クラウドside
あれから半年以上も経つのに、全くと言ってもいいほどザックスからの連絡はなかった。
その後、外でザックスが出てくるのを待っていたら、あの屋敷の執事らしき人がーー
『マッド様より伝言を承りました。「.今日は少し時間がかかりそうなので、後日連絡するから一旦帰っていて欲しい」との事です。』
そう伝言を聞いた。それに俺は納得してエッジに戻ってきた。確かに信じた。でも、後日って半年だぞ?あの寒かった時期も過ぎて、俺の苦手な夏が巡って来ても電話すら来ないって、遅過ぎだろ?
俺はきっとかなりイラついていたんだと思う。
ティファも子ども達も、俺の顔色を伺う様に接して来た。
家の安泰を考えての行動だったのだろう。ティファがどうやらあのレノに相談をしたらしい。
なんでよりによってレノなんだ?
他に適任者はいなかったのか?
で、奴が嬉しそうに俺の店を訪ねてきたのが先刻の事だった。
勿論、ルードも。何故かルーファウスも一緒だ。
「なあ、クラウド~」
「うるさい、俺は忙しいんだ。」
冷蔵庫の中を物色していたレノが、側のホワイトボードを指差していった。
「今日は真っ白だぞ、っと。」
そう、今日は偶然依頼が入っていないのだ。それを指摘されて俺は不貞腐れてそっぽを向いた。
「なんであんた達がいるんだ?」
「ティファちゃんが、お前があまりにピリピリモードなんで、家の空気が悪くなるの、レノなんとかして!なぁんて可愛い声で電話をかけてきたんだぞ、っと。」
「頼まれたら来るしかないだろう?どうせ暇だしな。それに楽しそうだ。」
暇つぶしかよ!
まあいい、こいつらだったらもしかして向こうの様子を調べられるかも知れない。
少し癪だけど力を借りよう。
「話があるんだけど。」
「やっと話す気になったか。待ちくたびれたぞっと。」
そうなのだ、こいつらをはじめあの戦いで知り合った仲間たちは、急かすようには聞いて来ない。忍耐強く俺が話し始めるのを待ってくれるのだ。その事についてはありがたいと思ってる、うん。
「実は…」
俺はここ半年間の出来事をレノ達に話した。
「で、待てど暮らせど連絡が来ない理由を調べて欲しいと。」
俺は首を軽く縦に振った。今までいろんな依頼を"格安"の料金で引き受けてやってきたんだ。これぐらい頼んでもバチは当たらないはずだ。
「まあ、他ならぬクラウドの頼みだからやらないではないが、お前は大丈夫なんだよな?」
「何が?」
「ザックスの心変わりーー」
「なっ!」
「もしもだ、もしもその場合の決心はついているんだよな?また死んだようなお前を、俺たちは見たくはないんだぞっと。」
「それは…覚悟はしている。ザックスは記憶が戻ったとはいえまだ不安定な精神状態だったから。」
「ならいい。レノ、ルード、久しぶりのタークスらしい仕事だな。とことん調べてやれ。」
「了解、社長!」
「ありがとう…みんな。」
レノは俺の答えに驚いたのか、目を見開いて笑い出した。
「あまり素直なクラウドも、気持ち悪いんだぞっと。」
「いくぞ、相棒。」
「ああ。クラウド、しばらく待ってろ。」
そういってルーファウス達は部屋から出て行った。その後に、ティファからどうなったかのかと確認の電話がかかってきたが、そちらにも素直にお礼をいったら、同じような反応が帰ってきた。
なんだか複雑だ。
2013/4/26
Ring of promise 12 タークスside