過ぎ去りし日々は取り戻せるのか否かー19 | Juliwolfmunのブログ

Juliwolfmunのブログ

腐女子じゃなく主腐じゃないかと自負するもののブログです。
ここのサイトの作品は、二次創作であって、出版社様・原作者様とは全くもって関係がございません。

ここは、魔王直轄の領地である城下の端に位置する市場ー

我が眞魔国第二十七代魔王ユーリ陛下のお供でこの市場にやってきた俺は、陛下を護衛すべく横に張り付いて市場を回った。
普段のお忍びとは違い、視察の名目な為、高貴な髪も目も隠さず商店を見て回っている。
それでも、持ち前の好奇心の高さが疼き出した若き王は、あちこちとフラフラ歩き回ってしまう。
(護衛するこっちの身にもなってくださいよ、坊ちゃん…。)とため息をついている間にも、又先に進んでしまっていた。

俺は、喜色満面な坊ちゃんの耳元で「食べる前に、俺に少し分けてくださいね。絶対勝手に口にしないように」と囁いた。
陛下は、(わかってるよ)と、コソリと俺に答えた。


「ねぇ、おねえさん!これはなに?すごくおいしそうだねっ!」
「これは、ビバノンノンっという食べるとあまりもの美味しさに踊り出したくなるという果物ですよ。」

(なんか、ババンババンバンバン!アービバノンノン♩ってお風呂に入りたくなるような果物だなぁ。歯磨きしたかぁ~)

陛下は、珍しそうにその果物を手にとって見ていたが、店主に向かって謝った。
「すごく美味しそうなんだけれど、まだ行かないといけないところがあるから、後でいただいていいかな?」
店主は、緊張した面持ちで「もちろんです。」と答えた。

「ありがとう、ゴメンね。すぐに感想言えなくて…」
と、にっこり笑顔を見せた。まぁ、この笑顔に慣れていないもんは…と、店主をみると、案の定固まってる。
オイオイ、呼吸は忘れようようにな…。お大事に。

こんなところまで噂が広まっているのか、街の人々の坊ちゃんを見る表情からは、心配しているのいうのが浮かび上がっているのがわかる。しかし、坊ちゃんが普段と同じような笑顔を見せているので、一同に安心したような雰囲気に変わっていった。

「陛下のあの元気な笑顔を見ると、元気が出るねぇ。」
「よかったねぇ…。お城に働きに言っている息子の話だと、しばらくするとあの笑顔が見れていないと聞いていたから、お加減が悪いのかと心配していたんだけれど、よかったわ」

(坊ちゃん、これが民の正直な声ですよ。この国の王は貴方しかいない。こんな短期間で、民の心を掴んだ王は、俺は知りませんよ。)
俺は、横を歩く坊ちゃんの横顔を見ながら、そう心の中で呟いた。

「じゃあ、おねえさん又ね。ヨザック、次に行こうか。」

その後も、酒屋・洋装店・お菓子やと巡り、残すは街外れのパン屋のみとなった。
陛下は、少し緊張しているのか目が鋭くなっていた。

「ヨザック、ここか?」
「はい、そうです。」
「そっか…、では行こうか!」
「了解!陛下」

@@@@@@@@@@@@@@

2011/11/10 juliwolfmun