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Juliwolfmunのブログ

腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
ここのサイトの作品は、二次創作であって、出版社様・原作者様とは全くもって関係がございません。

気がついたらこの村に流れ着いていた。ここの領主らしき人物の使いのものにどうやら拾われたらしい。
世話をしてくれた看護師のおねぇさん曰く、一年以上眠り続けていたんだと。
このまま意識が戻らないならば、施設に送ることも検討していたと言われて
「まるで聞こえてて慌てて目覚めたような感じでしたよ」
と笑いながら言われた。

「ところでさ、今はいつなんだろうか?、」
「今はあの星の災害から5年近くたっていますよ。少しお聞きしてよろしいですか?」
「なんなりと」

俺は聞かれたことに素直に答えた。星の災害ってなんだ?全くわからない。

「なあ、看護師のおねぇさん!星の災害ってなんだ?」
「えっ?ああ、星の災害って言うのはーー」

ふーん、この星が消滅するような出来事があったのか。驚くことにその原因になったのが、セフィロスだって言うじゃないか。
もっと驚いたのが、見せてくれた資料に俺が命をかけて守り通したアイツが写っていたことだ。

「これは誰だ?」
「この星を救った英雄たちです。まあ直接会ったことはありませんが、元アバランチという反神羅のテロリストたちだったんだけど、結局この星を守ったって事です。うちの村民たちも大ファンなんですよ。」
「へぇ、凄いな」

アイツが英雄?この星を救った?あの弱くて、庇護感溢れてたアイツが?
よかった…なんの接点があってアバランチなんかに入ったのかは知らないけれど、無事生きててくれた。
それだけで俺は満足だ。

「ザックスさん、明日からリハビリ頑張って貰いますね。」
「リハビリ?」
「ええ、ここのお館様のご命令です。あなたソルジャーだったんでしょ?だからじゃないかしら。お館様、私設軍作るみたいだから。」
「拒否権は?」
「ザックスさん、あなたお館様に助けてもらったんでしょ?あるわけないわね」

助けて貰ったことは感謝してるが、また縛られるのは勘弁だ。隙を見てここから逃げる事を考えた方が良さそうだ。

「わかった、明日から頑張るよ。誰だっけ?そのお館様?」
「カーフィ・ブレンディ様です。」

ブレンディ?なんか聞き覚えがある…。追い出した、昔神羅の御機嫌伺いのパーティに毎回出席していた奴か。
社長は嫌ってたっけ?胡散臭いと。

「ザックスさん、着替えは終わりましたか?終わりましたら車椅子に腰掛けてください。」
「?」
「今からお館様に面会です。あなた幸せですね、めったに会えないんですよ。」
「へぇ」

長い廊下を看護師と共にたどり着いた先は、古い洋館の応接室だった。

「失礼します」
「はいれ。」

中には、執事が1人とSPが2人。そして奥のソファにふんぞり返って腰掛けているのがブレンディだな。

「よく来たね。お前は退室して外で待っていなさい。終わったらまた呼ぶ。」
「はい」

看護師はしずしずと退室していった。それと同時にSPの二人も退室。
部屋に残されたのは、執事と領主、そして俺の3人だけだった。

「つらい所などないか?」
「いや、特に?そうだ、とりあえず拾ってもらって治療までしてもらったことに関しては感謝する。」
「いや気にするな。君の事は少し調べさせてもらった。神羅に追われてていたみたいだな。」
「ああ」
「君は知らないだろうけど、あの世界一の規模で国をも凌いでいた神羅も、今は昔の規模の会社ではない。
で、うちにもあそこで働いていた医者達が何人かいてね、そのもの達に君の状態を隅々まで調べさせてもらった。」
「っ!」
「ザックス・フェア。君のジェノバ細胞は既に三分の一に消滅しているという結果が出た。まあ、君を生かすためだろうな。」
「前ほどのソルジャーの能力ではないと?」
「簡単に言えばそうだな。しかし、その戦闘能力は捨てがたい。実はな、うちにも小さな私設軍があって、体調が回復次第そこで頑張ってもらおうと思ってる。その中にも何人か元ソルジャーがいるんだが、そいつらを鍛え直してくれれば…」
「戦いはイヤだね。見る限り平和そうじゃないか?」
「君には拒否権はない。看護師に聞かなかったか?これは命令だ。その代わり君の望むものは殆ど与えよう。地位か?名誉か?金か?住処か?それとも女か?」
「どれもいらねえ。恩を仇で返すような真似はしねえから安心しな。ただ、状況が落ち着いたら俺は人探しに旅に出る。それだけは許可して貰えれば…それが俺の条件だ。」
「ああ、それと金は…多少のギャラは出るんだろうな?」
「ああ、生活に困らない程度には出すつもりだ。しかし、それも身体が動くようになってこそだ。早く動けるよう、リハビリに精を出すんだな。」

