないな」

 俺は思わず宮治を見つめた。彼の口から、そういった類いの言葉を聞いたのは初めてではないだろうか。

 宮治は俺の視線に「なに?」と怪訝そうな顔。

「みや、観に来る気があったのか?」

 俺の問にムッとしたようだ。

「友達の応援に行かない程、薄情に見えるの?」

 口唇を尖らせている。

「それとも来て欲しくないっての?」

 俺は慌てて否定する。来て欲しくないわけはない。

 けれど、宮治が応援ベンチにいる姿が想像できない。