どんな思いで、嶋木は本物の日記を読んだのだろう。

 どんな思いで、偽物の日記を作ったのだろう。

 嶋木は、私が唯との約束を破ったことを知っている。一度も、口にしなかったけれど。彼は、知っている。

 そして、それを決して忘れないだろう。

 忘れないことで、彼も私を許さない。

 私を許さないことで、嶋木は、彼自身を許さないのだろう。

 唯に対する、後ろめたさや後悔。嫉妬や喜び、全てに折り合いをつけるのだろう。

 そうやって、嶋木も生きてゆくのだろう。

 私は立ち上がる。

 テーブルの上を片付けると店員が「恐れ入ります」と晴れやかな笑顔を見せた。