「ヨザック、俺にはあんたしか頼れる人物はいないんだ。俺の願いを聞いてもらえないか?」
ユーリはまるで捨て猫が拾い主にするように、すがるような目を向けて頼んだ。
「ヴォルフが…ビーレフェルト城から行方不明になったらしい。俺はヴォルフを探し出して連れ戻したい。」
「閣下が?知りませんでした。それで陛下は連れ戻してどうするんですか?」
ヨザックが陛下呼ばわりする時は、真剣に話をしている時だ。
そう感じたユーリは少し胸のつかえが取れたような気がして楽になった。
「あんたも、彼らと同じ質問をするのか?大丈夫だ。俺は自分がしでかした事はちゃんと理解している。
俺は王としての責任を果たしたいだけだ。それには、ヴォルフをこっちに連れ戻さないといけないんだ。」
「グリエ・ヨザック!あんたにヴォルフ…フォンビーレフェルト卿の探索を頼みたい。
あの二兄弟より早く見つけなければいけないんだ。それも彼らには内密に…出来るか?」
「勿論出来ますが…それは陛下のご命令ですか?頼み事ですか?頼み事だと拒否権はあるんですよね?」
「これは、命令だ。」
ヨザックは、ユーリの前で膝を曲げ頭を下げ答えた。
「御意!」
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2011/10/29