俺は「アホって」と抗議する。

 彼は、けろっとした顔でグラスの中身を半分にした。

「今更だろ、そんなこと」

 呆れたように言われてしまう。

「子供なんて無邪気で純粋だからこそ、残酷なんだ。そうやって加減を覚えて行くんだ」

 友人は矛盾しているようなことを言う。

(そういえば、そんな詩があったな)

 有名な詩人だったと思ったが。教科書に載っていたと思ったが、何という題名だったかな。

「しかも。お前の生徒ったら、高校生だろ?」

 そんなの、と友人の口調は強い。

「高校生なんて、子供と大人の中間点じゃあないか。子供のような真っ直ぐさで、大人のように物を見ている」

 そんなこと、と友人の目は鋭い。

「そんなこと、判っていただろ?」

 友人は「忘れていたのか」と問うた。