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Juliwolfmunのブログ

腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
ここのサイトの作品は、二次創作であって、出版社様・原作者様とは全くもって関係がございません。

何もかもが終わって、エッジも全く元通りとは行かないけど、住人達の手で少しずつだけど復興の兆しが見えてきた。
だからか、みんなの心にゆとりが出てきたようで、今日も美人マスターの経営するセブンスヘブンは繁盛している。

その人々のざわつきもものともせずに、そこの二階でデリバリーを営んでるクラウドが帰ってきた。
カウンターで常連客が

「おっ!旦那さんのおかえりか?」

とからかい気味にティファに声をかけた。ティファは少し頬を赤らめて
「だから違うって言ってるでしょ?」
と軽くいなしていた。多分普段から言われなれているんだろうと想像はつく。
ふとカウンターに目をやると、最近社会勉強と称してアルバイトとして働き始めたシェルクが、何とも言えないぎこちない笑顔を見せていた。
クラウドは自分があそこにいても同じような笑顔しかできないだろうなと、思いつつそれでも必死に物事を覚えようと努力しているシェルクを見ていると、微笑みを抑えることが出来なかった。
彼女も神羅の犠牲者なのだ。小さい子どもの頃改造されて、永遠に年を取らない。自分と同じ種類の人間だ。

カウンターを通り過ぎて二階へ向かおうと階段に足をかけた時、後ろからシェルクから声をかけられた。

「クラウド・ストライフ、先程と局長から連絡があったようです。帰り次第連絡をと」
すると、後ろから追いかけてきたティファが
「そんな連絡あった?」
「私にはわかりますから」
「ああ、そうだったわね」

何かティファの機嫌を損ねたようだ。最近ちょこちょここういうことがある。
少し考え込んでいると、シェルクが俺の腕を引っ張り「話があります」と部屋に引っ張って行こうとした。

「ああそうだ、ティファ・ロックハート。少し離れます。いいですか?」
「別にいいけど…」
「では、すみません」

強引に引っ張るシェルクと共に事務所兼自室にはいった。

「話ってなんだ?」
「クラウド・ストライフ。あなたはティファの事どう思っていますか?」

直球でココ最近の悩み事を聞かれた俺は、即答できずに俯いた。

「はっきり言います。ティファ・ロックハートとの関係をはっきりさせるべきです。今日の局長の連絡も、彼女は伝える意志がなかった様に思います。」
「なんでそんな事わかるんだ?」
「お忘れですか?私はツヴィエートですよ?」
「とにかく、今の状態はどちらのためにもならないと思います。それにヴィンセント・バレンタインも気にしてます。」
「ヴィンセントが?」
「ええ、まあ私には関係ないですね」

俺は、リーブからの連絡があったというのを思い出し、シェルクにそれを聞いた。

「シェルク、リーブはなんて?」
「ああ、そうでした。頼みたいことがあるので、何時になってもいいから連絡をくださいと。」

先ほどの会話が既になかったことにされているのをみて、人と交わるのが苦手な俺が、こうやって普通の会話ができるのは、彼女がこういったドライな性格なおかげだろう。

「で、どんな内容だった?」
「局長は隠すのが上手ですから、読むのが難しいのですが、多分昔の神羅の後始末の依頼だと思います。」
「そうか。シェルクは一緒に来ないのか?」
「私はここで自分の与えられた仕事があります。でも…」
「助けが必要な時は駆けつけます。」
「どうも」

そう言ってシェルクの髪をかき混ぜてやると、珍しく照れくさそうに頬を染めた。

「…わ、私はクラウド・ストライフの事は、ヴィンセントと同じ位、た、大切に思ってますから!」

そう言って階段をありえないスピードでかけ降りていった。下からティファの声も聞こえてくるから、まあ階段のおりかたで叱られてるんだろうなと想像した。

俺は普段はあまり使うことがない携帯電話を取り出した。いつもの癖で広げようとして気がついた。
数日前にシェルクから、今どきガラケーでは連絡取りにくい!と文句を言われ半ば強制的に持たされたスマートフォンだという事に。
多分だが、俺はこういう機械的なことはサッパリだけど、シェルクの能力とシンクロする機能がついているんだろうと予想は出来る。
シェルクは「ヴィンセントはいくら言っても持ってくれない!」と怒っていたが、彼は電話さえ出来ればいいわけで…

