「さようなら」

 小さく告げる。

 嶋木と私は、今回のことがなければきっと、出会うことはなかった。

 嶋木は、嶋木と唯のつながりを保ったまま。私は、私と唯のつながりを保ったまま。交わることは、きっと。

 きっと、ない。

 このまま、交わることのない関係に戻った方が、お互いのためだ。

―そうやって、自分を許さないんだね

 私の言葉に対する、嶋木の言葉。

 けれど、それは。

(そう、私は私を許せない。けれど、それは、)

 貴方も同じでしょう?

 嶋木は私を許さない。

 私は、鞄の中から日記を取り出す。持ち続けたままの、偽物の唯の日記。