伊勢くんは「逆でも、同じ」と言い切る。
「もし転んだとしても、やっぱり手を貸さないだろう。お互いに、」
彼は躊躇うように言葉を切る。否、私の様子を伺っただけかもしれない。
「お互いに相手が立ち上がるって、信じている。解っているっていうのかな」
知っているんだ、と呟く。
「互いに相手がどうするのか、知り尽くしている」
そういうことだよ、と彼は私に教える。
「恋愛感情とは思えないけれど、」
これは前置き。
「あの二人の間に入れる人がいるかな?」
耳鳴りがする。
疑問形だけれど、私の答えなど期待していないだろう。
「本当に、解っていた?」
彼の言ったことが谺する。