スマホのロックを外し、電話帳からリーブを選びタップする。数回鳴らしただけで目的の人物は出た。

「クラウドはん、よかった!かけてきてくれて。昼間のティファさんの様子だと伝えてもらえなさそうでしたから。」
「いや、シェルクから」
「ああ、そうでしたか。そういえばシェルクさん、ちゃんとやっていますか?」
「ああ頑張っているよ。ぎこちない笑顔だけど。」
「そうですか、よかった。それで依頼の件なんですが、クラウドさん暑いところは大丈夫ですか?まあ、今の季節だとさほど暑くないとは思いますが。」
「まあ今は大丈夫だ。」
「ミディールの側の小さな場所なんですが、そこに今度WROが恒例の掃除に行くことになりましてね。なんせ初めての村ですから、クラウドはんが来て下されば心強いのですが。」
「日程は?」
「明後日より、まあ長く見積もって2、3週間ってところですかね」
「わかった。依頼を調整してみる。明日また連絡する。」
「クスッ、ホンマシェルクはんがクラウドはんを慕うわけがわかった気がしますよ。」
「なんだ?」
「似てるんですよ、あなた達二人。」


似てる…かぁ…
じゃあ、アイツが生きていたらシェルクは絶対合わせたらダメだな、絶対手を出す。
そう、もういない唯一の存在の事に思いを飛ばす。
昔はアイツのことを考えたりすると、心が痛みドン底まで落ち込んでいたが、ココ最近は笑えるくらいになった。

「少しは引きずっていたもの、下ろせたのかな?」

と独りごちる。

***

出発10分前に、待ち合わせ場所でもあるWRO本部(元神羅本社ビル)にフェンリルで到着すると、この場には似つかわしくない姿が目に止まった。

「なんでアンタ達がここに?」
「今回は俺たちタークスも同行するんだぞ、と。」
そう言って指さししたところには、ツォンとロッド、イリーナもいた。
「ほれ、ここに相棒もいるぞ、と」

「今回は、我々神羅としてもあの災害後初めて訪ねていく村だからな。補償額の査定も含めて確認のために同行する事になった。済まないな」

ツォンは心にも思ってない謝辞を述べた。

「それと、ソルジャーの生きーー」
「「イリーナ!」」
「なんだって?」
「いや」
「レノ」

俺がしつこく聞いてくると踏んだのか、それともそういう風に仕向けたのかはわからないが、渋々と事情を話し始めた。

「最近、いろんな村で復興の調査及び手伝いをしていると二件に一度はソルジャーの生き残りを発見するんだぞ、と。今度の村にもいる可能性が高い。」
「で、見つけてどうする。また好き勝手に使おうと?」
「いや、今はソルジャーの力が必要な時代じゃねえのはお前もわかってるだろう?奴らは特殊な施しをその身体に受けている。それを除去してやれば、普通の人間として生涯を送れるんだぞ、と。」
「その手伝いをしている。もちろん強制ではない。本人の意思を確認して除去の意思があれば、その施術をさせてもらう。勿論タダでだ。」
「ただ、全員が除去できるわけじゃねえ。特にクラスが上がるとアンマッチ率が高くなる。」
「ジェノバ細胞を除去?」

