Their intentions ーそれぞれの思惑ー 17 *シリアス | Juliwolfmunのブログ

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Their intentions
ーそれぞれの思惑ー 17 *シリアス





眞王の命により、大シマロンへの旅路につく事になった二人。
お互いに何かを言いたそうにロを開閉しているが、なかなか言出せない。
しびれを切らしたヴォルフラムが、並行して走っているギュンターに提案した。

「ギュンター、そこの木陰で少し休まないか?」

ギュンターは、呆れた口調でヴォルフラムを咎めた。

「何言っているのですっ!つい先程出発したばかりではありませんか!体力がないですね、ヴォルフラム。」
「まあ、そういうな。こうやって並走していると、ユーリと遠乗リに出かけた時の事を思いだしてな。」
「ヴォルフラム…。わかりました。一旦ここで、休むことにしましょう。」

二人は馬を手ごろな枝につないで、道端の大樹の根本に腰を下ろした。
少し冷たさが残る風が心地よくて、油断すると眠りに入ってしまいそうになる。

ギュンターは、持参したティーセットをいそいそと広げ始めた。そして取り出したティーカップにトボトボと紅茶を注ぎヴォルフラムに渡した。
ヴォルフラムは、湯気の立ったそれを受け取り両手で包み込む樣にして口に運んだ。

「お行儀が悪いですね、ヴォルフラム。そういういただき方は年端のいかない子どもがする事ですよ。」

ギュンターは、教育係らしくマナーの注意をした。ヴォルフラムはその言葉を聞いて軽く笑いながら呟いた。

「ああ、これか?ユーリが熱いのが苦手なのか今もこうやって飲むものだから、ついうつってしまった。すまない。」 

「そうですか…。ユーリ陛下にも因ったものです。いつになっても庶民的感覚から抜けだしていただけない。」
「まあ、そういうな。そこが陛下の良い面でもあるのだから。」

ヴォルフラムは、ユーリの姿を思いだして一抹の寂しさを感じていた。

「なあ、ギュンターお前は本当にこれで良かったと思うか?本当にこれが陛下のユーリの為になると思っているか?」

そう問い掛けた元教え子の方に顔を向けると、揺れている胸中を表す表情をしていた。

「ええ、私はこれで良かったのだと思いますよ!ユーリ陛下はまだ幼く経験も少ない。今後、偉大な王になられるには眞王陛下のような方のご指導を得た方が良いのです。」
「国が二分してもか?」

ギュンターは、少し思いを巡らせながら、自分の言葉をかみしめていた。

「今は魔族の伝説に残っている眞王陛下が、お姿を現されて皆、戸惑っているだけです。落ちついたら自分たちが仕える主が誰なのかわかるはずですよ。」

「しかし…。ユーリは今現在、自分の立場の脆さを思いしって寝込んでいると、僕の隊の者に聞いた。」

ギュンターは、大きく溜め息をついてヴォルフラムを諭した。

「ヴォルフラム、あなたはユーリ陛下の婚約者なのでしよう?今は無理ですが、またいずれあの方のお側に仕える様になります。心配しなくても。」

そうであろうか?猊下や眞王陛下の様子をみる限り、僕はそんな日はもう二度と来ない━

そんな考えが、現実のものになるのは遠い未来ではなかった。

「さあ、無駄な時間を使ってしまいました。大シマロンへ行きコンラートに話をつけましょう。」


二人は、十分休んだ馬にムチを入れ、大シマロンに向かって歩みを進むた。


※※※

2012/2/19