なんだか違和感を感じる。
村人皆が笑ってる。笑ってるいるんだが何かが…なんだろう、とにかくこの違和感の正体がわかるまでは気を引き締めておいた方がいいな。
【ドンッ!】
「っ!」
ボーッとしていたからか、横から何が飛び出してきたことすら気が付かなかった。
飛び出してきた黒い影が、足元に転がった。
「いったーい!」
「だ、大丈夫か?」
「なにボサって突っ立ってんだよ!危ないじゃないか!」
「す、すまない」
つい謝ってしまったが、よく考えるとぶつかってきたのは向こうの方じゃないか?
腑に落ちずにムッとしていると、子どもが服についた砂を叩き落としながら聞いてきた。
「おねえさん、今日来たWROの人?」
「誰が"おねえさん"だ!」
子どものひとりが俺の胸に手を当ててきた。
「本当だ!胸がない!」
子ども達がなにか話になってヒソヒソ話をしている。
(おい、あんなに綺麗な男って見たことあるか?)
(単なるペチャパイなだけじゃないか?)
(えー、でも本当に硬かったぞ!)
(ねえ、下触ってみればわかるんじゃないかな?)
(えー!誰が触るんだよ?)
(よし、ここはエミリーお前が行け!)
【ボコッ!】
(イッテーッ!)
(女の子にそんなことさせるの?だからモテないのよ!ジミーは!)
(暴力者!パティ!)
(ぼ、僕が行くよ…)
(本当か?よしっ!切込隊長の名をジュリアンに譲ろう!いけ!)
(気をつけて、ジュリアン)
話がついたのか、一人の茶色い髪の男の子が俺の前に走り込んできた。
【ムギュッ!】
「何をするんだ!」
ゴツンと俺の拳が男の子の頭に落とされた。
「イターイ」
男の子は涙目になりながら、仲間たちに大声で報告していた。
「ついてたよ!」
「えー!」
「ほらやっぱり男じゃん!」
「お前ら~~」
お仕置きとして、残りの二人の頭上にもゲンコツをお見舞いした。
子どもの一人が、涙目で見上げてきた。
「ごめんなさい。お兄ちゃんがあまりに綺麗だったから。」
「う、うん。天使だと思ったぞ!」
「…可愛い」
「エッジから来たんだろ?やっぱりお兄ちゃんみたいな人ばっかりなんだろうなぁ」
「パパやママにね、近づいちゃいけませんって言われたんだけど、こんなに大勢のお客さん初めてだから。」
「ここで出てくるの待ってた。」
なんというか、肩の力が抜けて子どもたちとそばの岩に腰掛けた。
「君たちの名前は?」
子どもたちは俺に許してもらったと認識したのか、嬉しそうに同じように俺の横に腰掛けた。
「俺はジミーってんだ!よろしくな!」
「私はパティ」
「ぼ、僕はジュリアンです。」
「「「で?お兄ちゃんは?」」」
「俺?…クラウド」
なんか流れで自己紹介させられてるし。
その後色々話をさせられていると、ジュリアンが小さく溜息をついたのが目に付いた。なんなんだ?一体。
気づくと辺り一面夜の帷が降りていた。
「いっけなーい!ジミー、もう真っ暗よ!ママ達に怒られちゃう!」
「ゲッ!もう俺たち友だちだからな!またな!クラウド!」
「バイバイ!」
子どもたちは、親に怒られるーと言いながら賑やかに去っていった。
子どもが去った後には、夜の静けさだけがのこっていた。
「どうだった?」
「間違いない、あいつはソルジャーだ。あの青いペンキの様な独特の瞳。ブレンディさんところのソルジャーも同じだろ?」
「ソルジャーだったらどうなるんだ?」
「馬鹿だなぁジュリアンは。ブレンディさんが言ってたろ?この村のソルジャー以外は敵だって。俺たちが倒すんだよ、あのソルジャーを」
「さすがジミー!カッコイイ!私も一緒にやる!」
「ソルジャーを舐めない方が…いいと…思う…」
「なに弱腰になってんだよ!俺たちは子どもだけど戦士だろ?ブレンディさんがこの世界を征服するためには、俺たちの力が必要だって言ってたじゃん!」
「あーあ、私がもっと大人だったらお色気作戦で骨抜きにする所なのにぃ!」
「さあ?それはどうかなぁ?」
「なによ!ジミー!」
「さあ、明日からも監視続けるぞ!」
「うん!」
意気込み新たに子どもたちは家に帰っていった。一人残されたジュリアンがボソッと呟いた。