俺が興味を示したのに気がついたのか、レノが煙草に火をつけながら告げた。

「残念ながら、クラウド、アンタは対象外だったんだぞ、と。」
「え?」
「この方法を編み出したの誰だと思ってるんだ?あの女史がアンタの事一番に考えないわけがねぇんだぞ、と。アンタはジェノバ細胞が自身の細胞とそっくり取り変わっていたらしくて、無理だったと…。あいつ涙ボロボロ流しながら"悔しい"と言ってたんだぞ、と」
「そうか、ありがとうと伝えておいてくれ。」
「それはオレ達の仕事じゃねえ。アンタが自分で伝えてやれだぞ、と」
「…わかった」
「ほー、あまりに素直で気持ち悪いんだぞっと」

俺が武器に手をかけた気配に気がついたのか、瞬間にレノが遠ざかった。

そうしているうちに、WROの兵たちも揃ったらしく、ジープや飛行艇に乗り込み始めた。
乗り物に乗る事に躊躇していた俺に、リーブが
「クラウドはん、今回は飛行艇が狭いんでフェンリルは置いていってもらってええですか?」
「俺に死ねと?」
「うちの兵に一人マテリアをある程度のレベル使える者がいますので、クラウドはんにスリープかけるように伝えてあります。」

そう言って、今では貴重なマテリアを見せてきた。

「そのマテリアは?まさか」
「ユフィさんに借りました。まあ使用料が無茶苦茶かかりましたが、背に腹は変えられませんから。」
「済まない」

ユフィのことだから、かなりの金額を吹っかけたか、飛行艇のいつでも使用権なんて請求しているんだろうけど、その様子でリーブには申し訳なかった。
でも、それ程出費しても俺に同行させたいわけだ。それとタークスの連中も。
簡単な仕事じゃないらしいことを、今更ながら悟った。そして、今朝セブンスヘブンを出る時のティファとの会話を思い出した。

***

店のランチの準備をしていたティファに、今日からしばらくWROの依頼で帰らないと伝えた時、凄く寂しそうな顔をして俺を見つめていたティファ。

「いつ?いつ決まったの?」
「昨夜」
「今までは、まず私に相談してくれたのに…
「済まない。」

こんな時に話を切り出すのは凄くズルイのかもしれない。しかし、俺の性格的にこのタイミングを逃すと、ズルズルとまた同じような生活を繰り返してしまうのはわかっていた。
こころを鬼にして俺はティファにこう告げた。

「ティファ…もう、こんな生活やめよう。」
「な、何言ってるの?」
「ティファは本当ならば、とっくに幸せになってなきゃいけなかったんだ。」
「クラウド?」
「俺は、ティファとは本当の家族にはなれない。」
「えっ?」
「ティファが俺との結婚を望んでいることは気がついていた。そして、二人の子どももって…違うか?」
「…」
「でも、その夢を俺は叶えてあげる事は出来ないんだ…。俺、ずっと好きな人がいるから。そいつといつまでも一緒にいるって約束したから。そいつと指輪の交換もしてるんだ。」

そう言って、今まで人の前では外したことのない手袋を外した。

「誰?エアリス?」
「違う。エアリスも大切だけど仲間としてだ。」
「まさか、シェルク?」
「違うよ。神羅の一般兵だった頃の上司だ。」
「?」
「結婚は出来なかったけど。俺たち男同志だったから。」

そうして今まで誰にも話したことは無いザックスとの日々をティファに掻い摘んで話した。

「そ、そんなに好きな…その人のところに行っちゃうの?」
「…ううん、それは出来ないんだ。彼はもう死んでいるから」
「ヤダ!どうして?今はダメでも一緒に暮らしていれば、変わるかもーー」
「ダメなんだ、ティファ。俺はもう女性を愛せない。」
「…ごめん、ティファ。でもこれが俺がティファにしてあげられる唯一の事だから。幸せになって。」
「この仕事終わったら、この家出ていくから。一応少ないけど荷物は整理して新しい部屋に移動しておいた。」
「今までありがとう、ティファ」