それっきり、言いたいことは言い切ったのか、下がっていた看護師に俺を病室に連れていくよう指示を出していた。

帰りの道すがらいろんな情報を聞き出すことが出来た。驚いたのは、この看護師があのブレンディの娘だとは!!あの食えない狸親父からこんな可愛い子が出来るなんて、青天の霹靂だ。
そういやさっきの条件に女が入っていたな…
あの親父、娘を俺への駒にするつもりかよ!権力に魅入られた奴の考えなんて理解出来ねえな。

取り敢えず自分の身の回りくらい自分で出来るくらいにはするか…当面の目標はそれだな。そしてアイツを探し出さないと…

***
俺が目覚めてもう5年になる。あの丘で俺が一度死んでから10年近く。
さすがの俺も年は三十路を超えて33歳だ。肉体的にも今がピーク何じゃないかと思ってる。

リハビリを始めた当初は、手足が重くてえらく苦労したが、今では殆ど元通りーーとはいえ、ソルジャーだった頃とは全く違うが、俺はこっちの方がいい。あの頃は文字通り"バケモノ"じみていたからな。

ブレンディの私設軍も、ここ数年で拡大してきて俺はそこで切込隊長をやっている。
こうやって身体を動かしているのが一番イイ。余計な事考えなくて済むから。
あれから、結構な数の元ソルジャーが連れてこられていた。
その中には昔なじみの顔もチラホラ見かけたが、中でもカンセルがいた事には驚いた。
何でもデーターの扱いが出来る諜報員として雇われたらしい。
昔と違って今の戦いは、肉弾戦だけではない。最も重要視されるのが人海戦術で行われるスパイ活動。
相手の懐に潜り込んで内部から叩くという方法が主流だ。俺もその戦術をトコトン教えこまれた。
相手を欺く方法もな。思ったより覚えが早くあんな馬鹿でかい剣を持って闇雲に戦うより向いてるんじゃないか?と思ったぐらいだ。

ここの村は、神羅にぶっ潰されたり(まあ俺達がやったんだが)、復興のために土地が無くなり村に入れなくなったりした人々が、新天地を求めて集まって出来た村だ。
いや、俺が来た頃は村だったが今では街と言ってもいい程発展してきている。
それに伴いブレンディ家の力も肥大していってるわけで、人間って結局力なんだなと思わせた。
その肥大した力で、老人以外の村民は殆ど全て兵士という、この平和を取り戻しつつある世界には似つかわしくない仮面村が出来上がったのだ。

まあとにかく面白おかしく、また与えられた人生を謳歌していたわけだ。
あの日まではーー

***
朝、その日の訓練の準備を隊員たちと整えていたら、本部から一枚のFAXが回ってきた。WROという機関が調査の為にこの村にやってくると、それも一月近く滞在するらしいとの事だった。
村で唯一の宿屋(実際はブレンディ隊の本部)を客人に提供するために、偽装するようにと命令が下った。

"決して本来の姿を見破られるな"と。

今までも余所者が入って来ることはあったし、この村が気に入ればそのまま移住という形で住み着いた奴もいた。
なのに、今回はえらく上が警戒している。
不思議に思った時はアイツに聞くのが早いと、俺はそいつを探して回った。