「………そんなに簡単にお色気で落とせるなら、いつも苦労しないんじゃないかな」
***
用意された宿屋の部屋は、リーブが気を利かしてくれたのか、ベッドとクローゼットくらいしかない狭い部屋だがひとり部屋を用意してくれていた。
ベッドに腰掛けると、久しぶりのシーツの感触になんだか嬉しくなる。
ごろりと横になると、昼間のレノの言葉を不意に思い出した。
『迎えに行くぞ、と』
クソッなんで思い出すんだ。しかし、今日の調査の結果も聞きたいし…
「調査結果を聞きに行くだけだからな」
そう自分に言い聞かせながら、レノを探しに外に出た。多分この時間だとあそこだろうと予測した場所に足を向けた。
村から少し離れた雑木林の中の飛行艇の側までやって来て、人の気配を辿った。
「わかりやす過ぎだろ…フッ」
タークスのそれもエース級のレノが、こんなにわかりやすく気を出しているなんて考えられない。どう考えても"ワザと"だ。
「おせーんだぞ、と」
「アンタわかり易過ぎ」
「迷子にならないように気を利かしてやったんだぞ、と」
「とにかく中に入れ。聞きたいだろ?調査結果。」
「ああ」
飛行艇のロックを外し中に入ると、一斉にライトが点灯した。どうやらセンターで探知してつくようになっているらしい。
「また無駄な機能を…」
「そういうなよ、これでも凄いんだぞ、と。登録者以外が入ってきても点灯しない。今はオレとアンタが入ったからついた。でも、存在主張する必要ないから消すぞ、と。アンタの目だったら、暗くても大丈夫だろ?」
「ああ」
灯りを全部消し、連れていかれたところはモニターと簡易ベッドが置いてある部屋だった。
「長期間のフライトやミッション時の休息用に作ったんだぞ、と。このモニターで船内及び船外100mまでの不審者をキャッチして映し出す。」
「へぇ」
「それと揺れを最小限に抑えるシステムを搭載している。誰かさんが使い物にならなくなるっていうんで、エンジニアのシドが開発したんだぞ、と。アンタ好かれてるな」
「えっ?」
「まあ、それよりだ。」
そう言ってイキナリ俺をベッドの上に押し倒した。簡易ベッドがギシッと鳴った。
☆(注意)
ここからしばらくレノクラのR18的なお話になります。
読まなくても話は繋がる内容になってます。
読みたいという方はリンクの先にどうぞ☆
***
「大丈夫か?クラウド」
「何とか…」
「最高だったぞ、と。」
そういってレノは俺の髪を撫でながら、首筋に口づけをする。それは俺も同感だったわけで。
今までは感じたことのない親しみをレノに感じた、俺はどうしてしまったのだろうか?
「ところで、調査結果だけどな…タークスの中でもやはり違和感を感じたものが多数いて、軽く調べてみた。まだ完全な調査結果だが聞きたいか?だぞ」
「ああ」
「この村に違和感は感じているだろ?作り物臭い変な感じだ。」
「でも、ここの村人はそこまで感じられない。」
「多分、まだ素人に毛が生えた程度なんだぞ、と。でも放置しておくとそのうちに手がつけられなくなるんだぞ、と」
「ああ」
「それと…やはりこの村にもソルジャーが流れてきているんだぞ、と。あいつらが先頭に立たれると厄介なんだぞ、と。」
「だから明日、DGソルジャー達もこちらに呼ぶつもりだぞ、と。」
「それ程クラスが上のソルジャーがいるのか?」
「念の為だ…」
話しながらスーツを身につけたレノは俺の着替えを手伝いながら大丈夫かと気遣う。
歩けない程ではないので、大丈夫だと答えたが。
「クラウドのデーターも入っているから、息苦しくなったらいつでもこの部屋を使うといい。シドいわくこの部屋はクラウド専用らしいからな。」
先に出てるぞとレノが出ていこうとしたその時、モニターに『Emergency』の表示が出たとともに映像が映し出された。
「おおっと!」
画面に映し出されたのは、昼間会った3人の子ども達だった。少なくともこの時間は子どもがうろちょろしていい時間じゃない。モンスターと遭遇する可能性もある。
早く家に帰るように話をしようと腰を上げた時、レノに止められた。
「ちょっと待つんだぞ、と。見てみろ」
