小さい頃から大人の様子をよく見てきたからか、もともとの性質なのかはわからないが、私は人間関係における立ち回り方には割と頭が回る。
私の実家は嫁姑問題が顕著であり、頭が良い祖母と要領が悪い母親とのぶつかり合いが毎日のように繰り広げられていた。
どの場面でも祖母の方が上手であった。
裕福な家庭で育っていない祖母は苦労を経験しており、目先のことだけで判断せず、長期的な目線を持っていた。
一方で私の母は、大学卒業と同時に結婚したようなもので、社会に出た経験もない。大人の狡猾さや処世術など知る機会もなかった。
昔であったから、母は実母に「我慢しろ」とばかり言われ続けた。
今となっては、我慢するだけではなく、うまく立ち回る処世術を娘に教えてあげればよかったのに、と思う。
けれども母方の祖母もまたお嬢様育ちで、彼女もそれを知らなかったのかもしれない。
母の我慢には限界があった。
限界を超えると感情むき出しになって、母は夫である私の父に当たり散らした。
母の不利である。
そうした状況は姑に筒抜けになるし、仕事から帰ってきてクタクタの父がそんな話を喜ぶわけがない。
もう少し器用に生きればぶつからなくて済むものを、不器用ゆえに全てに突っ込んでいくような生き方を母は今でもしている。
その娘である私は、対人関係における戦略を練ることが得意である。
今日も一緒に働くスタッフの良くない話を耳にした。
来年度の人員配置に影響するような内容だけれども、平然を装って何も知らない振りを私は貫いた。
大きく物事を動かす場合は、冷静さが必要である。
内容は私にとっても面白くないものだが、だからといって感情的に動けば、こちらが不利になる。
感情を出すと損をすることを身を持って教えてくれた母の姿が、仕事上でとても役に立っている。(シニカルだな〜)




