「今の子たちは、」

 電話は終わったらしく、嶋木が戻ってくる。

「今の子たちは、友達?」
「そうです。学校の」

 友達です、と答える。

「そうなんだ、」

 嶋木が、友人の消えたエスカレーターへと視線を注いでいる。

「嶋木さんのことを、」

「え?」

 言いかけた所に電子音。私はジェスチャーで出るよう促す。

「ごめんね」

 嶋木が慌てて立ち上がる。

(ずいぶん若い着信音ね)

 クラシックでも使っていそうなのに。明るいポップなメロディー。

 私でも知っている音楽。

 心の中でリピートする。
(誰の曲だっけ?)

―DELYCOっていうの

「え?」

―DELYCOっていうの、良いでしょう?