宮治の窺うような視線に「耐えられないから」と答える。

「静矢も?」

 俺は頷いて思っていることをそのまま伝えた。

 俺がユキなら、同じ場所に立てない己が悔しい。

「勝つ姿も、もちろん負ける姿も。それも俺以外の相手に負けるなんて、許せない」

 宮治は「ふぅん。そういうものか」と納得したのか否かイマイチ解らない反応だ。

「それに、」

 つけ加えようとした言葉が弱気だと自覚して口を閉じる。

「それに?」

 宮治が聞き返すので「何でもない」と首を振る。

(負ける姿は見られたくない、なんて)

 負けると思っているってことだ。

 勝てないことに保険をかけているようで、あざとい気がした。

(ユキと対戦することはない)

 ないけれど。

 否、むしろないからこそ。

 俺は、勝ち続けなければならないのではないか。