と、顎で指したモニターを見ると、どう考えても子どもの行動ではない。よく教育された兵士の諜報作業らしい行動をしていた。
「あんな子どもまで…」
「別に珍しくはない。昔神羅が元気だった頃、訪ねていった村ではよく見た光景だ。しかし、これは少し考えを改めないとダメみたいだな…」
「あれは素人のやり方じゃねえ。ヤバイな」
レノがモニターについているキーボードで、何かを打ち込んでいる。
「よし、これで音声も拾えるはずだ。夜だから周りが静かだからな。」
音量をあげ耳を傾けRECボタンを押す。
すると、とんでもない話が聞こえてきた。本当に信じられない話が…
「おい、これがあいつらの乗ってきた飛行艇だな。」
「なんだこの飛行艇は。どうやら人を運ぶだけじゃないみたいだぞ。」
「どうしてそんなことわかるの?」
「バカだなパティは。どうやってもドアが開かない。セキュリティがしっかりしている証拠だ。今までだったら、俺達に開けられないものなかったろ?」
「多分だけど、生体反応使ってるだと思う。」
「あー!クソッ!せっかく見つけたのにな。」
「ザックスさんに教えて、正式に軍に入れてもらおうって思ってたのにさ~」
「とにかく明日ザックスさんに報告しようぜ?」
ありえない名前を聞いた気がする。何故ここでその名前を聞くんだ?
レノの方を見ると、彼も驚きはしているがやっぱりなという顔をして額に手を当てていた。
「まさかアンタ…知って…た…のか?」
「確信はなかったんだぞ、と。ただ、前もって村に入り込ませたメンバーの報告でファーストに近い誰かが指揮をとってるときていた。」
「ファーストの二人は既にもういない、一人はDGにいる。となるとあいつしかありえねぇ。」
「だってあいつは、死んだんだぞ?俺を庇って!」
「死んでなかったって事だろうな。クラウドも死体を見たわけじゃないんだろ?」
「それは…」
生きている?ザックスが?だって俺はライフストリームでアイツとエアリスに会ってるんだぞ?
わからない…もう、なにもわからない…
「クラウド!惑わされるな。ショックを受けたのはわかるが、お前には仲間がいる。それに…俺もいるんだ!」
「レノ?」
ヤバイな…かなり動転している。今はDGとクラウドの力が必要だと言うのに!
「今日はここに泊まれ。俺も付き合うんだぞ、と。とにかくシャワーでも浴びろ。着替えを用意するから。」
「あ、ああ」
部屋から出て、司令室に行き
子ども達が立ち去ったのを確認して、ステルス機能を作動させ飛行艇の存在を消した。
携帯を取り出し、相棒に電話をした。
「相棒、悪いんだけど今晩はここに泊まるんだぞ、と。後でデーターをそっちに送る。ツォンさんにも話しておいてくれ。」
更にもう一箇所にかけた。
「リーブ、DG達を至急こっちに寄越してくれ。どうやら明後日なんて言ってられないんだぞ、と。」
電話を終えて、一旦携帯の電源を切る。これは追跡を防ぐためだ。
俺たちタークスの連絡取りには、絶対現住所を言わないのが鉄則だ。
言わないが、受けた方がGPSで居場所を確認する。
これくらい徹底してても、漏れるものは漏れるのだが…。今回も実は情報漏れが疑われていた。だから、我々タークスも乗り込んだのだ。しかしアイツがここで軍に所属しているのならば納得できる。
ミスで漏れたわけじゃない、解析傍受されていたんだ。
「やってくれるんだぞ、と。舐められたもんだ。多分、子犬だけじゃねえ…データー収集に詳しい誰か…アイツか?」
浮かんだのは、子犬と同期の2ndのソルジャー。こっちがブロックしてもいつもしれっとぶち破っていた。
「あいつも生きてたか…」
こりゃちょっとやそっとじゃ帰れねぇな。久し振りの大掛かりな戦闘になるかもな…。
***
☆後書きという名の言い訳
・ディープグランドソルジャーの設定は、まるまる偽装ですw(DCやっていません…
・初めてのレノクラのエロシーン。本当に下手なんです、エロシーン書くの…
だから自身がないのと、読みたくない方もいらっしゃるでしょうから、隠して見ました。
ブログの方では隠してありません。
・レノの口癖、途中から面倒になってしまった←オイッ
ここまで読んでいただきありがとうございました。