唯は、溶けるアイスも気にせず話続けた。

―誰にも言わないでね、

 繰り返される言葉。

 私は唯の手につくバニラアイスが気になって、とりあえず「言わないよ」と答えていた。

―優秀な人らしくて、だから、

 親戚たちも言っていた、と続ける。

―会ってみたいと思っていた

 唯の笑顔が歪む。泣きそうに見えて、私は、見えないフリをした。

 唯が、気づかれないことを望んでいると思ったから。苦しいと、悟られまいと作った笑顔だと思ったから。

 私に言えることなど、ないと思った。

 甦る。それは、鮮やかに。

 ひとつ思い出すたびに、また別の記憶が甦る。