カンセルは木陰で端末タブレットを何やら難しい表情で弄っていた。

「おい、カンセル!」
「おいって!」
「うるせーぞ、駄犬」
「誰が駄犬じゃ!ってお前何してんのよ、珍しく真剣な顔して」

カンセルは端末から目を話さないで聞いてきた。

「おかしいと思わないか?今回の処置」
「ああ、俺もそれを聞きに来た」
「ほー、まあいい。それをちょっとな調べていた。そうしたらわかったぜ。」
「なになに?」
「今度調査に来るWROの正体。星の危機を回避するなんて大層な事言ってるが、なんてことは無い、最大の出資者はルーファウス・神羅だ。」
「え?坊ちゃん?」
「ああ、そうだ。要はWROなんて仮面かぶってるけど神羅だ。」
「なるほど、カーフィが警戒するわけだ。」
「神羅はソルジャーの体内からジェノバ細胞を取り除く技術を開発したらしい。保証のための査察に被せて元ソルジャーに声をかけて希望者のジェノバ細胞を取り除いていると書いてある。」

「ほう」
「ソルジャーの強さを本当に知っているのも、そして危険さを知っているのも神羅だからな、まあ当然だろうな」

まあそれだけじゃないだろうな。昔ほどの統制力を無くした神羅にとって、ソルジャーをそのまま放置しておくのは得策じゃないだろう。またセフィロスのような奴が現れないとも限らない。
だからコントロールしたいのだろう。

俺はもう懲り懲りだがな。
それにしては100人近い人数で来るとは、それだけじゃないな、なにかある。
こっちと同じように一調査員を装い、カームを襲ったと聞いたディープグラウンドソルジャーなる者を送り込んで来る可能性も少なくない。
いや、絶対あるな。
ソルジャー1stを凌ぐと言われるDSか…

「ホント碌な者作らないな、神羅は」
「ん?ディープグラウンドソルジャーの事か?まあ、あれは俺たちソルジャーが不甲斐なかったから、ルーファウス坊ちゃんの肝いりで宝条博士が作ったものらしいしな。今までのソルジャーとは作りが違うらしい。驚くことに、女もいるらしいし。年を取らないんだそうだ。」
「クソだな」
「言いにくいがな、ソルジャーと一般兵一人で実験して成功したと、元研究員に聞いた。」
「正真正銘のバケモノだよ。噂によるとあの英雄さんより強いらしいしな。」

タブレットを閉じながら、カンセルが真面目に言ってきた。

「まあ気をつけようぜ。俺たちは神羅にいたとはいえ今は神羅に忠誠を誓っているわけじゃねえし、今の生活になんとなく満足してるんだよな、俺は。」
「ジュリアもいるしな?」

カンセルをからかいながら、本部詰所の方に戻っていきしなに道の橋に黄色いたんぽぽの花が一輪咲いていた。
ここの環境も良くなってきたんだなと、その力強く咲いている花を見て感慨深い気持ちになった。

そして運命の日がやってきたーー

***

青く雲一つない空に、WROのロゴが入った飛行艇が現れた。地上からは何台ものの輸送車が隊列を作って、この静かな村に押し寄せてきた。
文字通り押し寄せてきたという感じなのだ。村人達に緊張が走る。
朝早くに各班の長に「これも訓練だと思え」と激を飛ばしてはおいたが、これだけの隊列を見ると不安にかられてしまう。
カーフィは事業縮小したと言っていたが、縮小どころか勢力を増している。神羅の名前は確かに消滅しつつあるが、名前を変えただけだと伺える。
これは気を引き締めてかからないとヤバイな。

俺たち元ソルジャーは、なるべく表に出ない方が良さそうだとカンセルと話し合い、影で成り行きを見守っていた。

カーフィが代表として前に出る。
黒塗りの車から出てきたのは、タークスのツォンだ。

(何が平和的視察だ?あいつまでやって来てそりゃないだろ?)

