「さよなら未来」95―雨だ、 後から。あとから、込み上げてくる。 がくがくと震える。かちかち鳴る歯を止めようと、くいしばろうとするけれど。歯の根が合わない。「ゆい、」 顔を覆う。 思い出す唯は、いつだって笑顔で。 笑ってばかり。 たいした話でもないのに、毎日、面白おかしくて。いつだって、友人たちや私とケタケタ笑っていた。 特別でも何でもない。そういった日常の中。当たり前に来て、去ってゆく日々。 それが、掠れてゆく。 雨は強さを増す。煙って、視界を覆いつくそうとしている。