「勝手よ!クラウドは勝手すぎる!どれだけ酷いことを口にしているかわかってる?」
「うん、ごめん。」

そう言って泣きじゃくっているティファの頬にそっとキスをして、俺は集合場所に向かったーー

外に出た俺は、店の中からものが割る音を遠くに聞きながら、シェルクに電話をした。

「シェルクか?今からリーブの依頼に向かう。ティファに全てを告白して別れを告げた。俺としては上手く話したつもりだけどさ、どうかわからない。今日の様子をみて、手がつけられないようだったらユフィに連絡して来てもらってくれ。じゃあ」

そう留守電に入れた。

***

そんな厳しい依頼だったら、やっぱり今朝話しておいてよかったな、と独りごちる。
スリープをかけてくれる人物が到着してこの悪夢を乗り越えるために睡眠に入った俺が目覚めると、そこはジャングルまでは行かない雑木林の中だった。

まずは、タークスの連中がこの村(トール村というらしい)の村長に、我々がここに来た理由とこれからの行動の内容を伝えに行った。
昨日手渡された資料によると、ミディールや色んな村で住むことが出来なくなった人々が、身を寄せあって居住区を作ったらしい。
そういう経過でできた村だからか、よそ者の俺たちに接する態度もさほどよそよそしくはない。まあ、俺の魔晄を浴びた証でもある蒼目はやはりギョッとされるのだが…

一通りの説明と契約調印が済んだらしく、住人に案内され今日の宿として提供された宿屋にとりあえず腰を落ち着けることになった。

思ったより簡単に事が進んだレノが、タバコを取り出し俺に勧めてきた。俺はあまり本数は多くはないが、タバコを全く吸わないわけじゃない。
分けてもらったタバコに火をつけながら、少し大人しいレノに問いただした。

「どうした?簡単に事が進んで気が抜けたか?」
「さっき案内してくれたオネエちゃん、綺麗な金髪美女だったな?色も白くて。お前とはりあえるぞ、と」
「殴られたいのか?」
「いや、本気でさ。まあ俺はお前の方が好みなんだぞ、と」
「男には興味がない」
「ほー、お前がそれを言いますか?だぞ、と。まあ、俺はどっちもOKだから相手が欲しかったらいつでも声かけろよ、と。そろそろ寂しくなってきた頃合だろう?前やったのいつだったっけ?」
「…半年前」

レノが俺の前に立ち俺の股間をギュッと握りしめる、その刺激で反応したのか少し元気になった俺のそこに気付き、笑いながら

「何なら、飛行艇に戻って今からでもいいぜ、と。」

と誘ってきた。確かにレノとはそういう関係でもある。ただお互いに、いや俺には恋愛感情なるものはコイツにもってはいない。お互いに欲を放出したくなれば、身体を交える程度のはずだ。だって仕方がないだろ?俺は女性を抱くことが出来ないのだから。

「バカいうな」
「じゃあ夜な?迎えに行くぞ、と」
「だからっ!と、それよりなんか手際良すぎじゃないか?」

少し赤く染まっただろう頬を、気付かれないように隠しながら、本題を切り出した。

「ん、まあな。それについても少し調べたいんだぞ、と。まあ時間がかかるのは覚悟しておいてくれだぞ、と」
「わかった。事の次第を後で電話報告してくれ。」
「了解だぞ、と」

そう言って俺は熱くなった頬を覚ますために外に出た。

「ったく、正直じゃないんだぞ、と。素直になれば楽になるのに。なぁ、相棒。」
「…俺は男には興味ない。」
「おいおい、だってクラウドだぞ?そんじょそこらの女に比べても極上だぞ、と。」
「相棒、もしかしてクラウドが神羅にいた時から?」
「さあな。さて、ちょっと調べてくるか。なんかこの村気持ち悪いんだ、と。」
「それと、例のものもだぞ、と。相棒、くれぐれもクラウドには知られないようにな?」
「わかってる。でもいいのか?レノ。」
「いいもなにもなんだぞ、と。まあそう簡単にアイツを手放すつもりはねえけどな。」
「さて行くか!」
「ああ、ツォンさんも待ってるしな」
「あの人は本当に真面目だねえ」


***