「あなたが代表者ですか?」
「はい」
「お世話になります。これが今回の事業計画になります。一通り目を通して疑問点は質問するように。前に送った物と同じ内容ですが。」
「それと、この村に我々の兵隊であったソルジャーがいると聞いたが、その者達に会わせて欲しいのだが?」

その言葉にギクリと身体を震わせたのをツォンは見逃さなかった。

(あーあ、あれじゃバレバレだよ。あいつを誤魔化すのは難しい)

「何故?」
「ああ、そんなに緊張しないで欲しいのだが。ご存知の通り今現在魔晄の採取は法律で禁じられていて作成もままならない。彼らの身体は特殊で魔晄が足りなくなると、暴走を始めることがある。それを回避するために、WROでは元ソルジャーに施術を行い元の体に戻す事業を行っている。その細胞の量が少なければ、飲み薬を何ヶ月か続けるだけで済む。まあ本人の同意を得てですが、そのためにも面談をしたいのだが…」
「わかりました。確認して後で伺わせます。」
「ではよろしく。」

***

ーー
ブレンディ家の応接間
ーー

「なんだあれはっ!!」

手にした契約書をテーブルに叩きつけ、怒りに任せてソファーに座ったからか、ソファーがミシリと軋んだ。
少し痩せればいいのに…と口の中で言葉に出さずに呟く。

「保障のための?どう見てもそうは見えねえだろ!なんだよあの大軍は!あれじゃまるでこの村を乗っ取ろうとしに来ているようにしか見えないではないか!」

(まあそうだよな、珍しく正解だよ。ただそれだけじゃないな。そんなもんなんかだとDGソルジャーだけでことは片付く。なんか他に…)

「おい、ザックス!お前の隊の元ソルジャー一人差し出せ!希望者を募ってもいい。嫌がれば報奨金を出すと言え!」
「ああ、そうだ!昨日来た若造いただろ?アイツがいい。」

勝手な事を。
昨日この村に辿りついたソルジャー、神羅時代俺の下で働いていた3rdだったジョンだ。心優しくてソルジャーには向いていないと思ってた。でも運がいいのか悪いのか、魔晄耐性がすこぶる良かった。あのままいればきっと1stに上り詰めていただろう。魔晄耐性だけだったら。ただ致命的に優しかったのだ。そう俺が最後まで守ったアイツと一緒で…。

俺は、ジョンの家に訪ねていった。そして事の顛末を話した。

「WROは本人の希望を尊重すると言ってる。」
「しかし、あれはWROじゃない!どう見ても神羅の別組織だ!隊長、あの代表と話していた男、タークスのツォンですよね?俺、まだここに居たいんです!今ジェノバ細胞取り除かれたら、また弱い自分に戻ってしまう…それは嫌なんです。」
「気持ちはわかるがーーとにかく俺を信じろ、悪いようにはしない。だから頼む!」

そう言って両手を剃り合わせて拝み倒した。そしてようやく了承を得たのだ。

「とにかく検査を受けろ。諸事情でここを離れるわけにはいかないとゴネれば、飲み薬で対応できるはずだから、それを飲まなければいい。それとこれをつけていけ。」

そう言って手渡したのは小さなマイクロチップの入っている盗聴器を手渡した。
一応宿舎になる宿には取り付けてあるが、念のためだ。

「頑張って行ってこい」
「は、ハイ…」

ジョンを送り出した後、隠れて聞いていたカンセルと共に、普通の村人に変装をした。

「これで大丈夫か?」
「少し背中の力を抜け。お前は図体デカすぎる。」
「ほーい!」
「なあカンセル、なんだろうな?神羅の本当の目的って。」

カンセルは付け髭の付け方に手惑いつつ、手を止めて俺の方を見た。

「元ソルジャーのジェノバ細胞除去は本当だろう。不穏分子は出来るだけ消した方がいいからな。」
「ああ」
「しかし…これは憶測の域を出ないんだが…あいつら、ここの正体に気がついていてカーフィの思惑もバレてるって考えれば、全てつながるんだよなあ。」
「だな」
「神羅の力も衰えてねえって事か。やだやだ」
「カーフィも可哀想にな。」
「ツォンだけならまだしも、あれだけ大勢出来ているなら絶対アイツも来てるぜ?」
「「レノ!」」
「そうなったら戦うだけだ。俺たち一応ブレンディ隊の所属戦士だし。」
「ああそうだな」